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670話 数を制限しませんか?


〜メグミside〜




 僕が「ポイ捨てで堕ちてきた元神達を食べたい」と言ったところ、モンティート先輩はドン引きした表情を浮かべながらも、希望を叶えるべく動いてくれた。


「OK。とりあえず"それっぽい議題"を出しておいたから、応援票を入れて本会議へ進めてくれる?」


「分かりました。ありがとうございます!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


議題:堕ちた神である下僕魔王の数を150以内に制限し、それを超えた場合、暗黙のルールのもとで殺処分しませんか?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ここ3ヶ月、闇神<スティグマ>のポイ捨てが原因で、堕ちた神である下僕魔王の数が急増しています。


サンドバッグ扱いを受けている彼等の稼ぎを奪うことで、美味しい思いをしている方も多くいるでしょう。


それを否定はしません。


ですが、このまま下僕魔王の数が増え続けた場合、何かの拍子にその数が脅威となり、立場が逆転するリスクも上がってしまうのです。


実際、闇神のポイ捨て処理は日が経つにつれて甘くなっており、ギフトや神力の残渣を持ったまま堕とされ、完全には力を失っていない下僕魔王も存在します。


このままだと、闇神の処理が甘くなりすぎて下僕魔王が「搾取要員として収まる器」じゃなくなり、我々に反逆するのも時間の問題でしょう。


そしてそのとき、搾取によって恨みを買い過ぎた者達がどうなるかは……言うまでもありません。


そのリスクを限定的にして、もし下剋上を試みられても我々"一般魔王"の手で抑えられる状況にするために、私は「下僕魔王の数を150に制限する案」を推します。


下僕魔王の質をコントロールする権限は闇神にあり、我々に介入する余地はありませんので、コチラで調節可能なのは数だけだからです。


殲滅ではなく数の制限に留めるのには、「下僕魔王の恩恵を受けている層も多くおり、彼等の収入源を奪う結果になるのを避ける」という理由があります。


150でも多い気はしますが、それなら最大でも一般魔王の半数程度にしかならないので、抑止は可能だと……現時点では愚行しております。


また肝心の「殺し方」についてですが、試したことすらない事なので、試行錯誤しながらマニュアルを作るか猛者に任せるべきかと。


皆様に難しい判断を迫ってしまい申し訳ないのですが、ご検討をお願いいたします。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 50.1%を超える票を持っている僕等は、その気になれば再投票で強引に可決できるけど……


 法案扱いではなく"暗黙のルール"として進める以上、他の魔王の協力も必要なので、<農民><小鬼>同盟だけが賛同する展開は避けたい。


 それゆえ先輩は、あえて「搾取している魔王達」の危機感を煽るような言い回しを選び、恐怖心から賛同を得られるような提案をしてくれたのだろう。



 ちなみに……現時点では、正式な法案化は不可能である。


 だってルールとして定めたところで、元神である下僕魔王の殺し方は確立されておらず、そもそも殺せるかも分からない状況だから……


 殺処分ルールを遂行できる確証なんてないし、そんなものを正式な法案として通すわけにはいかないじゃん。



「先輩、応援票入れました! マサル達にも、メールで連絡済みです!」


「ありがとー!」


 なので先輩は、「とりあえず暗黙の了解で処分する流れをつくって、前例を積み上げた後、改めて正式な法案として〜」と考えているのだと思う。



 一度搾取の味をおぼえた下位魔王が、この動きに賛同するとは思えないけど、現時点でも下僕が増えすぎて、カバーが甘い搾取ポイントが出てきているのだ。


 その状況で全ての餌を護りきれる訳ないし、元神を殺せる程の実力者と相対してまで、殺処分を阻止する気概もないだろう。






「あー、うん。やはり魔王掲示板では反対派が騒いでいますね」


「だね〜。彼等にとって下僕魔王は、ようやく現れた"ザコい自分でも搾取できる餌"。反対するのも当然だよ」



 魔王掲示板で騒いでいる連中は、表面上"それっぽい理由"を述べて、正義の味方気取りでモンティート先輩を批判しているが……


 言っている事とやっている事が違う時点で、信用に値しないし、マトモな票数をもつ猛者には相手してもらえないだろう。



「でも先輩。マトモな感性をもつ魔王達は、続々と票を投じてくれています! これなら、今日中には可決されるかと」」


「うん。失うものなんてない下位魔王と違って、中堅以上の魔王は守るべきものが多いし、相応にプライドも高い。部外者による下剋上なんて認められないよ」


「ですね」



 先輩の言うとおり、この議題は<農民>や<小鬼>同盟のように「多くの資産をもつ魔王」こそ、逃げずに正面から向き合うべきもの。


 「実害が出ていないから」と言って放置し、何かの拍子に元神達と立場が入れ替わってしまった後で、チカラを持った彼等に命乞いをしても……


 搾取される側になった……それもブリブリに太った餌であり、元神達にとって「憎むべき敵」でもある一般魔王に、彼等が情けをかける訳ないのだから。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
農民、小鬼で全体の50%を越えれるなら、下位魔王達が投票できる資産があるなら約30%と考えて、中堅や上位魔王を合わせて約20%にするならこのうち10%の上中堅魔王が投票すればまともな票数と言えるんじゃ…
まともな票数とは、どれくらいだろう?
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