表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

488/936

488話 彼女の役目


〜サーシャside〜




 勇者排除派との戦いを制したメグミ君から、モンティート先輩&スティーブ君を連れてウチのダンジョンに来ると、連絡があったので……


 急いで手料理を用意して、いつもより清楚な服を着て彼等の到着を待った。



 本音を言えば、久しぶりにメグミ君を堪能できる機会だし、デレッデレに甘えて数日遊びたい気分だけど、男性は「序列の生き物」だからね。


 自分より目上の先輩と、ライバルにもなりうる年頃の後輩を連れてくる時点で、意識的ではないにしろ、私も彼等から「評価される対象」になる訳だし……


 よりメグミ君の評価が高まる、「清楚でしっかりとした優しい彼女」を演じた方が、後々のためだ。



「あっ、そうだ。メグミ君、ブランドものの紅茶が切れちゃったんだけど、セレクト自販機で高級なやつ出してくれない?」


「えっ? あぁいいよ。先輩方をお出迎えするのに、安い紅茶だと申し訳ないしね」



「そうそう。うわぁ〜、香り高くてホッとする。ありがとう♪」


「こちらこそ。美味しそうな匂いで、今日のご飯が何か今から楽しみだよ!」



 立ち居振る舞いに気を配ると同時に、さり気なくメグミ君を頼り、その都度お礼を言ったり立てるのも忘れない。


 自分のパートナーが外でどう見られるかにも関わるのだ……いくら普段親しくしている2人の来客でも、彼女としてそこは徹底する!






「ふふふっ。相変わらず仲良さそうだね〜。そうだ! サーシャちゃん。はいコレ、お土産の"フルーツの種セット"ね。品種改良された高級品の種だよ」


「わぁっ、先輩ありがとうございます! ちょうど園芸してみたいと思っていたところなので、ありがたく育てさせていただきます!」



 モンティート先輩は上品なお爺さんなので、土属性かつメグミ君とも被らない<欲望のダンジョン>の特性を活かして、素敵な種をプレゼントしてくれた。


 こういうのは、上手く育てて株を増やすと数年後には金になるし、好みの問題がある服やアクセサリーと違って、魔王なら手軽に使えるからありがたい!



「メグミ君。砂漠で育てられるフルーツもあるかもしれないし、今度試しに栽培してみない?」


「いいね〜。戦争が終わってモンスター達の手もあくから、少ない水でも育ちそうなものを栽培してみるよ」



 そして、ただプレゼントをもらって喜ぶだけでなく、メグミ君と二人で今後の糧にする姿勢を見せるのも大事!


 実際に育つかは、やってみないと分からないけど……挑戦する気すらないよりは、チャレンジ精神旺盛な方が先輩好みだろう。






「サーシャちゃんって、本当にしっかりしているよね〜。ほら、スティーブ君もお土産渡しなさい。用意していたでしょ?」


「あっハイ! 今後ともよろしくお願いします!!」



 笑顔ながらも、しっかりと私……そして私を彼女として選んだメグミ君を評価している、モンティート先輩と違って……


 スティーブ君はイマイチ女性耐性がないのか、真っ赤になってカクカクしながらお土産を渡してくれた。



「ありがとう。そんなに良いものはお返しできないけど、パウンドケーキを焼いたから持って帰って! 先輩用のもあるので、モンスター達と食べてください」


「あっ、アリガトウゴザイマス!!」「ありがとー♪」



 正直、私は男好きする体つきなので、こういう感じになっちゃう男子も多々見てきたのだが……


 欲望をコチラへ向けて、メグミ君の存在を忘れサルにならないだけ、ちゃんとしていると思う。



「スティーブ。分かっていると思うけど、サーシャは"僕の"彼女だから」


「はい。もちろん承知しております! (分かっているけど、学園のマドンナと呼ばれたサーシャ先輩をこんな至近距離で見たら、緊張するんですよ!!)」



 もちろん、もうお年を召されたモンティート先輩からは、そういう感情は1ミリも感じない。


 アスタリア先輩に太鼓判を押されていたとはいえ、直接会ってこのリアクションなら、今後も安心してお付き合いできる。






「本日のお食事は、メグミ君が"勝ったら食べたい"と言っていた、カレーハンバーグにしました! 美味しい和牛を贅沢に使ったので、超ジューシーですよ〜」


 さすがに初対面で「焼肉食べ放題」というのは、パンチがあり過ぎるし焼く手間がかかって申し訳ないので……



 とりあえず皆が大好きなカレーとハンバーグを組み合わせて、適度にお腹が膨れる料理を用意した。


 ふわふわのオムレツも人数分用意してあるので、希望があればトッピング可能である。



「メグミ君。次集まる時はガッツリ焼肉にするから、後でお肉も買いたいな〜。セレクト自販機で買えるブランド肉、ちょっと在庫不足で」


「了解! 先輩は脂の少ないフィレ肉がいいだろうし、食後お腹が落ち着いたタイミングで、各々好きな肉を調達しよう!」


「分かった♪」



 こういう時も、私のポジションは「何を選ぶか」が難しいのよね〜。


 モンティート先輩よりワンランク落ちる肉で、メグミ君・スティーブ君より脂少なめ、上品に見える量……ってところかしら?


 でも正直、私もニンニクがガツンと効いた脂っこいお肉を、メグミ君と一緒に食べたいなぁ〜。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  サーシャはニンニクを選ぶのか、口臭も気にしないとはさすが肉食系女子。それともメグミから濃い匂いをさせて堪能しようとするフェチ系女子かな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ