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615話 襲撃者へのプレゼント


〜メグミside〜




 マサルが正直者のウグリス君に、絶対尋ねられたくないであろう質問を幾つもおこない、化けの皮を剥いで……


 それを生放送担当の僕が、いかに魔王全員にとってマズイ思想か、言語化して伝えることで、やる気のない魔王達に危機感を持たせる作戦は上手くいった。



 生放送中なので、露骨に配信カメラからは目を背けられないんだけど、先ほど画面に映らないように、ちょちょいと魔王掲示板を覗いたところ……


 それまで存在すら知らなかった魔王達が、「ウグリスを復活させたらいけない! "自治制"に投票してくれ」と、其処彼処で呼びかけていたのだ。



 動いている魔王が、パッと見ただけで4人目いるってことは、その裏には「掲示板で発言する勇気はないけど投票した魔王」も2桁いるはず。


 接戦が予想される今回の投票で、これだけの票を獲得できたのは大きいし、リスクをとって<汚物変態のダンジョン>まで来た甲斐があったと思う。



 もちろん、上手くいったからといって調子に乗り、投票終了前に尋問を切り上げ、本能に従ってこの臭キモイ空間から逃げ出してはいけない。


 僕等の行動は、全てモニターを通じて不特定多数の魔王に見られているのだから、情けない姿を晒して自分たち……


 ひいては<農民><小鬼>同盟の評判を、下げる要因を作ってはいけないのだ!






 そんな事を思いつつ、見るだけで吐き気をもよおす肥溜めの中で、邪神の尋問配信を続けていると、不意にマサルの雰囲気が変わった。


 そして次の瞬間、ダンジョンの外で大きな音が鳴り響き、衝撃による振動が伝わってくる。



「(マズイ。誰かが、<汚物変態のダンジョン>を襲撃しようとしている! 外にいるロックドラゴンも本気を出しているみたいだし、たぶん相手は強敵だ!)」


 今回はスピード重視ということもあって、僕もマサルも配下をほとんど連れてきていない。



 というか、元勇者で「人間界一強い男」だったマサルと一緒にいるのだから、その辺はあまり気にしていなかったんだよ。


「(とにかく動かないと!)ロックドラゴン。僕が回復役としてアシストするから、少し無茶してくれ!」「ロックドラゴン。俺が出るから入り口塞いどけ!」



 しまった、焦り過ぎてマサルと指示が被っちゃった!


 しかも内容はチグハグで、外で戦ってくれているロックドラゴンも困惑している。



「ゴメン、僕は支援方に回るからマサルが指揮とって!」


「了解! メグミ。お前は、ダンジョン内でウグリスの尋問を続けろ! 俺は召喚モンスターと共に外へ出て、敵を倒してくる!」


「分かった!」






 焦りを顔に出すといけないので、僕等のピンチに本音が炸裂するウグリスを、落ち着かせるため少しお灸を据える。


「ヒャハハハハハハハハッ!! 誰か分からぬが、殺せ、殺すのだ!! 俺の計画を潰そうと企んだ、この小蝿共を滅ぼしてしまえ!! ……ギュエッ!?」



 いや……僕って直接戦闘は慣れていないけど、これまで散々クソ魔王を拷問してきたから、死なない程度に痛めつける技術はあるんだよね。


 という事で、しゃべるとカミソリで舌が傷つく口枷をプレゼント♪


 つけた状態でも一応しゃべれるけど、舌を動かす度にカミソリで鈍く切れてクソ痛いっぽいから、細く長〜く反省してくれ。



 しかし……こんな拷問器具が載っていた、武器屋の自販機……大元の店は、一体どんなサディスト客を囲っているのだろう?


 マサルが教えてくれた、「鼻フック」なる罰ゲームアイテムも、ついでに装着しておいたけど、顔面崩壊でカオスである。



 あぁ、でもカオスなのは元からか。


 いい歳した元神様が、身体中の穴から排泄しつつ生配信でサンドバッグになるとか、惨めの極みでしかないし。






<−−− キンキンカンカンガキンガキン! −−−>


「(ここからじゃ外の様子は見えないけど、相当激しく打ち合っているようだな。本音を言えば、今すぐこのゴミの事なんて無視して、マサルを助けに行きたい)」



 でも残念なことに、実践経験皆無の僕がマサルに合流しても、かえって足を引っ張る結果になるのは分かりきっているから……


 ここで大人しく暴露生配信の司会進行役を務めて、ウグリス復活の可能性が少しでも減るように、立ち回るしかないんだ!



「(だけど、僅かでもいいからアシストを……あっ、そうだ! 風魔法で、このダンジョン内の汚臭を外へ流してやればいい!!)」


 マサルはガッチガチに汚臭対策しているので、戦地がウ○コ臭くなっても困らないし、味方のロックドラゴンも鼻栓を装着していたはず。



 気配から察するに、ゴーレム系だけでなく生物系モンスターも襲撃に加わっているから、奴等に汚臭を叩きつければ苦痛でパフォーマンスも落ちるだろう。


 そして僅かでもパフォーマンスが落ちれば、マサルの負担はグッと軽くなり、コチラの勝率……もしくは稼げる時間も伸びる!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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