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516話 メグミとサーシャの育成方針


〜メグミside〜




 サーシャに負けて、明日のデザートを取られてしまったものの……彼女の突拍子もないやり方を見て、先輩方がニヤリと笑い真似したことで……


 競技に使った部屋はスクロールで埋まり、「絶対コレ、配る数間違えただろう」という報酬を、邪神から奪うことができた。



 先輩方は、スクロール欲しさというより邪神への嫌がらせで大量獲得したので、成果物は「ほぼ要らん」となり……


 「チーズ好きなだけ奢り」という破格の対価で、僕のものに。


 あとは僕が好きなだけとり、要らないやつをスティーブ&カルマ君に譲渡するカタチになると思う。



 えっ、サーシャ?


 欲しかったら勿論タダで好きなだけプレゼントするけど、彼女自身が巨大な箱の中に入っていたスクロールを、己のチカラで全取りしたからね〜。


 その分だけで事足りるし、むしろ余ってしまい売りたいくらいだろう。



「執事君。早速だけど、スクロールの配布についてだ。Aランク以上のモンスター全員に、四属性とアイテムボックスを覚えさせてくれ」


「かしこまりました」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜スクロール〜


封を切って巻物を開き、そこに記された模様を見ることで、特定のスキルを覚えることができるマジックアイテム。


1回使い切りなので、役目を終えたスクロールは燃えてしまい、この世から消滅する。


もし2人以上で同時に見た場合は、その内の誰かに確率でスキルが付くので、1巻のスクロールで2人以上がいい思いをする事はできない。


ダンジョンの宝箱からドロップする他、優れたスキル持ちが己のスキルを対価として捧げることで、人為的に生み出すことも可能。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 冷たいようだけど、低ランクモンスターより高ランクモンスターの方が購入費用が嵩むし、育成にも手間がかかっているので、命の優先度は高い。


 そのためスクロールも、Aランク以上のモンスターにのみ潤沢に振り分け、Bランクは一部補強……Cランク以下は配布ナシとした。



「敵との相性によっては、本来勝てたり対等に戦える相手でも、負けちゃうことがあるからね。スクロールで欠点を補強して、その可能性を下げにかかる」


 僕は土属性……それも「カラッカラに干からびた砂漠の魔王」なので、水属性持ちのモンスターは多くなく、水魔法のスクロールを大量消費した。


 逆に土属性は、サーシャから贈られた風属性モンスター以外、ほとんど全員が生まれた時から持っていたため、補強の必要もなく余りまくっている。



「あとは、敵の体内に寄生して自爆するタイプの子に、殺傷力を高める目的でスキルを付けて……。肉体疲労担当にも、もれなく<身体強化>を渡そう」


 <恵のダンジョン>には鉱山があって、そこで働くゴーレム君達の中には、<身体強化>を持っていない子もいたので……


 たとえ<身体強化Fのスクロール>だろうと、全体に行き渡らせれば、作業効率の底上げには繋がるはずだ。






「おぉ〜、これで"熱風"系の攻撃もしやすくなるね〜。よしっ、ジャンジャン付けちゃおう!」


 僕の隣では、サーシャが執事オートマタに指示を出して、僕と同じようにスクロール配りをしている。



 欠点を補うタイプの配布ではなく、サーシャは魔王<ブブカ>を参考に、「風と火を組み合わせて、より凶悪な攻撃力を〜」という攻めた方針をとった。


 そのためCランク以上のモンスター全員に、火魔法のスクロールを配布することで、「二属性ダンジョンの下位互換」を作るべく奮闘中。


 話を聞いた感じだと、「灼熱の風がふくサウナのようなフロア」を不安定な足場だけで進ませたり、寒暖差攻撃で自律神経を壊そうとしているようだ。



 それに加えて、飛行系高ランクモンスターに<アイテムボックスのスクロール>を配布して、「上空から物を落とせる状態」をつくり出し……


 僕の自販機で大量購入した「粉末コショウ」&「粉末唐辛子」を、敵の上空からピンポイントで散布して、敵の目と鼻を潰す"嫌がらせ"も企てているとか。



 <アイテムボックスF>じゃ大した量は運べないので、上空から糞尿を垂らしても、避けられてしまうだけだけど……


 空気中で勝手に広がり、広範囲に影響を及ぼす"刺激的なスパイス"なら、成功率も高そうだしアリだと思う。






「さてと……僕は予備も含めて充分な量を確保したから、あとはスティーブとカルマ君で分けていいよ〜。その代わり"貸し1"ね!」


「「アリガトウゴザイマス。(メグミ先輩への借りが増えるとか、超怖い! だけど、ここでスクロールをもらって戦力強化しないと、後々更に……という矛盾)」」



 お礼の言葉とは裏腹に、二人とも目が死んでいるんだけど……どうしたの?


 効果的なスクロールの配布方法が分からないなら、タダでアドバイスするけど、君達も一応「高等学舎に通った高学歴魔王」なんだし、自力でいけるでしょ?

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] そういえば、カルマに子供携帯は持たせるんだろうか? 10色の泉はなくても、コアルーム少しは快適にしてあげてほしい
[一言] コショウ散布とか相変わらず面白いこと考えるなw
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