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493話 <小鬼>と<農民>の勝負




 その後、邪神の悪口を肴に紅茶やジュースを飲みまくった僕達は、夜が更けてきたこともあってハイテンションになり……


 折角だから、<農民>同盟と<小鬼>同盟で、どれだけ早くミッションを達成できるか競うことにした。



「勝ったら、相手のお金で豪華フルコース食べ放題。負けたら、罰ゲームで奢りと変顔ね!」


「いいですよ。先輩だからって容赦しませんから!」



 これがガチの勝負で、自分やモンスター達の命を天秤にかけられたら、とてもじゃないが乗れないけど……


 老人5名への奢りと変顔程度なら、最悪負けても困らないし、何より先輩達がどうやって「殺しても良心が痛まないクズ」を探し出し狩るのか見たい。


 調査担当は引きこもりのルノーブル先輩だから、直接その場を見れるわけじゃないけど、先輩方の動きを隣で拝見できるだけでも挑む価値アリだ。



「ああああぁぁ〜、どうしよう? もしメグミ先輩とサーシャ先輩の足を引っ張って、"負け"の主犯になっちゃったら……。土下座で済むかな?」


 和気藹々と賭けを楽しむ僕等と違って、一番後輩ゆえムダに緊張してしまい、本音を声に出してしまったスティーブは、それに気付いて一足先に土下座。



 心配しなくても、この程度の賭けで戦犯云々言うほど僕等は鬼じゃないんだけど、これもメンタルを鍛える訓練ってことで……そのまま放置しておこう。


 どうせマサルから容疑者をリストアップしたら、僕&サーシャの実働部隊と共に働かざるを得ないのだし、勝手に起きて動き出すだろう。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メグミ、一覧表ができたから添付するぞ。


性悪の足掻きはあなどれないから、くれぐれも気をつけて動いてくれ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ありがとう!


裏取りが済んだら、またコチラから報告するんで^^


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


了解!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 勇者排除派の件で直接会って、同じ苦難(ロルカナの汚姿)を乗り越えたことで、マサルとは以前より仲良くなり……


 彼もムダな敬語は使わず、タメ口で話してくれるようになった。



 ナメられるとダンジョンで好き勝手されて困るから、それはダメだけど、自分より年上の彼にかしこまられるの……ちょっと違和感だったんだよね。


 適度な距離感で接してくれる今くらいの感じが、ちょうどいい!






「執事君。この一覧表をもとに、近場の潜伏班に調査を依頼してくれ。他の魔王も動いていてスピード勝負だから、緊急案件の次に優先って感じで」


「かしこまりました」



 僕も情報戦の大切さは学んだので、主要都市や重要施設がある場所には、変装に長けたモンスターを潜伏させており……


 セレクト自販機で買える電子機器と合わせて、それなりの情報収集力を誇っている。



 ゆえに夜が開ける前には、何かしらの報告があがり始め、明日には本格的な狩へ移れるだろう。


「(さてと、先輩達はどうかな? ぅん? すごく良い笑顔で、コッチを見ている気がするんだけど……)もしかして、もう調査が終わったとか?」



「うん♪ ルノーブル配下のアンデッドが、被害を受けて今も苦しんでいる人の生霊から、情報収集してくれたんだよ。生霊は、ちゃんと話すと知性高いから」


「あぁ〜、そういうやり方で証拠取りもいっぺんに済ませたのか!」



 たとえ恨みを残して死んだものがアンデッドとして蘇ったとしても、よほどの力をもつ猛者じゃない限り、ゾンビが精々であり……


 肉体とともに頭も腐ってしまうため、「いつ・誰に・何をされたか」聞き取りをおこなうのは不可能だ。



 だけど生霊なら、「無自覚に肉体から離れて彷徨っている」ことさえ自覚させてやれば、ちゃんとコミュニケーションをとれるし……


 苦しんでいる己のためにも、自ら被害状況を説明してくれるので、(レアな存在である生霊を探せる人なら)情報収集も容易い。



「あとは近くに潜んでいるスパイ担当に、加害者一人残らず殲滅してもらえばいいだけ。明け方には、ミッションのノルマを済ませられると思うよ」


「…………。最後まで諦めずに戦います」


「うん。ナイス心意気!」






 まぁ圧倒的スピードに根性で敵うはずもなく、結局勝負は<農民>同盟の圧勝になっちゃったけど、調査方法は参考になったし競えてよかった。


「う〜ん、メグミ君の奢りで食べる高級メシ最高! 奢りメシって、美味しさが3倍になるんだよね〜」


「同意見」「おかわり必須だな」



 老人とは思えない食欲ですでに3人前は食べたであろう、目の前の爺婆には若干イラつくけど、これも勉強……だよね?


 あとスティーブ……立ちあがって動く間もなく負けたのは僕も承知しているけど、いい加減起きないと頭に血が昇って倒れるぞ。


 僕等は、まだ「裏取りを進めている段階」でミッションのノルマを達成できていないんだから、実働に供えて仮眠をとっておけ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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