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666話 ゴミ箱扱い


〜メグミside〜




 その後もサーシャが、無限湧きする闇神の制御方法を挙げてくれたため、「現在の平和な時期に僕等が何をやるべきか」はおおよそ決まった。


 これまで撮ってきた数々の「魔王系AV作品」を加工して、闇神が変態プレイをしている映像を生み出すだけでなく……


 それを<サルトー区・ポルカト界>以外へもばら撒く案とか、聞いただけでも闇神が発狂する未来が見えて爆笑だったよ。



「クッ、クッ、クッ、ク……ッ。サーシャちゃん、もう勘弁! じゃなくて……他の人の意見も聞いてみよう。メグミ君は、いいアイデアとかある?」


「はい! 思いっきり自分事なんですけど、勇者の特性を活かして僕とマサルのギフトを増やしたいです!」



「なるほど。殺してもいい類のギフト持ちを養殖→魔王化して、君達二人の養分にするわけね。いいんじゃない? リソースに余裕ができたら提案してみよう」


「よっしゃぁ!」



 サーシャには負けるけど、僕も魔王界全体のリソースが余ったときの消費方法について、コチラの得になるアイデアを挙げた。


 82期みたいな感じで魔王を養殖して、候補生の段階で適度に喰い散らせば、僕とマサルの手持ちギフトは数が増える。


 そして魔王界の余ったリソースも使い切れるので、「リソースじゃぶじゃぶモード」に気付いた強欲な神様に、「納税!」と言われる心配もなくなるのだ。



 それに加えて、一応勇者枠で教会側のクリーンな神様の枠も埋めている僕等が、さらに力をつけて勇者枠のリソースを埋めれば……


 奴等は僕達二人が死ぬまで絶対勇者召喚できなくなり、人間側による魔王狩りで消耗させられる可能性も減る。



 自分達でミッションの内容を決められる状況で、人間を大量に殺してヘイトを買うような基地外ミッションは、通らないと思うけど……


 これまで憎み合ってきたのも事実だし、攻められる可能性をあらかじめ摘んでおくのも、大事だと判断したんだよ。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 平和な時を満喫しながらも、将来の波乱に備えて動き始めたメグミ達。


 一方、<サルトー区・ポルカト界>の支配権を完全に手放した闇神派では、闇神<スティグマ>による粛正と派閥再建が進んでいた。



「闇神様、お許しくださいっ! 私は本当に忙しかったのです。決して、貴方様を裏切ったわけではございません!」


「問答無用! 散々私を頼ったくせに、都合が悪くなった途端に他所の派閥へ鞍替えしやがって。そのような卑怯者に神格は要らんっ!」



 本当に辛いとき、自ら進んでウグリスの後釜を申し出た者はおらず……それどころか、派閥の神全員が急用で消え去ったのだ。


 さすがの闇神も、「自分に人望がなく次またピンチを迎えても同じように裏切られる」と気づいている。



 だが「将来また裏切られるから」という理由で、派閥の神を粛正すると味方が0人になり、彼を上級神たらしめる派閥の存在自体が消えてしまうため……


 そこにメスを入れるのは難しく、「我が身大事」な派閥メンバーの結束を崩して、長期戦で処理する必要があった。



 それゆえ、まず誰もが「裏切り者」と認めて助け船を出さない神の粛正が始まり、先の件で派閥を鞍替えした下級神が最初の犠牲者となる。


「グスッ。お願いいたします。どうかお助けをっ!」



 派閥替えしたものの移った先でも信用されずに冷遇され、さらなる鞍替えを検討していたタイミングで、闇神本人に襲撃された彼は……


 アッと言う間に手勢を殺され、住処である神殿も壊されて闇神が愛用するリンチ部屋へ連行された。






「一度ならず二度までも裏切りを企んだゴミに、情けをかけるわけなどないだろう。現在の貴様の飼い主とも、すでに話はつけてあるしのぉ」


「ヒイィィィィッ!!!?」



 派閥替えして早々に裏切りを試みた彼を、新たな派閥の長である死神が許すはずもなく、「闇神が彼を葬る許可」は即刻出された。


 闇神の残虐性は神界でも有名なので、自分で処断するより闇神に売り渡してしまった方が得と、面倒くさがりの死神は判断したのである。



「安心いたせ、命までは取らん。貴様の神格を剥奪し、ウグリスと同格の<ATM>として<サルトー区・ポルカト界>へ送る。存分に搾取されてこい」


「いっ、嫌だぁ〜〜〜っ! お願いです、それだけは勘弁してくださいませ!!」



「良かったのぉ。あそこの魔王共は、どれだけ憎き神でもすぐには殺さん。ATMとして徹底的に搾取するために、極限状態で生かすのだ」


「ヒエェェェ……」



「ウグリスは、たしか<ATMのダンジョン>という搾取用ダンジョンの魔王になったはず……。なら貴様は、<貢ぐダンジョン>の管理者になれ」


<−−− ドガドガッ、バリーーーンッ!! −−−>



 こうして神格とリソースを剥がされた裏切り者の下級神は、ウグリスと同スペックのサンドバッグ状態で、<サルトー区・ポルカト界>へ送られた。


 闇神の認識だと、あそこは「弱いながらも鬼畜な魔王が跋扈する修羅の世界」であり、"ゴミ箱扱い"で「裏切り者を廃棄してもいい」と思われている。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
下手すると勇者が神格吸収して強化されることに気付いてないな闇神…
ウグリスは念入りに確認して売却した後だろうけど、後続は神ギフト持ったままゴミ箱界に捨てられてそう。 ゴチです!
<サルトー区・ポルカト界>以外の世界にどうやって干渉するかって問題はさておき、闇神も早速オウンゴールしてない? 下級神とはいえ<サルトー区・ポルカト界>に魔王化して追放とかして大丈夫なん? 特に生…
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