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596話 嫌がらせ介入


〜邪神side〜




「チッ! コソコソとカード交換しているかと思えば、一撃必殺のカードだけ爆弾処理しやがって。しかも雑魚に押し付けて、リソースもほぼ回収」


 それじゃあ、欠損カードの制作費を回収できないじゃないか!



 今回のミッションは、命惜しさに<農民><小鬼>同盟の奴等が、リソースを全て吐き出すまで献金することを、前提としていたんだ。


 なのに……<小鬼>のポイント消費による僅かな手数料収入だけじゃ、採算がとれない!!



「こうなったら仕方ない。予定にはなかったが、数打ちゃ当たるで欠損カードを起爆させようとしている雑魚共を支援してやるか」


 確実性はないが、<農民>同盟の誰かが被弾して不具の身になれば、仲間思いの奴等は金に糸目をつけず治療を始めるはず。



 そこで治療薬を対価に、無理難題の超課金ミッションでもぶつけてやれば、奴等は有り金を全て吐き出しスッカラカンに。


 そして俺はその資産を奪い取って、上納金に怯えずに済む心安らかな日々を手に入れられる!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜ミッション途中経過〜


起爆に成功してミッションクリア扱いになった者

・メグミ

・サーシャ

・スティーブ

・カルマ


使用され消滅したカード

・頭(起爆番号1014)

・魂(起爆番号8246)

・肝臓(起爆番号9145)

・背骨(起爆番号5628)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 コレを見れば、暗黙の了解で「邪神は<小鬼>同盟に欠損カードを集中させた」と皆が理解し、残る一人であるマサルにもカードが配られていると察せる。


 また<小鬼>同盟と仲が良い<農民>同盟も、共に狙われたと類推できるので、山勘での起爆成功率も上がるだろう。






「くくくくくっ、あぁ〜はっ、はっ、はっ、はっ!!!!」


<−−− ブリブリブリブリリッ、ビチチチッ! −−−>



「クソッ、あの不能候補がっ! もうすぐ貴様の」


<−−− ビイィィィ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ! NG行動を検知いたしました。動きを制限いたします −−−>



 むぅ、鬱陶しい制限だ……だが仕方あるまい。


 もう少しでまたマサルの卑劣な罠にハマり、これ以上の災いで苦しめられるところだった。



「言葉にこそ出せないが、行動で示すことはできる! (マサルが性器を失い、男としての自信を無くして涙する姿を思えば……それだけで飯3杯いけるわ)」


 十分報復した後、ブツの復活(見た目だけ。機能はoffのまま)と引き換えに、俺にかかった災いを解かせれば、立場は逆転するしな。



<−−− ゴホゴホッ! ブリブリリッ! −−−>


「臭ェ。咳一回で膿栓が5個も飛び出すとか、キモ過ぎるだろう。しかも、下からもまた出たし……」


 ここまで神を冒涜する災いをかけたのだ、あの汚物勇者……絶対に「不能の呪い」をかけて、生涯種無し生活をおくらせてやる!!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 邪神が決意を新たにし、彼付きのスカベンジャースライムが「もう解放して」と泣き始めた頃……


 嫌がらせに同然の途中経過報告を見たモンティートもまた、邪神の意地の悪さにため息をついていた。



「先輩、マズイです! 早く先輩達の欠損カードも、誰かに押し付けて起爆処理しないと。山勘で当てられたら体調がっ!」


 普段は小賢しく、滅多なことじゃ動揺しないメグミが、純粋に自分達の身を案じてくれるのは嬉しく、心は浄化されていくが……


 現実問題として、彼の言うとおり欠損カードは早めに処理しないと、取り返しのつかないことになる。



 即死カードは処理したとはいえ、ナーティーの「胃欠損カード」とアスタリアの「顔欠損カード」は、起爆したらシャレにならない。


 他のカードもそれなりにヤバく、起爆したところで実害がないのは、ルノーブル(爺さん)に割り振った「乳欠損カード」だけだ。



「仕方ない。このタイミングでやるのは気乗りしないけど、札を一つ切るか」


「えっ?」



 すでにメグミ君は瞳が潤んでいるから、早く安全を確保しないと泣かれかねないし、カードの起爆処理を終えて合流したサーシャちゃん達も困り顔。


 一回しか使えない策だから、できれば温存したかったけど、この状況で手札を隠せるほど僕はサイコパスじゃない。



「ルノーブル、お前一旦<農民>同盟を抜けろ。それと……あと4人、81期の魔王を狩ってくれ。資産プール作戦で、無理やりカードを押し付ける」


『了解』



 もしカードを起爆されても、乳首がなくなるだけで特に支障は出ないうえ、引きこもり属性で転移陣を使わないルノーブルに、一旦同盟を抜けてもらう。


 そして捕らえた81期魔王を、順次"空いた同盟枠"にぶち込み、僕等の資産はほぼ全て「同盟口座」の方へ移して、プール金扱いにするのだ。



 同盟口座のプール金は、加入メンバーで均等に割られて資産カウントされるから、同盟に入れてしまえばソイツの資産ランキングにも反映される。


 だけど実態は、ただ「殺される前に一瞬だけ加わっただけ雑魚」であり、資産も実力もなく既に拘束されているので……


 僕等に押し付けられた欠損カードを、はね除けることもできず、あっさり起爆されて人生終了するだろう。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
先輩たちと懇意になった時からは楽勝ムードが漂ってたけど、邪神と明確に敵対して最近は緊張感がすごいな…
口は災いの元対策はできたみたいだが数多のスキルを持つマサルの格上キラートラップスキルが果たしてこれ1つだけなのかは疑問
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