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663話 女子会のリアル


〜アスタリアside〜




「あぁ〜、ズルイ! アスタリア先輩、見てくださいよ〜この写メ。マサル君がメグミ君とドライマンゴーを食べて、二人でラブラブしています!」


「いや、ただのむさ苦しいツーショットじゃん。サーシャ、色ボケして変なもの見えていない?」


「むぅ〜。だってぇ〜〜。私も、メグミ君とツーショット撮りたいのにぃ」



 この歳になって初めてできた私の可愛らしい妹分は、心の底からメグミ君を愛してやまず、今も無意味な嫉妬でくちびるを尖らせている。


 身内贔屓を差し引いてもその姿は愛おしく、世の男達が今の彼女を見たら、だらしなく鼻の下を伸ばして、下半身で物事を考えるサルと化すだろう。



「そんなに気になるなら、貴女もメグミ君のダンジョンへお邪魔すればいいじゃない。ついでに、夜這いでもかけちゃけば?」


「ダメダメ、まだミッション中ですよ〜。そんな事をしたら、サボっていると思われて評価が落ちちゃいます!」



 メグミ君があまりにも意気地なし……ゴホン!


 奥手で恋愛に対する免疫がないので、覚悟を決めたサーシャが毎度据え膳攻撃を仕掛けているわけだが、基本的に彼女も真面目なタイプだ。


 ゆえに色ボケているからと言って、今回のようなミッション中にメグミ君のダンジョンへ出向き、成果を潰してまで恋心を満たすことはない。






「それに<ゴーレムマスター>の私が側にいると、ギフトの恩恵であの子達の動きも良くなりますし」


「まぁ、それはそうね。(カラスミ作りを全任せしている私としては、それを言われちゃうとこれ以上イジれないわ)」



 魔王転生時に起きたトラブルのせいで、ギフト無しの状態で転生してしまったサーシャだが……


 メグミ君が上手くやってくれたこともあり、現在では<ゴーレムマスター>という使い勝手のいいギフトをSランクまで上げ、ゴーレム無双している。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜ゴーレムマスター(S)〜

ゴーレムを愛し、ゴーレムと共に生きる者へ与えられるギフト。使役するゴーレムの攻撃力・防御力・知能・回復力が5倍となる。

また日頃から側に置くことで、目をかけたゴーレムの成長速度が早くなり、自然にレベルアップする場合もある。

ゴーレムの成長率には多少劣るものの、側に置いたオートマタの能力も上がり、人間も到達できないほどの知恵と器用さを持つようになる。

またこのギフトを持つ者が側にいると、使役されるゴーレムに「やる気」の概念が生まれ、自らの意思で主人のために尽くし始める。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 私にとって特に助かるのは、器用さを極めた彼女配下のオートマタが、24時間・365日・正確な時間に働いてくれること。


 美味しいカラスミを作るためには、ボラの卵の血管から血を抜いたり、こまめにお酒を塗ったりしないといけないのだが……


 普通の人間がやるには面倒かつ忘れやすいタスクが多すぎて、器用で時間に正確なオートマタじゃないと、安心して任せられないのだ。



「(試しに私が手作業でやったら、途中で皮が破けて卵がバラけちゃったし……何度も細かな作業を忘れて、大味なカラスミができたもの)」


 本来、ダンジョン防衛で盾役を担うゴーレムと事務方のオートマタを、こういう形で使うのはズレている気がするけど……


 コッチの方が平和だし、いざ戦いになれば戦力としても駆り出せるので、彼等の主人であるサーシャも嫌がってはいない。



「はい先輩。試作品の味噌カラスミと、オートマタが選んだ"味噌カラスミに合うお酒10選"です♪」


「ありがとう! プハァ〜、美味いわっ!」



「ふふふふっ。はしたないですよ〜」


「いいのよぉ〜。この場には、夢見る野郎なんて一人もいないんだから。今日は<職業:優等生婆>お休み〜」



「あははははっ。モンティート先輩の畑で採れたお野菜の雑煮もありますから、酔いすぎない程度に食べてくださいね」


「イェッサー!!」



 えっ、後輩とその配下をコキ使うはパワハラだって?


 大丈夫よ〜、高いお給料を払っているからサーシャも困らないし……それどころか、味変用のポテチを抱えながら、私より沢山のカラスミを食べているもん。


 ラーメンもニンニクたっぷりの焼き肉も完食しているし、男の理想を守るために気を使う必要がない分、メグミ君といる時よりも気楽なんじゃない?






「でも、まだお酒はダメよ! 若いうちから飲み過ぎると、脳にダメージいっちゃうから」


「は〜い。甘酒で我慢しま〜す」



 作業工程が面倒を極める卵シリーズで言うと、自販機の商品カタログに載っていたものの、ケタ違いに高くて気軽に食べれないキャビアがあり……


 カラスミに続いて、現在それも自作しようと、サーシャと二人で試行錯誤している。



 私のダンジョンは水属性だから、サメの養殖自体は簡単だったけど……


 餌に気を遣っても僅かにニオイが残るうえ、どうしてもキャビアの元となる卵に脂肪がまいてしまい、スマホに出てくる動画のようにはいかなかったのだ。



「(でもまぁ、こうやって会議で卓を囲むついでに女子会するのも悪くないわよね。試行回数で、24時間労働可能なゴーレムが人間に負けるわけないし)」


 マナ投入で時短可能なウチの特製養殖水槽と、サーシャのゴーレムを使った人海戦術で、試行錯誤のサイクルを回せば……


 カラスミに続き、そのうち美味しいキャビアも作れるようになるでしょう。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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