63話 リアル<天国と地獄>
〜ロミオットside〜
「ちょっ、ちょっと待て……いや、サラマンダー様待ってください! なぜ俺が、そんな場所へ行かなければならないんですか!?」
俺はいずれ、魔王界を統べる男だぞ!
「はぁ? 貴様が己の分をわきまえず、魔王掲示板で騒いだからだろう? 敗者に物事を決める権利などナイ。大人しく、クソと戯れるんだナ」
「くっ……!!」
皇太子だった頃、社会見学で「糞便から肥料を作る仕事」を見たことがあるが……あの光景と悪臭は、おぞましいものだった。
俺はメグミを地獄へ落とし、奴を踏み台にして這い上がりたいだけだ。
断じて”肥溜め”の中を、自分自身で這い回りたいわけじゃない!!
「そうだっ! 汚物攻略はホムビッツとナステックに任せ、俺は総大将らしく後ろから指示を出せば……ブヘェッ!?」
この野郎、また殴りやがったな!
「貴様はただの駒だ、総大将ではない。それに、役立たずのゴミは処刑だ。マスター達がどう言うかはしらんが、死にたくなければ進む方が利口だゾ」
「…………。俺のモンスターがメグミを潰せば、成果は全て俺のもの……」
「アホか! 貴様ら”掃き溜め三人組”は、戦力的にほぼ横並び。その状況で、指揮を放棄する輩など……常識的に考えて要らんワナ。足手まといは即処刑」
「くそっ。行けばいいんだろ、行けば! 分かったから黙ってろ!! アヂヂィッ……!?」
だから、大事な部分を焼くんじゃねぇよ!
ちくしょう……汚物から身を守れる、ゴム製の作業服があるのは知っているんだ!
それと鼻栓・ゴーグルを使えば、耐えられないことはない。
「メグミの野郎……よくも俺を困らせやがって。いまに見てろよ! ダンジョンを攻略したら、必ず貴様を肥溜めに突き落としてやるからな!」
薄汚いドブネズミのくせに、卑怯な手段で生き残ろうとする狼藉者には、”汚物漬け”がお似合いだ!!
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〜メグミside〜
<−−− ピッ、ピッ、ピッ ピッ、ピッ、ピッ ピッ、ピッ、ピッ −−−>
「ん〜もう朝か……。やってることは同じでも、場所が変わると幸福度がまったく違うんだな」
目覚まし時計を止め、大きく伸びをしたあとベッドから起き上がる。
昨日の夜は、サーシャの甘い香りに包まれているみたいで……控えめに言って天国だった。
「おっと! 彼女のことを思い出したら、またカラダが反応しちゃったよ。鎮火、鎮火。醜悪な……元イジメっ子三人組が、肥溜めに落ちるイメージとか……」
うん、絵面全体が汚くて吐き気がする。
“猛りを鎮める”って意味では、一瞬で効果があるから役に立つわ。
「さてと、気持ちを切り替えて……サーシャと朝ご飯にしますかね〜。ふふっ、勿体ないくらい幸せだなぁ〜」
鼻息荒いオトコの本性を、彼女に気付かれぬよう配慮しつつ、幸福なひと時を満喫しよう!
5244 名前:メグミ(78期)
なるほど!
じゃあ部屋のフローラルな香りは、迷宮産の花から抽出したエキスを吹きかけたんだ^^
5245 名前:サーシャ(78期)
うん、普通に買うと高いからね(^_^;)
自分で作ると加減もきくし、コスパ抜群だよ♪
サーシャとの朝食タイムを満喫した僕は、紅茶を飲みながら食後の雑談を楽しんでいる。
ダンジョンについて相談するのもいいけど、たわいない話で盛り上がる時間も心地いいよね。
<−−− ファアァァ〜ン! −−−>
<−−− 敵がダンジョンに侵入しました。警戒を強めてください −−−>
などと思っていたら、外敵の侵入を知らせるアラームが鳴り響いた。
偵察の冒険者か、それとも……
5246 名前:メグミ(78期)
サーシャ、討伐隊と思われる連中がやってきたよ!
数は100人くらい。
街の近くだから、一気に押しつぶそうって魂胆だと思う(^_^;)
5247 名前:サーシャ(78期)
ありゃりゃ、遂に来ちゃったか(^_^;)
メグミ君。
お手数ですが、防衛お願いしますm(_ _)m
5248 名前:メグミ(78期)
うん。任せといて!
領主の私兵と思われる部隊が、0階層の風車小屋をグルリと取り囲む。
練度としては、ロマーニュオアシスの兵士以上……Cランク冒険者以下ってところかな。
5249 名前:メグミ(78期)
あっ!
偵察用の斥候が、風車小屋の中に入ってきた。
サーシャ。今日は「砂漠を見に行く」って言ってたけど……どうする?
こちらで対処して、夜に結果報告しようか?
5250 名前:サーシャ(78期)
そうだなぁ〜。
どんな感じか知りたいから、このままチャットさせて!
砂漠の散歩は明日にする^^
5251 名前:メグミ(78期)
了解!
斥候部隊が、ルーレットの存在に気付いて引き返した。
<天国と地獄フロア>のお披露目だね( ̄▽ ̄)
5252 名前:サーシャ(78期)
おぉ、いよいよか……!
直接見れないのは残念だけど、どれくらい効果があるかワクワクする♪
メグミ君、情報共有お願いしますm(_ _)m
5253 名前:メグミ(78期)
もちろん^^
今後のためにも、こと細かに共有するよ!
読んでくださり、ありがとうございます!
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!
作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






