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567話 誠のダンジョン




 その後、山のような鬼畜アイデアと共に資金を支援してもらった俺は、鎮静作用のあるハーブを鼻の穴に詰めて、正気を保ちつつ……


 モニターの前に座って、「81期魔王選抜」への参加登録とダンジョンの作成をおこなった。



 俺の参加を知った邪神が、登録するや否やミッションの詳細文を変え、「邪神勢力繁栄のために尽くす〜」云々の誓約書も用意してきたけど……


 モンティート先輩が、変更前の文章をスクショしておいてくれたので、それを送信して「契約締結後の条件変更は無効です」と挨拶代わりのジャブをかました。



「くくくっ。やっぱり、邪神にとっても元勇者は怖いんだね〜」


「ウッカリ勇者の子孫を採用して覚醒までされているんだから、焦ったところで今さらだけどな〜」



 メグミも俺も修羅場慣れしているので、邪神に直接メッセージを寄越されても驚かなかったけど、真っ当に生きてきたスティーブとカルマは灰になった。


 そのまま放っておくと、サラサラと崩れ落ちてしまいそうだったので、メグミが試作品の「プール用水飴」で2人を固めたんだけど……



 この状態で人間仕様に戻ったら、彼等の肉体はどうなるのだろう?


 "お気の毒に"と思いつつ、ちょっと気になる。






「えっ? あぁ、そういう感じにするのね。たしかに、マサルの場合はそれもアリかもしれない」


 Mr.鬼畜のメグミでも、さすがに"この案"は思い浮かばなかったか。



 彼が驚いたのは、俺が「与えられたダンジョンコア」を飲みこんでコアと一体化したから。


 だってさぁ〜、冷静に考えて「命と連動するコア」は「一番安全な場所」に置きたいだろう?



 そして俺は、クビになったとはいえ魔王討伐経験もある元勇者。


 単騎での強さなら、世界トップレベルだ。


 つまり、創ったばかりの赤ちゃんダンジョンにコアを置くより、俺自身がコアになってしまう方が、余程安全。



 またモンティート先輩いわく、俺の身体は<聖>の色が強すぎて邪神の影響を受けにくいから、融合してしまえば邪神によるコア破壊も防げるかも……と。


 もし防げなかった場合、邪神の好き勝手に(肉体ごと)ダンジョンコアを破壊されるリスクもあったけど、俺は賭けに勝ったようだ。



 先程から、邪神の呪詛が山のように飛んできているが……なぜか皮膚に触れる前に穢れがなくなり、純粋なエネルギーとして体内に取り込まれる。


 おかげで予想外にスクスクと成長できたし、ある意味、俺を勇者転生させた神より御利益があるかもしれない。






 そして俺の魔王候補者登録は、大金を投じて数多の候補者を育成し、この機会に己の派閥を強化しようとしていた、上位魔王にも衝撃を与えた。


 まだ登録して2時間も経っていないのだが、魔王掲示板では既に「俺を罵倒するスレッド」が乱立して、暴言が飛び交っている。



 まぁ気持ちは分かる。


 メグミ達の意を汲んだ俺が試練に出て、ライバルとなる魔王が育てた候補者を全滅させる可能性を考えたら、腹が立つよなぁ〜。



 だけど誹謗中傷はダメ、小学生でも知っている常識だぜ。


 俺を罵っている魔王の名前は全てメモしたし、奴等が育てた候補者と試練でかち合ったときは、即「対戦ヨロシク」するから……


 全員、「成果もなくスッカラカンになった財布」を慰める覚悟だけしておけや。



 ちなみに……俺が生み出した<誠のダンジョン>は、未だに灰化しているスティーブとカルマを除く7名から、たっぷりと支援をもらえた事で……


 <恵のダンジョン>には及ばないものの、アイツ等のダンジョンより立派な代物になってしまった。



 先輩方からの支援に加えて、俺が手持ちの資産をポイント化して生み出した予算も、屋敷が数軒建つくらいはあったため……


 普通の新人には不可能な諸々も、札束で引っ叩いて強引に解決することができたからだ。






 それに加えて、今回は俺への誹謗中傷が酷かったので、<スキル図鑑>に収載されたとある能力を使用して、罵声を金に換えたのも予算が増えた要因。


 勇者時代に、とある嫌われ者の富豪(=通称:ガマガエル)が冤罪で投獄された際、助けてやる代わりにもらった"変わり種"である。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜嫌悪貯金〜


嫌悪感を向けられると自然に「嫌われポイント」が貯まり、一定額に達すると換金できる。


ただしこの能力を使用している間は、体臭が通常時の10倍になり、屁で人を卒倒させられる殺人兵器と化す。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 常に女モテを気にして生きてきた俺からすると、たとえ儲かると分かっていても絶対に使いたくない能力だったため、長らく封印してきたけど……


 今の状況じゃどうせ彼女なんてできないし、少しでも成長する方が優先なので、覚悟を決めた次第だ。



 なお……特に屁をこいた訳でもないのに、メグミとサーシャちゃんは風の盾を使用し、先輩達にも結界でガードを固められた。


 そして灰化していたスティーブとカルマが、「臭っ!」と悲鳴をあげながら肉体を取り戻し、血が出るまで鼻をかんだ……という事実は…………忘れたい。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
マサルに邪神が呪詛を飛ばしたりしているけど、 まともに考えれば勇者が魔王になるのは邪神にとってプラスが大きいんだけど何を考えてるんかなあ。 敵対神の勇者枠を潰して人間に敵対している強力な勇者が魔王陣営…
そういえばマサルそこそこ強いモンスターテイムして攻略してたよな そのままダンジョンモンスターにしちゃうんかな
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