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537話 メグミチームの攻防


〜メグミside〜




 3分で方針をかためた僕達は、手持ちのポイントを全て魔王<ブブカ>に投じて、奴を葬り去るために動き出した。


 いやぁ〜、殺しても罪悪感がわかない生贄っていいね!


 躊躇うことなくポイントを投入できたし、感情の揺らぎでリソースを食われて消耗する事もないから、「ぶっ殺作戦中」でも快眠できるよ。



 魔王なんて精々250人程度しかいないので、僕等がブブカに票を集中させるだけでも、"奴のトップ"はほぼ決まりだけど……


 モンティート先輩と僕も、「逆恨み系魔王」から多少ヘイトを買っているので、念には念を入れて他者へも働きかける。



 まずブブカに奴隷扱いされてきた魔王達の元へ、ルノーブル先輩のレイスを派遣し、ブブカの配下に悟られぬよう接触。


 そして「もしブブカが死ねば君は自由になれるよ」と伝え……「ブブカに票を投じれば、解放後に多少の援助もする」と、甘い言葉で誘惑した。



 もちろん、犠牲者とはいえ自業自得の側面もある彼等を、スティーブやカルマ君ほど可愛がる気はない。


 だけど1000万ロルくらい渡せば、彼等の価値観だと「十分な報酬をもらえた」事になるし、win-winの取引と思ってもらえるはずだ。



 ブブカが先日の一件で、支配している奴隷魔王に借金をさせ、それを全部かすめ取った事は、知られているので……


 ミッション成功後に奴隷魔王が解放されて報酬を手にしても、債権者の強強魔王に強奪され、命も含めて全てを失う可能性もあるんだけどね。






「よしっ、これでOK! ブブカを嫌っている比較的親しい魔王全員に、"アイツへの投票"を促したよ〜」


「先輩、ありがとうございます! 僕も、ユアンの件で繋がった魔王でまだ死んでいない人に、ブブカへ投票するよう話を持ちかけました!」


「ふふふっ。お疲れさま!」



 そして繋がりのある魔王に働きかけて、ブブカへ票を投じるよう誘導。


 魔王って、長い間モンスターに傅かれて生きているうちに、プライドの塊みたいになっちゃう人が多いから、普通はこういう誘いも無視されるんだけど……



 今回は、「誰かに票を集中させるほど自分が安全になる」という、意地悪な条件付きミッションだからね。


 パッと見で分かるだけでも900票分持っているコチラが、「ブブカに投じた」と宣言したうえで話を持ちかけた以上、誘いに乗った方が得なのだ。



 そして、トドメの冷気追加!


 <風炎のダンジョン>上空に雨雲を作ってザーザーと雨を降らせ、水没させる事ができたら勝ちという、鬼畜ゲームをしている精霊達に……


 モンティート先輩が、「冷気も加えて雨から雪にしちゃおうか」という指令を送り、凶悪性をさらに高めた。



 考えてもみてほしい、ブブカのダンジョンは<火>と<風>の二属性ダンジョンなんだぞ!


 それなのに氷水でキンキンに冷やされて、排水の難度が上がったら、防御だけで手一杯になり発狂する。


 当然そんな状態じゃ、投票攻撃から身を守る余裕などないし、破滅は時間の問題だ。






「くくくくくっ! ブブカの奴……ミッションの生贄として殺される前に、氷に埋まって凍死するんじゃないですか?」


「あははははっ、流石にしないでしょう。あれでも一応、上位をキープしてきたベテラン魔王なんだから。火属性モンスターへの影響は出るかもしれないけど」



 そんな冗談を言い合いつつ、僕とモンティート先輩は防御対策へと移った。


 今回の場合、防御用の課金アイテムを買うのはコスパが悪いし、ブブカに票を集めた以上、僕等が殺される可能性も低い。



 とはいえ……2位になっちゃうリスクは、残っているからね。


 アスタリア先輩とマサルに頼んで、誰に何票入ったかおおよその値を探り、もし本当にヤバくなったら課金……という形で、保身することにした。



 ちなみに、僕等以外のメンバーは対策ナシだ!


 何故って……いつも矢面に立ち注目されるのが、僕とモンティート先輩で、向けられているヘイトの濃さも全然違うからだよ。



 醜いババァ魔王に、嫉妬で投票される可能性があるサーシャも、やや「ヘイトが濃い」部類だけど……


 アリスやロルカナが死んで、嫉妬ババァの数も減ったので、大丈夫という結論になった。



 それにもし2位になり、予備のコアを壊されメインコアに傷をつけられても、無事だったメンバーから予備のコアを買えば、死のリスクに晒されずに済む。


 全員対策しようと思うと、それにかかる供物代や資産の消耗もバカにならないので、ケチれるところは徹底的にケチるよ。



 あくまでも「ブブカが1位になる」という前提のもとで立てた作戦だから、奴より多く票を集めてしまうと詰んじゃうけど、流石にないでしょう。


 逆恨み票で焚き火できそうな、僕&モンティート先輩ならともかく、サーシャ達は「良識人」と思われている節があるもの。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
これって、150人位がメグミ&モン爺に10票づつ投票したらそれぞれ1500票程度。 250人の内の9人の票しか確定じゃないのに、どうして安全だと思っているのだろうか? 1人の票は100票まとめて投票し…
[気になる点] この程度じゃ死なないという信頼からのジョークだけど、ガチで投票関係ない凍死になったら、二位さん繰り上げになるのかな?
[良い点] 相手に小細工させる余裕与えない嫌がらせの数々よ… まあ、やり過ぎてぶっ殺すと生贄にし損ねるからアレだけど。 [気になる点] ブブカの水面下の工作。 ぶっちゃけモンティートやメグミも立場的…
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