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500話 頭パンク中の新入りです


〜カルマside〜




 予想だにしていなかった同盟加入のお誘いをいただいて、図々しいと思いつつも、このままだと自滅への道しか残されていない事も分かっていたため……


 僕はそのお誘いを受けて<小鬼>同盟に入り、メグミ先輩から届いた呼び出しチャットに応じて、スティーブ様のダンジョンへ向かった。



 きっと79期で生存競争を勝ち抜いたスティーブ様らしい、要塞のようなダンジョンがあるのだと思っていたけど……


 <転移陣>で飛んだ先はまさかの客室で、穏やかそうな老人3名とスティーブ様、そしてメグミ先輩&サーシャ先輩がパジャマパーティーしていてビックリ。



「えっ、何この"くつろぎ空間"。えっ? あぁっ、失礼いたしました! メグミ先輩・サーシャ先輩、ご無沙汰しております。私、カルマと申します!」


 正直、サーシャ先輩は学生時代の女神様みたいなイメージが強く、メグミ先輩とスティーブ様も厳しい生存競争を勝ち抜いた強者。



 僕とは格が違いすぎて、何というか……同じ人間であるという事を、どこか理解できていなかったところがあり……


 「パジャマ着るんだ」というのが、正直な感想だった。



 そして学生時代の先輩・同期……だった格上の偉い魔王だけでなく、ヒヨコ柄のパジャマを着て寛いでいた老人3名が、<農民>同盟メンバーだとは!


「(魔王界最強の先輩方が、こんな可愛らしいパジャマで寛いでいるなんて……。世の中、不思議なこともあるもんだなぁ〜)」



 冷静に考えれば、<小鬼>同盟は魔王掲示板で心ない同業者から「<農民>同盟の金魚のフン」と揶揄されるほど、<農民>同盟と近しい訳だし……


 同盟メンバーも最大で5人しか集められないのだから、サーシャ様達が<農民>同盟の先輩方と一緒に生活して、親睦を深めるのも頷ける。



「(それに勇者排除派との戦いで、ガルガロク先輩に仲を裂かれそうになっていた。戦いが終結して余裕ができたいま、次に備えて皆で集まる。当然のことだ)」


 だが頭では理解できても心が追いつかず、僕は見かねたスティーブ様が声をかけてくださるまで、情けなくも石化してしまった。






「カルマ君、久しぶり! ちゃんと話すのは初めてかな? 君と同期のスティーブです。よろしく」


「あっ、スティーブ様……。よろしくお願いします!」



 石化して先輩方の貴重なお時間を浪費させてしまっている僕を、スマートな対応で部屋の外へ連れ出してくれたスティーブ様は……


 そのまま僕をバスルームへ連れていき、「男同士、裸の付き合いといこうや!」と言って、僕を大浴場へ叩き込んだ。



「うわぁ〜、凄いですね! 綺麗な色の泉がいくつも湧いている! 夢を見ているようです」


「アハハハハ。これは、ミッションで上位を取るともらえるカタログで、注文できる<十色の泉>ってアイテムだよ。僕のは、先輩からの貰いものだけど」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜十色の泉〜

乳白色で美しい10の冷泉が、枯れる事なく湧き続ける泉。

色は付いているが飲むこともできる。


・桜の泉(思い人と一緒に飲むと恋が実る)

・紅の泉(精力増強作用がある)

・山吹の泉(肩こり・腰痛を回復させる)

・山梔子の泉(MPを微回復させる効果がある)

・白花の泉(HPを微回復させる効果がある)

・青竹の泉(フレッシュな気分になれる)

・若梅の泉(頭の回転がはやくなる)

・常盤緑の泉(目の病気に効く)

・露草の泉(リラックス効果がある)

・葡萄の泉(香り高く美味しい)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 スティーブ様いわく……元々このアイテムは、砂漠の真ん中にダンジョンがあるメグミ先輩が、好んで集めており……


 ユアンの一件でアイテムが余って、そのお裾分けをもらった……とのこと。






「先輩方はお風呂好きだから、余裕ができたらカルマ君のダンジョンにも置いた方がいいかもね。あぁでも、サーシャ先輩の入浴を覗くのは厳禁だぞ!」


「それは理解しております。私はまだ死にたくありません」



 もしそんな命知らずなマネをすれば、僕はアッという間にダンジョンを制圧されてコアを人質にとられ、ユアンより悲惨な最期を迎えるだろう。


 良くて輪切り……酷い場合は、スリコギで<ピー>をすり潰されてモンスターの餌にされるかもしれない。



「僕も、女性の先輩方が楽しめるように"女子風呂"用意したし、そこにはオートマタ・ゴーレム・スライムしか置いていない。もちろん、監視カメラは無しだ!」


「何かのタイミングでその映像が目に入って、釈明する前にメグミ様の逆鱗に触れると、その時点であの世逝きですもんね」


「うん。接待のつもりで龍を起こし喰われるなんて、嫌だもん」



 一見、穏和そうに見えるが……メグミ先輩は、無いに等しい資産から若手エースに成り上がった天才であり、敵には容赦ない御方なのだ!


 それでなくても恩義しか感じていないのに……先輩方の恋にチョッカイを出すなんて愚行、敵に脅されても絶対しないよ!

読んでくださり、ありがとうございます!


10月8日に、『クラス全員で魔王転生!』のコミック2巻が発売されます!

興味がある方はぜひ読んでくださいm(_ _)m


詳細ページへは、下の表紙イラストから飛べます↓↓↓

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