表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

473/936

473話 魔王ランキングから名前が消えた


〜メグミside〜




 僕とモンティート先輩のケンカが演技だったと、ガルガロクにバレた段階で、さらに奴を煽り散らし理性を飛ばそうと……


 魔王掲示板で二人仲良くスレッドを経て、盛大に「もうアイツ死んだも同然じゃん。前祝いしようぜ」コメントをしていると、魔王ランキングに変化が起きた。


 まだ現場の子達から「ガルガロク始末」の報告は来ていないのに、なぜか魔王ランキングに載っていた奴の名前が消えたのだ。



「どういう事だ? もしかして、僕に捕まり拷問されるのを恐れて自殺した……とか?」


「う〜ん。その可能性もあるだろうけど、ガルガロクは"顔も性格もブサイク"なことで有名な魔王だからね。こんなに潔く命を絶つとは思えない」



「とりあえず、現場へ奴の死亡を伝えて状況を聞きます」


「そうだね。情報共有して、今後の方針を決めないと!」



 お爺ちゃんの先輩よりも、僕の方が(メールを打つ速度だけは)優っているので、大急ぎで現場班へメールを送ると……


 指揮官のオートマタから返事が届き、「たぶんこのダンジョン崩れます。生き埋めにされそう」という、物騒極まりない状況を伝えられた。






「先輩、どうしましょう?」


「弱い子は全員、亜空間をもつ僕の配下の腹の中に入れろ。結界を張れる子と連絡要員のオートマタだけ残って、あとはウチの土龍に任せるんだ!」


「分かりました!」



 非常事態という事もあり、モンティート先輩も「序列1位の魔王モード」になり、一瞬も悩むことなく僕に指示してくれたので……


 その指示をそのままメールで現場へ伝え、僕はいつでも動けるように、パジャマから戦闘服へと着替え始める。



「(先輩は"結界を張れるモンスター"だけ、戦力として残した。つまり崩れて土の重さで生き埋めにしようとする、ガルガロクの最後っ屁を防ぎきる気だ!)」



 だけど結界を張るにはMPが必要なので、一生土の中で結界を張り続ける訳にもいかないし、何より酸素がヤバイ!


 敵が無酸素攻撃を仕掛けてきた場合に備えて、マジックバッグの中に酸素ボンベを沢山詰めこみ、持たせてはいるけど……



 先輩の配下も併せると、現場には相当数のモンスターがいる。


 つまり埋められた状態で生きられる期間はそう長くなく、早いうちに次の手を考えないと、現場にいる子達は苦しみながら亡くなることになるのだ。






「メグミ君、そんなに怖い顔をしないの。大丈夫。現場には土龍と砂龍がいるから、モグラみたいに地面を掘って地上へ出るくらいできるよ。それに……」


「それに?」



「今から風精霊を、現場へ向かわせて呼吸対策も試みるから、今日のところは僕に任せておいて。ナーティーにも援護を頼むからさ」


「あっ、そうか。ナーティー先輩も、モンティート先輩や僕と同じ土属性でしたね」



 土と相性の良いSSランクモンスターが3体集まれば、この状況でも埋められた子達を生還させられるかも。


 それに、僕の戦力はともかく……モンティート先輩とナーティー先輩の配下は、一騎当千の猛者揃いだ。



 そんな彼等が力を合わせて動くのだから、僕がするべきなのは、彼等の試みが上手くいくことを信じて、持たせた酸素ボンベで時間稼ぎをすること!


 あとは風属性のサーシャにお願いして、風精霊を支援するために、風龍を現場へ向かわせるくらいか。



<−−− チョンチョンチョン −−−>


「どちらも助かるけど、メグミ君には食糧支援を優先して欲しいかな。弱いモンスターを助けるために、眷属の亜空間に入っている食料を放棄したから」



「あっ。もしかして、食料は土に埋まっちゃった感じですかね?」


「たぶん。必要最低限の食料は残しただろうけど、現場は僕の意を汲んで、モンスターの命→ポーション類→食料の順で、優先順位をつけた筈だし」



 なるほど、了解です!


 こういう時こそ自動販売機の出番ってことで……僕も現場へ出向いて、価格をタダにした「無限に食料を供給できる箱」を置いてきますね!


 ちなみに……値段は自由に変えられるけど、仕入れ値を割ると自動でポイントから天引きされるから、タダ飯を食えるというウマい話ではない。






「ありがとう。だけど気を付けてね。魔王ランキングから名前が消えてダンジョンも滅びたとはいえ、ガルガロクの性格を考えると残渣が残っているかも……」


 うわぁ〜。



 たしかに顔写真を見たとき、醜悪な見た目に加えて性格悪そうな目つきをしていたけど、モンティート先輩にそこまで言われる程のものなのか。


 精霊の恵みをいただいたおかげで、僕もそれなりに聖属性と相性が良くなっているから、念のため聖系統の防御を徹底した方がいいかもな。



「ところでメグミ君。紅茶を淹れようとしたタイミングでダンジョン崩落の話を聞き、ショックでフリーズして大ヤケドを負っちゃった彼だけど……」


「あぁ、そろそろシバいて正気に戻します?」


「うん。ポーションがあるとはいえ、火傷を放置していい事なんてないし、はやく起こして傷の手当てをしてあげよう」



 良かったな、スティーブ。


 もし失態が、熱湯を持ったままフリーズして大ヤケドじゃなく、腰を抜かして漏らす系だったら……


 さすがに見苦し過ぎるんで、僕等だけ部屋を移ってお前は放置だったかもしれない。



 モンティート先輩の温情と、まだマシな失態だった幸運に感謝するんだぞ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 酸素ボンベ、都合よく持ってた!? そういえば、彼らに簀巻にされてた弱い魔王たちは、どうなったんだろ? 残りの養殖80期もどう動くのか‥
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ