477話 土属性の欠点
〜土龍side〜
不確定とはいえ、ガルガロクの件は目処がついたので……儂はこの機会を利用して、砂龍達の実技演習をおこなうことにした。
酸素ボンベで皆の命を長らえさせてくれたうえ、誰一人発狂することなく素直に指示を聞き、この局面を乗り切るために動いてくれているからな。
儂も主様の筆頭眷属として、メグミ殿に借りを返し、今後の良好な付き合いへ繋げねばならん!
「砂龍。我等を護ってくれている結界の、マナの残量は読み取れるか?」
「う〜ん。何となく感覚でわかるけど、僕は<鑑定スキル>持ちじゃないから正確な値は読み取れないかも」
「それで問題ない。結界内を巡るマナの動きやマナ量の増減を、真剣に観察するのじゃ! そして、残量が2割を切ったら儂に報告せい」
「分かりました!」
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砂龍(人化中)
ランク:SS
職業:恵のダンジョン・大ボス
スキル:頭突きS・噛みつきS・爪裂きB・咆哮A・火魔法S・水魔法A・土魔法SS・風魔法B・精霊魔法G(New)・物理耐性S・魔法耐性A・錬金A・アイテムボックスC・大食いC
ギフト:鉱物の支配者・人化
所属:恵のダンジョン
維持費:30000ポイント/日
詳細:古を司る土属性の龍。近場にある鉱物を取り込んで砂状に変え、それを使って自身の肉体を育てていく特性があり、防御力は使用される鉱物の硬さに比例する。それゆえ土龍より撃たれ弱い事が多いが、身体を構成する<砂>を武器に変え使う場合もあるため、総合力では甲乙つけがたい。オリハルコン等のレア鉱物で身体を構成している場合、頭から尾まで全てが高級素材となるため、倒した者は巨万の富を得ることができる。
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砂龍は、才能が限界突破しているSSランクモンスターの中でも、初期値ではなく成長率に重きを置いた大器晩成型。
そのうえメグミ殿が、私財を惜しまず事あるごとにオリハルコンを食わせているため、<鑑定スキル>くらいその気になれば会得できるじゃろう。
「(実践中ゆえ、緊張感があり自然と覚えもはやくなる。しかも我等が得意とする土属性の結界を多く重ねがけしているから、観察しやすいはずだ)」
「あっ、<鑑定スキル>覚えたかも!」
「(早っ!?)」
たしかに砂龍のスキル欄には、<鑑定スキル>の文字が追加されており、おまけに<注視スキル>まで生えておる。
儂が羨ましく思う程の、成長速度じゃ!
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砂龍(人化中)
ランク:SS
職業:恵のダンジョン・大ボス
スキル:頭突きS・噛みつきS・爪裂きB・咆哮A・火魔法S・水魔法A・土魔法SS・風魔法B・精霊魔法G・物理耐性S・魔法耐性A・錬金A・アイテムボックスC・大食いC・鑑定G(New)・注視G(New)
ギフト:鉱物の支配者・人化
所属:恵のダンジョン
維持費:30000ポイント/日
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「鑑定を覚えたなら次へ進んでもいいのぉ。砂龍よ。そこで一生懸命に結界を保っているケットシー達に、マナを譲り渡してやれ。ほら、こうやっての」
「こう?」
「うむ。初めてにしては上出来じゃ。とはいえ……100使って20くらいしか渡せておらぬゆえ、無駄が多すぎてまだ実践では使えぬ。要修行じゃの」
「そっかぁ〜。土龍様は、100使って98くらい渡せているね! 僕と違ってロスが少ない」
「くくくっ。儂とて、だてに歳をとっておらぬという事じゃよ。我等SSランクは、膨大なマナをもつ"マナ貯蔵庫"でもあるゆえ、この能力は必須じゃ」
「マナの量は少ないけど何かに特化している、ケットシーさんみたいな味方にマナを渡せれば、無敵になれるもんね♪」
「あぁ。100使って50渡せたら及第点。目標は、100使って80渡すくらい……かのぉ」
「大丈夫だよ! 来年には、土龍様と同じくらい上手くなっているから!」
「そうか。楽しみじゃ」
「えへへ。期待して待っていてね!」
<−−− トントントンッ −−−>
「ん?」
「土龍様。ナーティー様配下の先発隊が、地上に到着したとのこと。レイスゆえ直接の干渉はできませんが、地盤調査を始めるそうです」
「そうか。(さすがナーティー様。アンデッド系のモンスターを多く抱える分、機動力では主様をしのぐ御方じゃ。頼りになる)」
「しかし地上は天候に恵まれず豪雨になりそうなので、水没に注意するように……とのお達しでございます」
「分かった。防水用の結界も張ってはいるが、念のためあと3つ重ねておこう。救援部隊・本体の到着はいつ頃になる?」
「順調に進めても、あと2日はかかるとのこと。ナーティー様も土属性で、主力モンスターの動きは遅いですからね」
「うむ。四大属性の中で、我等"土属性モンスター"は圧倒的にトロいゆえ、仕方なかろう。先発隊が早いだけ儲けもんじゃよ」
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






