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563話 マサルがOKした理由


〜マサルside〜




「個人的な都合で言っても、魔王になった時点で一生女性とは縁がないボッチ生活確定だから、そこは辛いなぁ」


 一般人にこれでもかと憎まれる存在になるのだから、俺の元に心優しい彼女など来てくれるはずがない。



 魔王の中にも一応「魅力的な女性」はいるが、メグミさんの彼女だし、ふしだらな視線を向けるだけで<ピー>を潰されそうだから、俺には縁がないのだ。


 まぁ勇者時代も、優しい彼女の皮を被った強欲アバズレしか、俺の周りにはいなかったので、今更だが……


 男として「生涯独り身」の覚悟をこの歳で決めるのは、なかなか辛いものがある。



「そんなことを言っても、そもそも"あの件"で女性自体がトラウマになっちまって、ED気味だから、現時点では彼女もクソもないんだが」


 もしまた付き合った彼女が、ある事ない事喋りまくる強欲女で、ゴシップ誌に俺のED話を持ち込んだら……と思うと、声をかける気力すら湧かない。



「いや、でももしかして……魔王になってミッションで上位入賞すれば、便利グッズとかが貰えて、EDの治療もコッソリできるんじゃ?」


 そして彼女も、俺のことを心から受け入れてくれるモンスター娘と結ばれることで、裏切りの心配なく穏やかなお付き合いができる?



「アリだな。もちろん、無垢な一般人を惨殺しないような仕組みのダンジョンにしなきゃいけないが、そこさえクリアすれば公私共にアリだ!」


 そうと決まれば動きは早いほうがいい……今すぐメグミさんに承諾の意を伝えて、<水城のダンジョン>へ行き、前向きに話を進めてもらおう。






 大急ぎでメールを書きあげて、メグミさんへ送信したところ、彼も俺の返答を待っていたのか、すぐにメッセージを返してくれた。


 当然のことだが、メグミさんへのメール文に"ED"云々の件は入れていない。



 支援してもらう側が隠し事をするのは良くない事だけど、その辺の事情はさすがに別だし、メグミさんさって俺の股事情なんかに興味などないだろう。


 むしろキモいから、隠しておいた方がいいまである。



<−−− ヴーーーンッ −−−>


 そして指示に従って<水城のダンジョン>へ向かうと、いつもの7名がベッドの上でゴロゴロしていた。


 一応彼等は、魔王界でも屈指の実力をもつエリート魔王なのだが、その姿はまるで"イモムシ"である。



「あっ、マサル。来てくれてありがとう。話したいと思っていたんだ」


「メグミさん、皆さんもお久しぶりです。ところで……どうしたんスか?」



「アハハ……。実はね〜、この前のミッションで、徹夜で肉体労働(課金ボタンの連打)し過ぎて、全員"抜け殻状態"なんだよ」


「あ〜、なんかお疲れ様です」



 メグミさんに話を聞いたところ、彼等は「小便器に設置するミニ邪神像」を転売して荒稼ぎしていたらしく、その代償として体力を使い果たしたのだとか。


 たしかにあの邪神像は、狙いやすい位置にあるうえ小便が当たると妙に快感で、ついクセになっちまうが……


 俺等が楽しむその裏で、魔王達がシノギを削っていたとは。



 とりあえず、俺が言えることは……


「何日も徹夜するくらいなら、指を一本切ってゴーレムに設置し、代わりにボタンタップさせれば良かったのでは? それか、モンスター鎧を着こむか」


「「「「「「「あっ」」」」」」」



 なるほど、目の前の儲けで頭がいっぱいになって脳筋爆発したんですね。


 アンタ達、馬鹿じゃないんだから考えて動きなさいよ。



「え〜っと、そのぉ……とりあえずマサル、魔王候補になる件はOKってことでいい?」


 メグミさん、誤魔化すの下手っスね。


 別に構いませんけど、そんなに分かりやすいと悪い大人に騙されますよ。






「候補になるのも、一番後輩として下っ端加入するのもOKですけど、善良な民を殺す系のミッションには参加できません。それでもいいなら」


「もちろん! 僕等<小鬼>同盟も<農民>同盟も、基本的には"一般市民と共存する方針"だし、ケンカを売られなければ一般人には手を出さないよ」



 メグミさんの言い分には若干の語弊があり、欲にまみれた一般人には地獄を見せる訳だが、それは俺も同じだし全く問題ない。


 農村で静かに暮らしていた子が、ある日突然スタンピードに巻き込まれて殺され……みたいなパターンは受け入れられないだけだ。



「じゃあ、早速マサルの育成を始めよう。基本的には君の意思に沿うけど、中には無理なこともあるから、ルールとか前例を学ぶところから始める」


「了解っス!」



「いや、敬語は使わなくていいから。魔王としては後輩になるけど、実質同期か先輩みたいなもんじゃん? <小鬼>同盟はタメでいこう!」


「メグミさん……いや、メグミ。俺は構わないんだけど、後ろでスティーブ君とカルマ君が震えているぞ? お前、パワハラとかしていないよな?」



 おぃ、後ろを向いて怯える後輩に同意を求めるな!


 なるほど、この人……無自覚パワハラマンなのか。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
予備のコアは、譲渡可能なんだな はじめのコアは動かせないのに
邪心「自販機に勝った!」
モン娘でもいいならどうとでもなりそうだなぁ。 サキュバスとかも居るし。 ただ上下関係がはっきりしてて対等にはなれないけど。
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