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667話 ポイ捨てされた側


〜メグミside〜




 まだ<サルトー区・ポルカト界>はウグリスの苛政から立ち直れていないし、暫くはこの平和な状況が続くと思っていたんだけど……


 予定していないところから、マサルの後輩にあたる83期魔王が降ってきた。


 それも……ウグリスと同じように元神様で、サンドバッグ兼ATMとして闇神の公認を受けた、「ゾンビ搾取要員」として……だ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


初めまして、私は元卑神の<ボコラレッタイ>と申します。


以前は別の名を名乗っていましたが、闇神様への罪を重ねた結果名を取りあげられ、こちらのサンドバッグ名をいただく事になりました。


私の存在意義は、ウグリスと同様に皆様のサンドバッグ兼搾取要員となり、皆様に徹底的にご指導いただくことで、犯した大罪のケジメをつけることです。


なのでウグリスと同じ待遇の奴隷魔王として、24時間いつでも好きな時に搾取し、踏み付けにしてくださいますようお願い申しあげます。


私も、住まいとして与えられた<貢ぐダンジョン>からは一歩も出られぬゆえ、ミッションでご一緒する機会は少ないと思いますが……


もしバッティングした際は、分を弁えず生意気にも顔を出してしまった件を存分に咎め、ミッション達成の養分にしていただけると幸いです。


ウグリス同様、サンドバッグ像を介してのリモート殴打も可能ですので、利用を希望なさる方はお申し付けください。


私がサンドバッグとして稼いだ賃金で、サンドバッグ像を自腹購入し、新たなご指導をたまわるべく上納させていただきます。



83期魔王:ボコラレッタイ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 色々と極まっていてエグすぎるので、とりあえず<貢ぐダンジョン>へ眷属部隊を派遣して尋問したところ……


 ウグリスの後任の件で闇神の要請を断っただけでなく、落ち目になるとふんで闇神から他の上級神のところへ派閥替えした、裏切り属性の元下級神だった。



 名前だけでなく言葉や態度にも一部制御が及んでおり、シバかれる度に「ご指導ありがとうございます!」と、体育会系もビックリの礼を叫び……


 他所ダンジョン所属の眷属を見ると一礼、魔王を見ると土下座でシゴきを乞うのがデフォルトになっている。



 だが人格には手を入れられず、心の中は闇神を裏切る前……神時代と変わりないため、殴るたびに負の感情が湧きあがり睨みつけてくるそうだ。


 こんな雑なメンテナンスで、爆弾となりえる神様をポイポイ下界へ捨てないでほしい。



 もし何らかの拍子に闇神の枷が外れて、このサンドバッグ神がチカラを取り戻し、報復とばかりに下界で暴れまくったら……


 <サルトー区・ポルカト界>は復活するどころか、ウグリスに搾取されたとき以上の荒野となり、ぺんぺん草も残らなそうだし。



「でも、他の魔王達は当たり前のようにボコっていますね」


「きっとウグリスで慣れて、感覚が麻痺しちゃっているんだと思うよ。"枷のついた元神様なんて怖くない"ってね」



 僕等のまとめ役であるモンティート先輩も、僕と同じく闇神に呆れているようで、ボコラレッタイから搾取することもなく関わらない方針をとった。


 苛政を敷いて僕等を苦しめたウグリスが、報復としてこの世界に奴隷魔王待遇で、堕ちてくるのはまだ理解できる。



 だが他所の世界の神様を、こんな大雑把な枷だけつけてポイッと放ることはないだろう!


 いくらリソースが納税されない不毛の地だからって、<サルトー区・ポルカト界>はゴミ箱じゃないのだから!!






「というか、ポイ捨てが<ボコラレッタイ>だけで済めばいいんだけどね……」


「えっ?」



「闇神はウグリスの後任を探すとき、大派閥の長でありながら結局誰にも引き受けてもらえず、大恥をかかされた。つまり……」


「神界での粛清は終わらず、近いうちにまた<ボコラレッタイ>と同じような待遇の元神様が、この世界に投棄されるってことですか!?」



 なんちゅー迷惑なっ!


 ウグリスの後任が決まらなかったのは、奴の敷いた苛政が酷すぎて魔王達の信用を失ったのに加え、マサルの報復が強烈すぎて引かれた……


 という、「僕が神様の立場でも絶対に断りたい状況」だったのが一番の原因である。



 だがそれに加えて闇神自身の人望がなく、どんな無茶な命令でも聞く心酔した部下がいなかった……派閥の長としての能力不足にも、問題はあったんだぞ。


 なのに裏切った神様を100%悪いと決めつけて断罪し、其奴が治めていた世界ではなく、捨てても納税額に影響が出ないコチラに廃棄するあたり……


 闇神は<サルトー区・ポルカト界>を掃き溜め扱いしており、徹底的にナメているというのがよく分かる。



「10〜20人程度なら枷が外れない限り大丈夫だけど、それ以外になると何らかの拍子に投票システムにも影響してきそうで、怖いな」


「サンドバッグにされた恨みで、僕等に不利な施策をねじ込みかねない危険因子ですもんね」



 僕等としては受け入れ拒否したいところだが……その法案を申請する前に、闇神に神格を取りあげられた神様は、次々と堕とされてきた。


 まさに、生ゴミ処理場……的扱いである。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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