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587話 裏金コネコネ




 今後の方針を伝え合った後、僕等は一旦別れて各自のダンジョンを強化するため、管理室にこもりモニターと向き合った。


 ここ最近はずっと<水城のダンジョン>で彼等と連んでいたので、一人になると寂しい気もするけど……



 <セレクト自販機>で新たにタブレットを買い、<農民><小鬼>の全員に配ったことで、互いの顔を見ながら作業できるようになり寂しさ半減。


 引きこもりのゴーブル先輩・ルノーブル先輩も、タブレット越しなら会話に参加してくれるので、分からない事は適宜質問しつつ楽しく作業している。



 「邪神に反旗をひるがえそうとしている最中、悠長にダンジョンなんか創っていていいのか?」と思われるかもしれないけど……


 アイツが<無能>印に「邪神を崇める系の洗脳」を仕込んだ以上、その印の効力が切れるまでは、コチラとしても動けないんだよ。



 監視カメラの上位互換みたいになっていて、コチラが変な動きを見せたら邪神にチクるよう、誘導されているかもしれないし……


 そうでなくても、過半数が無能認定され邪神の支配下に落ちたせいで、僕達が事を起こしても支持を得られなくなってしまった。



「いうて、邪神のチートタイムは<無能>印が消えるまで。洗脳された魔王達は、自発的じゃなく強制的に邪神を讃美させられている訳だから……」


 そこには当然歪みが生じるし、洗脳が解けたあと上手く誘導してやれば、恨みになって邪神に跳ね返るはず。



 すでに魔王掲示板で被害者が発した黒歴史コメントはスクショ済みだし、ダンジョン外で朝っぱらから礼拝した黒歴史動画も確保した。


 それを煽り目的で使わず、心配している風を装って「こんな状態にされていたんだよ」と教えてやれば、彼等は再び邪神像に小便をかけだすだろう。






「メグミさん、見てください! 近くの街にポスターを貼ったら、早速貧民がダンジョンにやってきました!!」


「おぉ、幸先良いね。おめでとう! たぶんその人達は"先発隊"で、ダンジョン村の安全性とか住み心地を確認したあと、家族や親戚も呼び寄せるはずだ」



「はい。ゆえにオートマタをガイド役として配置し、ルールや生活資金の入手方法を優しく教えています」


「そうか。最初が肝心だから、上下関係を擦りこみつつ寛容な姿勢を見せてやれ。もちろん、ナメた奴には容赦するなよ」


「はい!」



 <水城のダンジョン>の最寄り街は、貧民の対処で困っていたし……


 砂漠にあるウチの最寄り街と違って、人口増加に悩んでいたから、貧民を引っこ抜いた程度じゃ衝突は起きないだろう。


 やり過ぎるとお灸を据えられかねないが、それまでに彼が住み着いた貧民達を教育して、裏切らないようにしておけばいい話だ。



「あとメグミさん。申し訳ないんですが、カキ氷シロップをもう少し売ってくれませんか? 娯楽施設の方にも、明日には人が押し寄せそうでして……」


「OK! イチゴ味・メロン味・ぶどう味・レモン味・ブルーハワイ味、それぞれ100本ずつ送るから」


「ありがとうございます!」



 <水城のダンジョン>の娯楽施設は、ウォータースライダーや流れるプールをメインとした家族向けの造りだが……


 そうすると当然、彼等がご飯を食べる場所やお土産屋さんも必要になるよね。



 だけどスティーブと彼の配下じゃ、手軽につまめて美味しさを感じられるジャンクフードは、安価に製造できないので……


 彼のダンジョンの飲食物およびお土産は、自販機で無限に物を仕入れられる僕が、8割くらい担当することになった。



 コチラとしては儲かるからいいけど、自販機を必要とされる場面が増えたことで、セレクト自販機の変更時間制限に気を配らなきゃいけなくなり……


 納品希望がバッティングして、遅配が増えたのも事実だ。



 僕の<自販機作製>ギフトはすでにSランクだから、これ以上の伸び代は望めないかもしれないけど……


 可能ならもう一段階進化して、セレクト自販機も制限ナシで使えるようになってもらいたい。






 えっ、スティーブの相手ばかりしていて自分のダンジョンは平気なのかって?


 順調そのものだよ。



 僕のダンジョンは既に軌道に乗っているし、「儲けの○%を〇〇に使う」みたいなマニュアルも出来上がっているから……


 ほぼ全てオートマタが処理してくれて、僕の元にはその報告しかこないもん。



 ウ○コダンジョンの噂が広まってしまったせいで、ダンジョン攻略目的の新規客はほとんど来なくなったけど……


 その代わりダンジョン産商品の規制が弱まったことで、行商人は昼夜問わず砂漠を渡ってくる状態だし、安全に儲けられるチートモードに入った。



 モンティート先輩の指示に従って、コツコツ「金で操れそうな役人とメディア」に賄賂を渡し、裏工作した甲斐があったよ。


 彼等が汚職した証拠も握っているから、ボッタクられたり一方的に裏切られる心配もないし、これからも「win-winの関係」を築けることを願っている。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
攻略目的の新規客がこない……ふむ。攻略目的でない、リピーターが一定数やってくると…ほぅ。
オアシスフロアへの検問しいたし、でるのに金必要だったよね?
セレクト自販機、制限なしだと、ガチチートだからな
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