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523話 カタログギフト天国


〜メグミside〜




 融資の誘いを受けた魔王達の反応は、土下座で即受けした者から舌打ち三昧だった者まで様々だが、今のところ全員この話に乗っている。


 まぁ、そりゃあそうだよね〜。



 乗らずに使者を邪険に扱い追い返すと、アスタリア先輩と敵対するハメになるし、ライバル魔王との生存競争に負けてコアにヒビが入っちゃうもの。


 命を捨てたクレイジーな奴か、すでに誰かに支配されていてアスタリア先輩でも食い込めなかった奴以外、誘いを断るバカはいないと思う。



「そして、皆が借りられるギリギリまで借りる事でボーダーが上がって、さらに勝負が泥沼化する……と。お疲れさま」


 下位の弱者をイジメるなんて、罪悪感とか湧かないのかって?



 湧くわけないじゃん!


 今まで魔王掲示板で散々僕やサーシャをこき下ろして、己の惨めさを誤魔化してきた連中だぞ。



 スティーブやカルマ君のように、弱いなりにそれでも庇おうとしてくれた後輩なら、僕等もその心意気に報いるけど……


 愚痴と悪口ばかりで実力の伴わない乞食に、配慮してやる義理はない!



 一応、先輩にかけあって「善良な魔王割り」制度は設けてあるから、弱いけど素行のいい魔王は、ボーダー争いで有利に立ち回れるんじゃないかな?


 そして敗れたクズのダンジョンコアが割れて、この世界の空気が微妙に浄化され、魔王掲示板の治安も僅かに良くなる。


 僕等だけでなく多くの人々の役に立つ善行、素晴らしいよね!!



「メグミ君〜。そんなところで独り言に興じていないで、コッチで送金作業を手伝って! ほら、次はこの人にポイント送金するよ〜」


「すみません。すぐ行きます!」






 ポイント送金は、片道1%の手数料を取られる代わりに、ミッションの得点に反映される。


 その条件下で、次から次へとポイントを貸し出した僕達は、アッという間にランキング上位を独占し、報酬の獲得条件を満たした。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜緊急ミッション〜


小狡い者達のせいで、せっかく貯めたリソースを全て吐き出すハメになってしまったので、再び81期を魔王転生させるためのリソースを集めるべく、其方等にミッションを発令する。


10日の間に、より多くのポイントを動かせ!


手段は問わないが、ポイントの移動総数でランキング戦を行い、下位50名の魔王のダンジョンコアにはヒビを入れる。


また上位陣には、報酬として、ポイントの移動総数が一定ラインを超える度に、カタログギフトの品を贈ろう。


魔王共よ、生き残るために競い合え!!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「くくくくく…………っっ! せ〜のっ……」


「「「「「邪神様。カタログギフトの品、ゴチになりま〜す!!!!」」」」」



 いやぁ〜、たかが1%の手数料でランキング反映されるとか、お得すぎて言葉も出ないよ。


 もちろん貸付先の魔王に借金返済を拒まれたら、損失が出る可能性はあるが、アスタリア先輩がガチガチに詰めてくれたおかげで、そのリスクは低い。


 貴金属・現金のポイント化や、ダンジョンへの設備投資、お買い物の手数料が「数%〜」なのに対して、送金はコスパが段違いだ!



 たぶん「手数料ビジネス出来そうなシステム」を、よく確認もせず「対象となるアクション」に入れた、邪神のミスなのだろうが……


 そのおかげでウマウマ出来るのだから邪神様様だし、今なら肖像画への拝礼くらいなら、してあげてもいいくらい感謝している♪


 頭を下げると同時に屁をスカす、慇懃無礼モード限定だけど。






「わぁっ! メグミ君、見て見て〜。プレゼントボックスに、カタログギフトは沢山入っている!」


「本当だ! 途中でミスに気づいた邪神に、ちゃぶ台返しで報酬没収される可能性もゼロじゃないから、今のうちに全部出して使っちゃおう!」


「了解!」



「先輩方も、一緒に使っちゃいましょう! 邪神の性格って、お世辞にも良いとは言えないわけで……残しておいたら、没収されかねません!」


「そうだね。奴はプライドの塊だから、途中での報酬没収はないだろうけど……ルール変更とか報酬を渋くする程度は、やってくる可能性あるし」



 僕と同額の貸付に成功して、得点富豪になっているサーシャが、「報酬が付与されている」と教えてくれたので……


 先輩方と共に全て引き出し、基地をカタログギフトまみれにする。


 さすがにスクロール程とはいかないが……カタログギフトも"低級"はどっさり入っていたため、「運ぶのが重くて辛い」くらいの数はあるのだ。



 資金不足で借金する側のスティーブとカルマ君が、規模の違いにドン引いているところ、急いで進めちゃって悪いが……


 コッチだって、手数料で片道1%削られるリスクを負ったのだ。


 己のやらかしに気づいた邪神に、好き勝手される前に全て使い切って、また奴の財布を軽くしてやる!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 下級カタログギフトは、普段のミッションでもある程度配られてる設定でなければ、ユアンの件でアイテム払いするのは、難しい魔王多そうに思うな そこそこアイテムが買える層がいるなら、問題ないかもしれ…
[一言] 農民の知り合いの魔王さんにも、声かけて、貸付に参加させないのかな?
[一言] そして赤字補填(になり損ねる)鬼畜ミッション第3弾の追加ですね、わかります。 あと考えられるのは邪神も他の奴に運用資金借りに行くパターンか、ノルマこなせないで上に消されてから後任に交代する…
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