表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

677/933

677話 目クソも鼻クソも大差ない


〜メグミside〜




 初めての元神狩りを終えて拠点に帰還した僕は、すぐ皆が集まっている<水城のダンジョン>へ行って風呂に入り……


 マサル&モンティート先輩のアドバイスを受けて、「サブのダンジョンコア」を「リソース吸引装置」に改造した後、夜9時にはベッドに入った。



 慣れない野外行動で肉体がたぎっている状態なのに、サーシャと戯れられないのは残念だけど、明日からの行程も過酷だから仕方ない。


 それはサーシャも理解してくれていて……リラックスできる柑橘系のアロマを焚いたり、明日食べる用のお弁当を作ってくれたよ。


 コッソリ中を覗いたとき、ご飯の上にウサギちゃんとハートマークが乗っていたので、明日食べるときは赤面必至だけど。



 移動時の下半身崩壊を避ける為に、サーシャに「風龍を借りられないか?」と頼んでみたところ、その場で風龍に確認をとってくれて……


 「風精霊を補助につければ、移動中に迷子になるリスクは低い」ということで、しばらく砂龍と交換で貸してもらえることになった。



 砂龍は「僕も行く〜!」とゴネていたが、ゴメンね……「スピードのある方向音痴」と、「それをフォローできない軟弱主人」の組み合わせは、致命的なんだ。


 もう少し年月が経ち精神的に成長すれば、彼も土龍さんみたいに単独で動けるようになると思うので、そうしたら一緒に空の旅を楽しもう。



 なお……ロックドラゴンという足があるのに、必死に代わりの足を用意する僕の姿を見て、モンティート先輩は不思議そうな顔をしていたけど……


 土精霊とのハーフで人間よりずっと丈夫な貴方と、引きこもりのプロである僕の肉体強度を、一緒にしないでください!



 今は多忙すぎてダメだけど、いずれはサーシャとの間に可愛い子供をもうけたいと思っているのに……


 潰されすぎて、僕の<ピー>が<粗大ゴミ7号>みたいな無残な姿になったら、マジ泣きしますよ!


 お願いですから、その優しい心に「凡人は想像以上に脆い」という情報もインプットして、ナチュラル強者ムーブをかますのは止めてください!!






「それにしても、なぜマサルは先輩方と一緒に寝ないんだろう? いつもは、僕よりも好んで集まっているのに」


「ふふふふっ。メグミ君、彼には彼の事情があるんだよ。ソッとしておいてあげよう」



「そうだぞ。コレばかりは、仕方ない事だからな。此処にはアスタリアとサーシャもいるし、今は距離をとる方がいいだろう」


「…………?」



 その顔は……モンティート先輩もナーティー先輩も、絶対に"何か"知っていますね!


 ズルイ!!


 マサルに聞いても話を逸らされたんです〜、僕にも教えてくださいよ〜!!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 メグミが、仲間&先輩に囲まれてパジャマ姿で駄々をこね、うまい具合にあしらわれて眠らされた頃……


 粛正をおこない神々を魔王界へ堕とした張本人である闇神が、<粗大ゴミ7号>の死に気付いた。



「ふむ、あのイケメンモドキが殺られたのか。頑丈さこそ残してあるとはいえ、神時代の能力は全没収しておいたからな。狙われれば死にもするだろう」


 毎日のように裏切った者達を粛正している闇神は、自分が<粗大ゴミ7号>の能力剥奪処理をミスった事に気づかない。



 上級神である彼にとって、下級神だった<粗大ゴミ7号>と魔王の差など、耳クソと鼻クソ程度の違いしかなく……


 本人にとっては、「針の穴に糸を通すようなコントロール」で処理をおこなわねばならない仕事なので、多少の凹凸が出てもよく見なければ判らないのだ。



「奴を殺した魔王は、メグミと……マサルか。ウグリスを汚臭地獄に堕とした、あのマサルが動いているなら納得。何の不思議もない」


 彼の頭の中では、優先順位が「粛正>>>>>ゴミ箱の様子把握」になっているため、<粗大ゴミ7号>が殺られた過程の理解も曖昧である。






「生かして家畜として搾り取った方が、効率がいいと思うが……よく考えてみると少々捨てすぎたな。増えすぎて邪魔になり、駆除に動いたというところか」


 <サルトー区・ポルカト界>へポイ捨てした元神の数をカウントして、今更ながら「やり過ぎた」ことに気づいた闇神だったが、他に使えそうなゴミ箱もない。


 そのため、「増え過ぎたら自動で処理される機能が付いている」とポジティブに考え、粛正を再開することにした。



「家畜化しても良し、殺してリソースの残渣を奪っても良し。こんな便利な家畜を送りこんでいるのだから、マサルが私にキレることはないはず」


 万が一にも、ウグリスと同じような攻撃を受けて"汚物神"になどなりたくないので、それを成し得たマサルのことだけは警戒しているが……それだけだ。



「まだまだ我が派閥は、粛正せねばならぬゴミであふれている。ゴミ処理場の事情なんぞに、いちいち構っている暇はない!」


 息を吸うようにパワハラをかます性根の腐った闇神に、下の者を慮り無理のない範囲で働かせる……という考えはないのだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これこのままだと神を余裕で超える化け物2人が誕生するんじゃね?
とりあえず闇神は休んだ方がいいと思うの(棒読み) これ、オーバーワークで仕事への集中力ガタ落ちになってるパターンだわ。 大体こういう雑なミスが積み重なった結果大ボケやらかすんだよなぁ。
蟲毒の壺化しとるがな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ