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597話 攻防の結果


〜メグミside〜




 山勘で起爆コードを当てられて、先輩方が障害を負うリスクが増したことで、不安が募りアタフタしてしまったのだが……


 感情のままに<欲望のダンジョン>へ押しかけて、大きなお世話すぎる心配事を並べ立てた僕に対しても先輩は特に怒ることなく、冷静に対処を始めた。



「えっと……ルノーブル先輩が、一旦<農民>同盟を抜けるんですか? 資金プール?」


「そうそう。<農民>同盟はすでに枠が埋まっているから、新たにメンバーを加入させるためには、一人抜けなきゃいけないの。だから一番被害が小さい奴をね」



 たしかにルノーブル先輩は、もし起爆コードを当てられたところで、あっても無くても大差ない乳首が消えるだけだから……


 他のメンバーと比べると被害は少なく、最悪の場合、放置しても構わない。



 だけど、なぜルノーブル先輩を排除してまで、モンティート先輩は狩った魔王を<農民>同盟に入れたがるのだろう?


 資金プールってものが、関係しているのかな?



「ふふふっ。<小鬼>同盟は、まだ歴が浅い同盟だから資金プールが解放されていないもんね。知らないのも無理ないよ。実はね、同盟結成から〜〜〜〜」


「ふむふむ……」






 僕と同じような心情で、<欲望のダンジョン>に集まってしまったサーシャ・スティーブ・カルマも一緒に、先輩の教えを受ける。


 魔王界で、数多のアイテムと広い地盤をもつベテランが、幅を利かせているのと同じく、同盟にも維持年数による特典があるらしい。


 弱小同盟とか、加盟人数が一人になってしまった同盟には、関係ない話だけど、<農民>クラスのベテラン同盟になると、色々と優遇もあるんだって。



「資金プールも維持年数特典で開放される機能の一つで、魔王の資産を任意に同盟の資産として拠出することができるの」


「「「「へぇ〜〜」」」」



「拠出した資産を個人名義に戻すことはできず、同盟の発展に使わなきゃいけないって制限もある、ゴミ機能だけどね。けど、今回はコレが使えるんだよ」


 先輩によると、拠出して同盟名義にした資産は、「拠出した魔王の資産」ではなく「同盟全体の資産」として見なされるため……


 魔王ランキングに反映されるときも、同盟メンバーで等分して、個人資産に加えられる形となり、意図的に資産額を圧縮するのに使える……とのこと。



 そして捕らえた81期魔王を、ルノーブル先輩の代わりに<農民>同盟にぶち込んで、同盟名義の資産でソイツの評価資産額を水増しすれば……


 「個人資産も実力もほぼ無いのに、モンティート先輩達より魔王ランキング上位の魔王」を簡単に作ることができる。



 しかもダンジョン育成や高利貸しと違って、個人→同盟に資産の名義を移すだけだから、手数料もほとんどかからず……


 邪神にいい思いをさせない形で、生贄に起爆カードを押し付けられるのだ!






「ただ、これにはデメリットも存在する。同盟に組み込んですぐ殺すから、僕等が何をしたかライバル魔王には一発でバレちゃうし、ヘイトも買うだろう」


「まぁ確かにそうですね。露見する形で動くから、魔王掲示板で叩かれる可能性も高い。でも手足がかかっているわけですし、今回ばかりは仕方ないですよ」



「うん。という事で、さっそく動くよ。僕等の起爆解除が終わったら、マサル君にも普通に解除するよう伝えてくれる? リスクが跳ね上がるから、急ぎで」


「はい。分かりました!」



 <口は災いの元>ギフトを利用して、理不尽な欠損カードを丸々邪神にはね返そうとしているマサルだが……


 先輩方がゲームクリア扱いになった時点で、邪神がまた「悪意ある途中経過発表」をおこなうと、残る欠損カードは<性器>と<乳>の二択。


 そしてゲームクリア者が<農民><小鬼>だけであり、ルノーブル先輩がハブられたのも合わせて、マサルが<性器>を持っているとバレてしまうのだ。



 そうなると、あとは起爆コードを山勘で当てればよいだけとなり、数の攻めで10000通りのナンバーを入力された時点で、マサルの負けは確定。


 アイツは男として死亡し、これから先……死ぬまで、清らかな生活を強いられてしまう。






<−−− ヴーーーンッ −−−>


「先輩達が動いた。僕等も<誠のダンジョン>へ行って、マサルに作戦中止と起爆処理命令を伝えよう。残念だけど、今回は僕等の負けだ」


「了解」「「分かりました」」



 理不尽すぎるミッションを課し、僕等の命を危険にさらしたくせに、安全地帯でのうのうと激臭生活を営んでいる邪神に、報復できないのは悔しいが……


 先輩方の身の安全には代えられないし、高額なお布施を払って欠損カードを処理する、最悪の展開からは逃れられた。



 今回はここで妥協して、次のチャンスを待つしか……


<−−− ピロリロリーン♪ −−−>


「ん? マサルからのメール。なになに……えっ!?」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【朗報】

邪神さん、無事「玉無し男」に成り果てる!

竿の方は、小便用にドングリサイズで残るみたいだ( ̄^ ̄)ゞ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
邪神ちゃん(めでたく女の子デビュー)とマサルの間に何が!? そしてマサルは女の子デビューを回避出来たのか!? 更にルノーブルニキのティクビは無事なのか(個人的に邪神ちゃんの〇〇より重要)!?
そういえば、性欲はなくならないんだったな 魔王は争うべきだというなら、同盟システムなど作らければよかったのに
邪神さん去勢おめでとう!
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