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505話 風炎のダンジョン


〜メグミside〜




 初めての襲撃かつ相手が格上の魔王と分かり、カルマ君は青ざめているけど、今回の襲撃はあくまでも"様子見"だからね。


 厄介な気流を突破してこの島へたどり着くために、SSランクモンスターのダブル・フェニックスが引率しているけど……


 上陸したモンスターは100体にも満たないし、ちょっと<森のダンジョン>をかき回して、調子に乗っているカルマを泣かせたい……ってところだろう。



「モンティート先輩。<風炎のダンジョン>ってどんな感じか知っています?」


「うん。その名のとおり、<風>と<火>の二属性をかけ合わせたダンジョンだよ。魔王のブブカは、魔王転生前"風属性"に特化していたからね」



 先輩いわく……そもそも<風炎のダンジョン>は、5期の魔王が創りあげた風属性のダンジョンだったらしい。


 しかしその魔王がヤンチャし過ぎて人間の怒りを買い、軍隊にダンジョンを攻められて滅びてしまったそうだ。



 しかしその魔王は、サブのダンジョンコアを持っていたため"コアの転生"自体はできており……


 肉体も人間に壊されたものの、直前に眷属のサラマンダーへ己の魂を移していたため、辛うじて難を逃れたのだとか。






「ただ、急いでいたんだろうね〜。その魔王はサラマンダーの魂と融合して、新しい生命体になっちゃった。そして、それに合わせてダンジョンの特性も……ね」


「なるほど」



 ダンジョンは所在地だけでなく魔王の特性ともリンクするので、風属性だった<風炎のダンジョン>も、火属性モンスターの魔王が誕生したことで……


 それに引っ張られて<火>の要素が強くなり、二属性特化という方向性になったのだろう。



「もはや違う魔王だからって事で、邪神が8期として再登録した後、人間に壊されたダンジョン跡地を修復して再起したんだよ」


「あ〜。そりゃあ人間嫌いになるし、人間と融和している先輩方も間接的に恨まれますね」



 そしてサラマンダーと融合したという事は、かなりアクティブかつ攻撃的な性格になっていると思われるので……


 今回の襲撃も、「とりあえずムカついたから行ってこい」の勇足だろう。


 逆に、ここで力を見せつけて叩き伏せれば、犬っころみたいに服従して逆らわなくなる可能性が高いので、できれば容赦なく潰しておきたい。






「メグミ君。襲撃部隊が、<森のダンジョン>内に入ってきたよ! さっそく木の上を飛ぼうとして、天井に頭をぶつけた」


「くくくくっ。ざまぁ〜! 回復魔法でタンコブを癒すのはいいけど、水魔法で身体も清めておかないと、後で大変なことになるぞ〜」


「天井にぶつかると、その衝撃でカビの胞子とダニが降り注いで、飛行系モンスターの羽に食いこむカタチで寄生しちゃうもんね」



 ちなみに……地上を走る場合にも、似たような鬼畜トラップはあって……落とし穴の中に、<恵のダンジョン>産の発酵糞が溜まっていたりする。


 また木の枝を足場にして飛び移っても、時々「木の幻影」とか「木系モンスター」が混ざっているから、一筋縄ではいかないのだ。



「うわっ、さっそく業火でフロア全体を焼き払った。そりゃあ、<風>と<火>に特化した魔王の配下なら、燃やして押し通ろうとするよね」


 サーシャが言うとおり……そのままだと前へ進めない以上、「森の木を全部燃やして罠ごと潰す」のが最適解に思える。



 しかし、燃やすとフロアの出入り口と空気孔が完全に閉まり、中で自分も一酸化炭素中毒や二酸化炭素中毒になるという、"初見殺し"も準備済み。


 案の定、森を燃やした侵入者のうちBランク以下の者は、この初見殺しでバタバタと倒れて、殉職or戦線離脱となった。






「ダブル・フェニックスも一瞬焦った様子を見せていたから、呼吸器系への攻撃は通るみたいだな。というか、他に通る攻撃ってあるのか?」


 Bランクモンスターの<不死鳥>は、戦闘力がショボイうえ再生できる回数にも制限があるので、攻撃し続ければ簡単に倒せる。



 しかしSSランクモンスターかつ、<風>と<火>に適性がある<ダブル・フェニックス>が、同じ"欠陥持ち"な訳ないし……


 モンティート先輩、そこのところ教えてください!



「ん? まぁ、似たような欠点はあるよ。ただBランクの<不死鳥>とは、攻撃力・防御力・再生力全てが比べ物にならないほど優れているってだけで」


「なるほど。要するに、最上級の"盾"なんですね」



「そうそう。だけど燃えにくい環境とか、周りを燃やすと害がある環境に追い込んで、じっくり嬲り殺しにすれば意外と簡単に殺れる」


 先輩方はダブル・フェニックスを見ても、一切動揺しなかったから、モンティート先輩の言うとおり、対処法を知っていれば殺せる敵なのだろう。



 なら、僕はセオリー通りに攻めるだけ!


 たぶん<森のダンジョン>は、奴等を仕留めるのに向いているダンジョンだし。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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[一言] 圧倒的に潜る価値皆無のダイション…
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