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660話 自分をよく知る相手を怒らせると




 当然だが、藁にもすがる思いでホイッスネルに協力し、残されたわずかな資産を法案申請代に注いだガブリは、このスレッドを見て激怒した。


「ふざけんなよ、クソがっ! テメェのくだらない承認欲求のために、俺のっ……俺の最後のチャンスを、奪いやがったってのか!!!!」



 冷静に考えれば、「魔王界で長年生きながらえてきたホイッスネルが、最後の最後にこんなムダな暴露をするはずない」と分かる。


 言ったところで、「協力者を裏切る宣言」など誰からの好感度も得られないうえ、切られたガブリにも恨まれ、自分を嫌う者が増えてしまうからだ。



 しかし……そこまで理解できるのは、あくまでも他に考える事がない平常時だったらの話。


 自分の命が風前の灯状態で、僅かに残されていた資産もスッてしまった直後のガブリは、当然「冷静な状態」とは程遠くIQが劇的に下がっていた。



 ゆえに、「ホイッスネルのダンジョンが敵の手に落ちて、敵がガブリを煽りつつホイッスネルに嫌がらせする目的で書きこんだ」という……


 平常時なら簡単に思い至るパターンも、思考の片隅にすら出ないまま、闘牛のように鼻息荒く怒り狂い、報復の煽りコメントを書き殴ってしまう。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


人生最期に、嫌われ者のガブリから金を毟ってやった件


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


1 名前:ホイッスネル(7期)

 これだけすれば、俺も「生存している嫌われ者No.1」の座から逃げられたよな?

 ガブリにNo.1の座を譲ることさえできれば、もう死んでいいと思っているんだ。

 俺、さすがにアイツよりは好かれていると思っていたんだよ。

 なのにこの屈辱的な称号を冠したままとか、死ぬより辛い日々だった。

 なぁ皆、頑張った俺を心置きなく死なせてくれ……頼むよ!


2 名前:ガブリ(7期)

 ふざけんなっ、嫌われ者で唯一の友達だった資産にも嫌われた男が!!

 俺も大概嫌われているが、テメェと違って「自他共に認める嫌われ者No.1」じゃねぇし、この状況でも助けようとしてくれる後輩はいるんだ!


3 名前:ガブリ(7期)

 ねぇ皆さん、ご存知ですか?

 ホイッスネルは「美人の眼球を舐めること」にエクスタシーを感じる真性の変態で、女性魔王を囲うたびにソレを強要して精神崩壊させてきたんですよ!

 しかも自分がオ○ニーで使用したオモチャを、片付けることすらせず部屋の隅で発酵させ、逆らえない若手が来たら洗わせるという、悍ましいパワハラ付き。

 コイツが「嫌われ者No.1」になったのには、理由があるんです!

 貴方達も、実物は見たことなくても「ヤバイ先輩のエピソード」として色々な話は回ってきているでしょ?


3 名前:ガブリ(7期)

 後輩魔王だけじゃなく、同格や格上から派遣された眷属モンスターをイジメ抜くことで、自尊心を満たす……というクソみたいな性質も持っています。

 俺も奴と協定を結んでいたとき、やり取りの為に派遣した眷属モンスターを喰われそうになり、殺意を抱いた記憶があります。


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 書けば書くほど、「じゃあ、その変態ゴミクズ野郎と2度もチームを組んだお前はなんなのさ?」と、ドン引きされるだけなのだが……


 怒りで闘牛化しているガブリは己の行動を制御できず、「少しでも多くの人にホイッスネルを嫌ってほしい」一心で、誹謗中傷コメントを連投し続ける。



 野次馬視点だと、何方も悪い噂が目立つベテラン魔王で、そのくせ長年ランキング上位にいて邪魔な相手だったため……


 互いにヘイトをぶつけ合う惨めな最期を見て、「飯ウマ」としか思わないわけだが、それを二人が心の底から理解することはない。



 というか……察せるようなコミュニケーション力があれば、モンティートみたく、魔王ランキングで特筆して目立っているわけでもないのに……


 嫌われ者ランキングだけトップ争いする……などという、恥ずかしい事態にはならなかっただろう。



 そして当事者以外にはただ引かれるだけの醜い争いだが、当事者であるホイッスネルは、処刑の準備中にこの連投を見せられて発狂していた。


「おぃっ、ふざけんな!! そういう秘め事を公の場で言うんじゃねぇよ! だいたい、眷属の件は移籍金を積んで誠意を見せたじゃねぇか!!」



 カブリの記した誹謗中傷コメントは、酷い内容ながらも全て事実だったため、「隠しきれている」と思っていたホイッスネルに衝撃を与えたのだ。


 なぜか、「カペカペのオモチャを若い後輩に洗わせること」で加虐心を満たせるタイプの変態である彼は、現在もその残骸をダンジョンに放置していた。



 法案申請費用を捻出するために、ダンジョン内の物は全て売ったんじゃなかったのかって?


 使用済みの……しかも洗ってすらいないオモチャなど、誰が欲しがるというのだ。


 当然、1ロルの値すらつかず下取りしてもらえなかったのである。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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