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561話 魔王候補にできる人材


〜メグミside〜




「とりあえず、周囲の動向を確認しよう。ホイッスネル他、ランキング上位の魔王7名が、優秀な人間の奴隷を買い集めている。たぶん魔王候補者にする気だ」


「育成期間が1ヶ月しかないから、実質"元になる個体のスペック"と"課金額"で全部決まりますもんね〜」



 モンティート先輩が、ルノーブル先輩から送られてきた調査報告書を読み、内容を共有してくれたのだが……


 この機会に「安全に搾取できる下僕魔王」をつくり出し、次回以降の理不尽なミッションに備える魔王は、コチラの想定以上に多かった。



 たった7人じゃんと思うかもしれないが、コイツ等は「試練なんて50%突破できればOK」みたいな認識で、捨て駒を含めてジャンジャカ育ててくる。


 つまりコイツ等に育成された魔王候補者だけで、300人は超えるわけで……


 下位魔王達による、「定員以下の候補者しか出さず試験を激甘にする案」は、この時点で潰されたということだ。



「ウチの風龍とか、メグミ君のところの砂龍を出します? コチラの事情もよく知っているし、個体のスペックも高いですよ」


「それはダメだよ。配下のモンスターを魔王にした段階で、従属契約は切れちゃうから、君達に対する忠誠心も下がる。だから連中も、人間を育てているんだ」



「あっ、そうか。記憶は残るとしても、私達との繋がりを切られちゃったモンスターは、野生味が強くなって従ってくれなくなっちゃうんですね」


「そうそう。だから、邪神が設定したルールにある"知性あるモンスター"というのは罠で、自分の眷属を魔王化したりすると酷い目に遭うよ」



 アスタリア先輩がサーシャに言った反対意見はもっともだけど、そうなると僕等は本当に身動きが取れなくなるぞ。


 <欲望のダンジョン>で暮らしている農民達を、魔王候補者として徴兵する訳にもいかないし、<恵のダンジョン>にいる民もなぁ〜。



 引退した冒険者とか、護身術程度に槍術を学んだ元スラム住民とかばかり。


 育成期間1ヶ月で試練を突破できる見込みがある人材なんて、元勇者のマサルくらいしかいない。






「マサル? あぁ、そうだ……マサルに打診してみるのはどうですか? 元勇者で正義感も強い男だから、簡単にはOKしてくれないと思いますけど」


「ふむ。それは、アリかもね。魔王になるという事は邪神の配下に加わるって事でもあるから、ダンジョンコアを叩き割られるリスクはあるけど……」



「冷遇される可能性はあっても、好き勝手に割られたりはしないでしょう。もし僕かマサルが死んだら、神側の召喚枠が空いて新たな勇者が来ちゃうし」


「だよね〜。せっかく勇者枠を潰せている状態なのに、自らそれを台無しにするほど、邪神もバカじゃない……と思いたいんだけど」


「それを言われると自信ないっス。(だってあのダメ神様、現在進行形で職務放棄している無能だし)」



 ミッションを達成できなかった場合、ペナルティーで額に「無能」の文字が浮かぶ云々書かれていたが、無能なのは邪神の方だろう!


 魔王として適切な人材を見繕って、安定した補給をおこない己の勢力を保つのは、邪神の仕事であって現場に丸投げしていいものじゃないんだから。



 こんな形で登用された魔王なんて、最初から首輪をかけられた奴隷にしかなれないし、ミッションですり潰されて数ヶ月で全滅するのがオチだ。


 いくら育成費用をケチれたとしても、魔王転生時のギフトを付与したり、魔王枠を使用する際には、リソースが必要になるわけで……


 数ヶ月ですり潰される奴隷魔王を、それなりのリソースを消費して採用するハメになり、長期的に見れば損をするのはアイツだ。



 なのに、そんな事すら思い至らず"現場丸投げミッション"を発動したり、モンティート先輩に出し抜かれる無能ミッションを連発した奴に……


 「恨みより理性を優先してマサルを生かす」なんて、マトモな管理者としての対応を期待するのは、厳しい。






「まぁ、とりあえずマサルに聞いてみます。彼に対する話なのに、本人抜きでグダグダ悩んでいても意味ないし」


「うん。よろしく頼むよ」



 もし仮にマサルがこの打診を受けた場合、<農民><小鬼>同盟9人によるバックアップを受けて、最強の81期が生まれることになる。


 いや、一応"試練"をクリアしたらって条件はあるけど……チートにチートを積み重ねたマサルが不合格なら、「誰が受かるの?」って話じゃん。



 彼程の実力者なら、直前にハニトラを仕掛けられてハッスルしまくり、腰砕けになって動けなくなっていない限り、突破確実だ!


 それだけの実力がマサルにはあるし、魔王界トップクラスの<農民>同盟と僕等が全面バックアップする時点で、スタートラインが違うんだよ。



<−−− ピロリロリーン♪ −−−>


「モンティート先輩、マサルから返事が来ました!」


「そっか。結果は?」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
さて、どう転ぶかですよねぇ。 メグミ達との仲間意識から魔王転生承諾するのか、コアって言うリスク増えるだけだから断るのか… ぶっちゃけマサル当人にはメリットないもんなぁ。今までの単身突撃できてたのって…
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