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540話 隠すほど目立つものなり己が恥




 悩みまくった末、邪神はある結論に達した。


 「そうだ! ランクインしてしまった自分の名前を、無効票扱い&伏せ字にして、途中経過を公表すればいいのだ」と。



 だがミッションの設定時に、最小限のコストで済ませるために「細かい操作ができないモード」で作成したため、完全に伏せることは叶わず……


 公表された途中経過は、「失笑モノの隠蔽工作」が表に出てしまった感じになった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜ミッション途中経過〜


1位:ブブカ

2位:〇〇(対象外の者に対する投票ゆえ無効)

3位:ホイッスネル

4位:ガブリ

5位:モンティート

6位:メグミ

7位:サーシャ

8位:ルチルッカ

9位:ハラスメント

10位:アスタリア


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 誰に何票入っているかを敢えて公表しなかった理由は、正確な数値が分かると、それを補う分だけしか投票券課金が見込めないからである。


 もっとも……不名誉な1位をとってしまったブブカと、繰り上げ2位の可能性がある3位のホイッスネル以外は、2位の伏字に目がいってしまい……


 己の方針を考えるよりも先に、伏せ字の答えを魔王掲示板で探る方を選んだのだが。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


399 名前:テスター(45期)

 なぁ……あの伏せ字、誰だと思う?

 勇者か?


400 名前:チートー(63期)

 いや、勇者なら伏せ字なんかにせず嬉々として晒すだろう。

 邪神の性格を考えろよ。


401 名前:ルルッカ(55期)

 ちなみに俺、その邪神に票をポイポイしちゃったんだけど、ランクインしてないな〜(棒


402 名前:チートー(63期)

 あっ、答えわかったわ。

 皆、匿名でいいからアンケートに答えろ!

 今回のミッションで邪神に投票した奴は、「いいね」ボタンを押せ。


403 名前:ルルッカ(55期)

 へぇ〜、俺含めて7……いや、8に増えたな。

 まだ投票していない魔王だっている筈だし、その票数ならランクインしていないのは不自然だ。

 「〇〇(無効票)」ねぇ〜。

 そりゃあ、まぁ……邪神は「魔王ではない」から、いくら票を入れられても無効票になるわなぁ。


404 名前:チートー(63期)

 ルルッカさん、足音が聞こえてきたぞ〜。

 管理者権限で横暴されるかもしれねぇし、削除推奨するぜ。


405 名前:ルルッカ(55期)

 サンキュー!

 どこぞの「嫌われ者ランキング2位:伏せ字さん」みたいに、俺のコメも1時間後には伏せるんで、スクショだけ撮っておいてくださいm(_ _)m


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「プ〜、クスクスクスクスクスッ! ダメだ、笑いが止まらない。搾取体質の魔王とか目立っている僕やモンティート先輩を差し置いて、邪神が2位ってwww」


「メグミ君、草を生やさないの! 邪神にだって1ミリくらいは感情とかあるんだし、あまりイジメたら可哀想でしょ。ププゥッ〜、クスクスクスッ」



「先輩だって、堪えきれずに漏れているじゃないですか! これは反則だ、想定していなかった」


「エンタメを分かっている子も、中にはいるんだね〜。示し合わせた訳でもないのに、邪神が2位!」



「僕等が組織票を入れたブブカを除くと、実質1位。そりゃあ今までの行いを鑑みると、当然っちゃ当然だけど……やっぱり、一番嫌われていたか」


「一応、僕達の上司であり区分上は"味方"なんだけどね。無効票で意思表示したくなるくらいには、ヘイトを集める特性アリっと」



 スティーブが治める<水城のダンジョン>でも、この途中経過を見て笑いが巻き起こり……


 モンティートやナーティーは、腹筋と肺が悲鳴をあげるまで喜びを抑えきれず、最終的に痙攣を起こして死にかけた。



 お上品に紅茶を飲んでいたアスタリアとサーシャも、噴き出しそうになって慌てて口に力を入れた結果、紅茶が鼻に入って惨事になっている。


 ダメージを喰らうことなくランキングを眺め、胸をなでおろしたのは、心配せずともランクインする可能性などないスティーブとカルマだけだ。






「ふぅ〜、ヤバイヤバイ。邪神の腹筋崩壊攻撃で、笑い死にするところだったよ」


「生還してくださり何よりです。ところで先輩。一応"アレ"を除くと僕等は4位・5位ですが、何か対策します?」



「いや、ブブカに票を集めるだけでいいでしょう。ホイッスネルとガブリも搾取体質で有名な魔王だし、放っておいても票は集まるからさ」


「了解です!」


 不慮の事故で死にかけたものの、蘇ったモンティートとメグミは、グループメンバーと共に方々への働きかけを強め、魔王<ブブカ>への投票を呼びかける。



 そして……己が1位だと気付かされ、邪神の不幸で飯ウマする余裕もなく、狼狽中のブブカはというと……


 目を血走らせ、引っ掻きすぎた頭皮からも血が滲んだ状態で、鼻息荒く打開策を考えていた。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 邪神に投票するかどうかはおいといて、 他に利益や報酬のいい話があったら、そっちに移る事も考えられるな メグミ達は、選ばれる側だし 複数の魔王と接触していても、別に問題ない訳だし
[良い点] リソース補填の為に頑張って考えたミッションで大恥晒す邪神さんが一周まわって可愛く感じる不思議。 これがアホ可愛いってやつか~! そりゃ三連続で魔王搾取ミッションすれば逆襲来るよねぇ。 寧…
[一言] まだ一票が重い段階たから慌てることもないね… このまま邪神が一位になったら草
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