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511話 チートギフト、花開く


〜メグミside〜




 すでに数百年生きていて、今さらぶっ飛び具合を矯正するのは不可能な先輩方に、何を言っても無駄なので……


 僕は、アゴが外れた状態で石化しているスティーブとカルマ君に、バコンとアッパーを叩きこみ、アゴを戻して石化も解いてやった。



「ほら、自分の部下が頑張っているのに魔王が固まるな! 可哀想に震えちゃっているから、帰ってきたら労ってやりなよ」


「あっ、ハイ! そうですね。先輩方も、手柄を譲ってくださりありがとうございました!」


「「「どういたしまして!」」」



 先輩方もこの戦いの目標は覚えており、生きながらにして素材を抜かれて"抜け殻"となった、高ランクモンスター達へのトドメは……


 管理室でガタガタ震えていたカルマ君の配下を連行して、操り人形のように操作し、無理やり刺させてあげていたので、今回カルマ君は相当儲けた。



 代償として、強い感情とは無縁なはずのオートマタが、腰を抜かして涙目になったり、ゴーレムが三角座りでいじけてしまったが……


 先輩方に悪意はないので、ここは主人であるカルマ自身がしっかりと彼等を労い、ショックによる傷心を癒さねばならない。






「ところでカルマ君、ギフトのランクは上がったかい? ダンジョンの育成に、魔王自身のレベルアップ……。ランクアップの条件は、整ったと思うけど……」


「ちょっとお待ちを! え〜っと……あぁ、Bランクに上がっています! これなら、"ランク制限で配下を回収できない問題"からも解放されそうです!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜コマンダー〜


自分の配下を、開拓済みのポイントへ転送できる。


また彼等と思考を共有することで、離れた場所にいながらリアルタイムで指示を伝えることも可能。


特定の配下を"代理"として立てることで、自分の代わりに配下の指揮を任せ、自分は休むこともできる。


一日に転送できる配下の上限は、ランクによって異なる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 カルマ君は、<コマンダー>というチートギフトを持っていたものの、ランクがショボ過ぎるうえに、配下のモンスターも低ランクばかりで……


 「ちょっとした情報通になれますね」レベルの、雑魚ギフトと化していたのだ。



 だけどBランクに上がった事で、「一日に転送できる配下の上限」が10000まで増え、軽いスタンピードなら起こし放題となった。


 それに加えて、対価のマナをガッツリ取られるものの、自分の配下以外も、少数なら開拓済みのポイントへ転送できるようになったので……


 先輩方による養殖レベリングのおかげで、一気にチート度合いが増している。






「カルマ君、おめでとう! この能力を活用すれば、きっと今年中には魔王ランキングの上位に食い込めるはず! 頑張っていこうね!」


「はい! 正直、まだギフトの説明を読んだだけで実感は湧いてない状態なのですが、この能力ならたぶん先輩方のお役にも立てるかと。頑張ります!」



 うん……そこまで真面目に返されると、剥ぎ取った素材を見てワチャワチャしている先輩方に、ショックを与えられ石化した彼が可哀想になるが……


 本人はその件について気にしておらず、純粋に<農民>同盟の先輩方にも感謝しているっぽいので、僕がフォローする必要はないかな?



 能力チートが目覚めたからといって、調子に乗るような感じもないし……この分なら、ギフトに潰されずに上がってこれるだろう。



「コソッ(すみません、先輩。ちょっと相談いいスか?)」


「コソッ(ん? スティーブ、どうした?)」



「コソッ(同期で、同盟加入時期も似たようなものなのに、カルマの方が圧倒的にチートで焦っています。俺、捨てられませんかね?)」


「コソッ(あぁ、それは大丈夫。仲間を裏切ったり、調子に乗って禁忌に手を出さなければ、ハブったりしないから)」






 僕等は、二人以上集まるとどうしても優劣がつくし、劣った側は捨てられないかと怯えたり卑屈になったりもする。


 だけど<小鬼>同盟は、結成メンバーである僕とサーシャが「元ドベ」だった側だから、努力している奴を「劣っているから」なんて理由では切らないよ。



 自分は何も協力しないくせに助けだけ求めて、向上心もなくニート生活を満喫するようになったり、サーシャに手を出した場合は……別だけどね。


「さすがに、それはないです! 俺だって理性ある生き物なので、あそこで皮を弄ばれているモンスターみたいな末路は、迎えたくないですから」



 あ〜うん、たしかに先輩方のアレは容赦なかったね。


 でもスティーブ……今のいい口だと、僕のことも「先輩方と同類」だと思っているみたいだけど?

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
スティーブもギフトランク上がればそこそこいい武具や道具じゃなく、伝説級や神話級のものも制作できるかもしれないし後方支援として欠かせない存在になるはずだよ。
[一言] 思考共有して指示出しできて、代理も頼める、携帯を超えるチート能力かも 自分の配下以外を転送すると、一気に転送できる枠が減る、とかも、あってもいいかも スティーブは、上納金も払わないといけな…
[気になる点] コマンダー。 配下以外の転送には当人の同意が必要なのかどうか。 同意なしでもコスト払えば転送可能だったら敵のエース格や指揮官を吹っ飛ばしたりできるからちと強力すぎるよなぁ… 多分そこま…
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