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641話 U・ZA・I


〜マサルside〜




 95%実利・5%イタズラ心で、メグミに禊キツめの<インスタントチーター>を使わせた結果、泣き言メールが5分おきに届くようになってしまった。


 その泣き言がだんだん恨み節に変わり、詳細な経過報告までしてくるので心底ウザい。



「ふざける分には楽しいけど、誰も野郎の詳細な性欲事情なんて聞きたくねぇっての! そうじゃなくても、俺のいる環境クソ悪いのにさぁ〜」


 もう守る必要がなくなったので、結界を解除し自販機のみ守っている状態だが、ダンジョン内で吊るされているウグリスは汚物を極めている。



 メグミが恨み節メールで、「帰ってきたらマサルも同じ状態で吊ってやる!」と喚いていたけど、こんなのと同じとか……やられたら発狂しちまうよ。


 邪神に戻れる可能性が潰えて心も折れてしまったのか、俺への憎悪を隠さなくなり罵倒三昧し始めたので、舌も吊るして黙らせたが生ゴミそのもの。



 俺が<口は災いの元>ギフトで罠にはめ、奴にかけた状態異常は未だ健在だから、洗顔すらしない顔からはニキビの膿と鼻糞がこぼれ落ちているし……


 悲鳴をあげるたびに膿栓がポップコーンのように辺りへ飛び散るため、奴の周囲5メートルは、尊厳が終わるデスゾーンと化している。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


状態異常:汚臭地獄


体のありとあらゆる部分が限界まで臭くなり、洗っても数分でニオイが復活する。


またニキビ・耳垢・鼻くそ・ヘソゴマ・膿栓といった"臭う老廃物"も、生産スピードが超速になるため、手を止めることなく掃除しないと惨事になってしまう。


この状態異常を解除するには、己が侵した罪を悔い改めて心から謝罪し、被害者<マサル>の老廃物で煎じた茶のみを100日飲まなければならない。


なお逆上して被害者を殺すと、被害者の残存リソースが"死者の念"となり、より深刻な状態異常にかかるハメになる。


また解除にも相応の労力を要するようになるので、短絡的な行動で被害者を苦しめるのは逆効果だ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 それに加えてダンジョンの外では、ウグリスを殺して邪神になる権利を得るために、同士討ちしていた火属性モンスター達が……


 闇神によるルール変更で目的こそ無くなったものの、一度振りあげた拳を下ろすこともできず、困惑しながら殺り合っている。



 時折攻撃の余波が飛んできて、ほぼ洞窟のダンジョンが吹き飛び、吊るされたウグリスが衝撃波で揺られて悲鳴をあげるのだが……


 こんな汚物の魂を返品されても困るのか、ウグリス用の管理モニター越しに、闇神が必死に「結界を張れ!」と命じてくるので、ウザいことこのうえない。



 神様としては、折角捨てた生ゴミを返品されるのは嫌だろうけど、俺達だって同業者にゴミがいるのはゴメンなのだ。


 もう俺がココにいる意味もないし、メグミに自販機を撤収してもらって帰ろうかな。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


という訳で、カオス自販機の撤収よろしく!


汚物系男子じゃなくて自販機のことを考えれば、お前も吐かずに性欲コントロールできるんじゃねぇの?



byマサル


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


撤収ね、了解!


ところで、マサル……知っている?


僕の<自販機作製>ギフトってね、異世界から商品を仕入れるだけじゃなくて、この世界にある商品を補充する形で売ることもできるんだよ。


君の<ピー>映像とか、君の希望で作ったシリコンのアレとか……ダンジョンの1階で売られたくなかったら、早めに戻ってきなさい。


マサルを吊るために、オリハルコンのフックと500kgの錘を用意して待っているから。



byメグミ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 コイツ……ガチで病んでいるな、ちょっとイタズラし過ぎたか。


 今のところ賢者タイマーは順調に時を刻んでいるけど、アイツが拠点に到着してサーシャちゃんと再開したら、発情リセットされるのは確定だし。


 とりあえず、吊るされる前にガチで気絶させて3日間転がす許可を、モンティート先輩とサーシャちゃんにとっておこう。






 そんなことを考えながら帰路についた俺だが、案の定……守護者のいなくなった<汚物変態のダンジョン>は、カオス化したようだ。


 まず殺り合っていたホイッスネルとガブリの手下は、魔王同士が「ここで潰し合っても意味がない」と手打ちをおこなったことで、表面上仲直り。



 しかし仲間を背中から切りつける形で裏切り、殺し合いを始めた連中が、本当の意味で協力できるはずもなく……


 生き残った二人以外の手下に、侮蔑の視線を向けられて、居心地悪そうに仕事をしているとのこと。



 そして彼等の手によって殺される……と思われたウグリスだったが、あまりにも<汚物変態のダンジョン>が汚いため、誰も直接踏み込めない。


 また闇神が返品を恐れて、物理&魔法耐性を極限まで上げてしまったせいで、超一流のサンドバッグになっているため、遠隔攻撃では殺せないのだ。



『結果、死ぬこともできず……未だに吊られながら悲鳴をあげている。哀れだぞ』


『なるほど。(ゴーストさん、情報ありがとうございます! だけど殺意むき出しのモンスターすら踏み込めないダンジョンに、長時間滞在した俺って……)』

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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>『なるほど。(ゴーストさん、情報ありがとうございます! だけど殺意むき出しのモンスターすら踏み込めないダンジョンに、長時間滞在した俺って……)』 紛れもなく勇者やな、悪い意味で(おいっ)
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