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617話 マサルTUEEE


〜マサルside〜




 敵の指揮官である水龍が、汚臭攻撃をくらって膝をついた隙に、俺はオリハルコンゴーレムのスクラムを崩しにかかる。


 一応俺は元勇者だし、トップクラスに優れた剣技を持っているとはいえ、オリハルコンなんて斬りまくったら、聖剣が壊れてしまうので……


 奴等を潰すときは、斬るのではなく関節をダメにするのが最良だ。



「って事で、そりゃあ!! オリハルコンにはオリハルコン。仲間ハンマーで手脚吹き飛べやぁ!!」


 <身体強化>のスキル玉でバフを盛り、スクラムの端にいるオリハルコンゴーレムを、力任せに引っぺがした後……


 力任せに其奴をグルグルとぶん回して、他のオリハルコンゴーレムの手脚にぶつける。



 普通なら、「頑丈vs頑丈」でぶつかったオリハルコンゴーレムが吹っ飛ぶだけだが、ぶつける瞬間だけ結界で其奴の胴体の位置を固定。


 すると可動域を超えた曲がり方をした手脚は、関節からスポッと抜けてしまい、ただのオリハルコンの塊になるのだ。



 それを敵が回収する前に拾って、自分のアイテムボックスに放りこみ、次なるターゲットに同じ攻撃を繰り返す。


 スクラムを組むっていうのは、敵に圧をかけられる反面、逃げようとしても逃げづらくなるって事だから……


 俺みたいな「俊敏性が売りの猛者」相手にやるなら、それ相応の覚悟をするべきだぜ。



「ポンポンスポポ〜ン♪ ゴーレム畑から、高級素材のオリハルコンが生えてくる! 手脚何本取れるかな〜♪」


『くそっ、引け! 引けぇ〜〜〜〜〜〜〜!!!!』



 ひとしきり吐いて最悪の状態を脱した水龍が、オリハルコンゴーレムに退却指示を出すが、もう五体満足の奴なんていねぇよ。


 生物系モンスターと違って、嫌味や恐怖を感じない特性が仇になったな……このまま全員ダルマ化して、手脚のオリハルコンを献上しやがれ!!


 オリハルコンは、砂龍のオヤツとしてメグミが無制限に買ってくれるから、新米魔王の俺にとって、テメェ等の手脚は「逃したくねぇシノギ」なんだよ!!






 こうして十数秒でオリハルコンゴーレムの手脚を全没収し、ダルマになった胴体を遠くへ蹴り飛ばした俺を、水龍は苦々しい表情で睨みつけた。


「この小童が……!!」



 ステータスを鑑定しこの龍の所属を確認すると、案の定、SSランクモンスターなど賄えるわけもない82期のダンジョン所属。


 要するに、犯人が誰かバレないようにするためのフェイクであり、襲撃の真犯人はこの82期魔王を支配している上位の誰かだろう。



「(どうせスケープゴートにされた82期の魔王は、口封じで事が済み次第殺されるんだろうけど。一応、先輩に連絡を入れておくか)」


 メールをポチろうとしたところ、モンティート先輩から救援要請の返事が届いていることに気づいた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ルノーブル配下の幽霊部隊および、敵の攻撃を邪魔することができる中級以上の精霊を、現場へ送った。


到着まで、1時間ほどかかる見込み。


現在、飛行系モンスターの第二部隊を編成中。


こちらは、到着まで3時間半ほどかかると思ってくれ。


救援第三部隊以降の情報は、送り出しが終わり次第報告する。



byモンティート


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「(さすが先輩、動きが速い! 実体を持たない幽霊と精霊なら、飛行系モンスターより速く移動できるし、風属性の子がいれば尚更だろう)」


 予想以上に早く救援が見込めるなら、俺もギアを上げて攻めに転じる。


 目標は、周りの敵モンスターも巻き込みつつ、援軍到着までに水龍を倒す……ってところか。






「水は、火に強く土に弱い。それをカバーするために、土属性の部下を率いてきたんだろうけど……俺は、土と相性のいい風属性も使えるぜ!」


 とりあえず、オリハルコンでコーティングした針千本でもくらえ!


 土属性・風属性ダブル乗せの、貫通力上げ上げ仕様だ。



<−−− スパパパパパパパパッ! −−−>


「「「「「「「「「「グゥ……ッ」」」」」」」」」」



 さすがに水龍は防いだか……まぁ針じゃ質量不足だし、一発目は仕方ない。


 だが、攻撃範囲にいたAランクモンスターは全員被弾。


 Sランクも、結界以外で防いだバカは餌食になっている。



「ふんっ。たかが針如きで、我々が殺れるとでも思ったか? 所詮は弱き生物<人間>の勇者よ。規格外の存在に理解が追いつかぬのも無理はない」


 くくくくっ、水龍さんよぉ……このオリハルコンコーティングニードル、ただの針じゃねぇんだぜ。



「(針は、注射針のように中が空洞になっている。そして内部には、極小の"召喚陣"が組み込まれているんだ)」


 つまり針が真皮を貫通して、肉に刺さっちまった奴の体内には、召喚スキルでエグイ極小生物を送り放題ってこと。



 肉が盛り上がって取り除かれちまう前に、急いで「メグミからもらった寄生虫モンスター達」を送りこまないと!


 7割くらいは、狙い通り頭と心臓に近い位置に針を刺せているし、被弾した連中が寄生虫地獄に落ちるのも時間の問題だろう。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
82って邪神じゃなかったっけ。 特に記載は無いけど、他にもいたのかな?
毎回エグイ そこにしびれるあこがれないw
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