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661話 (社会的に)殺し合う




 唯一無二の友であり命を預け合えるパートナー……と先程まで思っていた相手に、公衆の面前で特殊性癖を暴露され……


 計り知れないショックを受けたホイッスネルは、ストレスで一気に老けこみ生気の抜け落ちた姿になった。



 ホイッスネルが何を思おうと、<農民>同盟の生え抜き部隊に取り囲まれ、拷問死させられることが確定している以上、彼の末路は"悲惨一択"なのだが……


 ここまで腑抜けた姿になってしまうと、ケジメをつけ終える前に事切れそうで、<農民>側の責任者であるドラゴニュートは少し心配している。



 もっとも……


「おぃ。こんな汚物(使用済みオモチャ)を残して死なれても困るんだよ。せめて洗ってから死ね!」



「グスッ……グスッ…………。(くそっ! トカゲの分際で、魔王であるこの俺に指図しやがって! 死ねっ! 地獄に堕ちろ!!)」


 ホイッスネルの負の感情の源は、性癖暴露で評判を地に落とされ、尊厳破壊はなはだしい手段で拘束されても、枯れることはない。



 後輩に洗わせるためにとっておいた100個以上の汚いブツを、自らの手で水洗いさせ、幾つかを強引に再利用させられた段階で……


 負けん気が顔を出し、「呆然としたまま気付いたら逝く」という、<農民><小鬼>同盟にとって不都合なパターンからは外れた。






「ガブリの野郎……テメェだって、下僕魔王のモンスターが快楽死するまで、自分のところのモンスターに虐めさせて、それを鑑賞していたじゃねぇか!」


「へぇ〜。そんな事をしていたんだ〜」


「そうだ! 下僕魔王のところで生まれたSランクモンスターを、自分のところのAランクモンスターに虐めさせるのが、奴の快楽ポイントなんだよ!!」



 ガブリがホイッスネルの秘密を知っているという事は、当然ホイッスネルもガブリが隠している特殊性癖を見抜いている。


 彼等二人は同期・同格の魔王であり、各々が「相手を出し抜いた」と思っていても、実際のところ「あいこ」になっている場合が多いのだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


42 名前:ホイッスネル(7期)


囲っていた逆らえない魔王のダンジョンに所属するエース級のSランクモンスターを、直属のAランクモンスターに集団で性的陵辱させて快楽死させるっていう、捻じ曲がった性癖をもっているガブリ様にいわれても……。


本来なら格上で傅かれるはずの存在が、所属ダンジョンのせいで惨めな目に遭い屈辱で顔を歪める姿を見るのが、絶妙に気持ちいいんだろ?


被害に遭って、大切に育てたエース級のモンスターを失った下僕魔王から、俺のところに苦情がきていたぜ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 そして……怒りでホイッスネルが暴露したガブリの恥部は、それっぽく文章化されて魔王掲示板のスレッドに流される。


 流しているのはあくまでも<農民>側のドラゴニュートだが、内容が事実ばかりなので、それを見たガブリが「敵の手によるモノ」と疑うことはなかった。






<−−− ジャババババババババァ〜〜〜〜〜 −−−>


 そして知っている「ガブリの恥」を洗いざらいぶち撒け、裏切られたショックと羞恥心で真っ赤になったホイッスネルは……


 宣言どおり、ドラゴニュートの手で全ての穴からハッカ油をぶち込まれ、脳と腸を洗浄されている途中で逝った。



 さすがのベテラン魔王も、脳と腸を<恵のダンジョン>産のタワシで擦られ続ける、終わりのない「腐ったハラワタ洗浄」には耐えられなかったのだ。


 なお、どれだけ洗ってもホイッスネルの腐ったハラワタは浄化されることなく、捻じ曲がった根性も直らなかった……とだけ言っておこう。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜業務連絡〜



魔王<ホイッスネル>の始末完了!


魔王掲示板でこの事実が拡散されてカブリが勘付く前に、奴も拘束して壮絶死させてくれ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜業務連絡〜



了解!


ただいまよりガブリを捕縛し、格下の生物であるオークの苗床として、発狂するまで<ピー>させたうえで壮絶死へ導く。


ガブリは僅かながら資産をもち、ダンジョンの設備も現金化の余地が残っているため、完全に搾取し切るのに半日ほどかかると思ってくれ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 ホイッスネルに続いてガブリも、生死を賭けた状況でチームを組んだ仲間に裏切られ、ブチ切れて暴走している状態のまま捕縛された。


 本人的には、己を裏切ったホイッスネルに正当な裁きを加えただけなのに、なぜか諸刃の剣で斬りつけられてしまい……


 彼との舌戦を制しようと、魔王掲示板が表示されたモニターに張り付いていたところを、不意に拘束されダンジョン諸共制圧された……という感覚らしい。



「くそっ、テメェ等は一体誰だ!? この俺を、ガブリと知っての蛮行か!!」


 あまりに「変態じみた癖」を暴露されたショックが大き過ぎて、ホイッスネルにしか意識がいかなくなるほど、視野狭窄におちいっていたガブリ。



 だが……そんな彼も、突入したモンスター部隊が「<恵のダンジョン>産の魔王AV動画」を放映し、目の前にズラッとオークを並ばせた段階で……


 今から己に降りかかる災いに気づき、正気に戻り青ざめる。



「「「「「「「「「「ブゴブゴブゴブゴブゴ〜〜〜ッ。(コイツ、遊ンデイイ。ボス、言ッタ)」」」」」」」」」」


「えっと……ぃや……あのぉ……………。Ahaaaaaaa〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」


 どう考えても発狂している方が楽に死ねたので、理性を取り戻していい事など何一つ無かったのだが。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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