表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

471/935

471話 お爺とメグミ


〜ガルガロクside〜




「よしっ、あと少しでアイツ等の部隊が激突する! 元仲間同士で殺し合い、二度と埋まらない溝をつくりやがれ!!」


 俺はお前等のせいで、全てを失ったんだ!



 魔王ランキングからロルカナとトキナの名前が消えた以上、アイツ等はすでにこの世におらず、俺を支えてくれることもない。


 ここでクソ共の配下を殺し合わせたところで、俺が勢力を失った事実は変わらぬ以上、仮に作戦どおり事が進んだとて、今後厳しい生活が待っているだろう。



 特級呪物レベルの激ヤバ性格とはいえ、俺相手に股を開く女はロルカナしかいなかったから、この先俺はセカンド童貞ライフをおくることが決まっている。


 元々イマイチだった顔面偏差値が、「醜化の呪い」を受けたことで地面にめり込んでしまい、「顔面で人の精神を汚染できるレベル」と揶揄される状態に。


 そんな俺と枕を共にし、人肌の温もりを教えてくれる女が、この先(戦利品として獲得した人間奴隷以外で)都合よく現れるわけない。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜呪毒の炎〜


自身及び配下の炎を浴びた相手は、百種の毒・百種の呪いからランダムで幾つかに暴露し、解毒ポーションを飲んでも最低一日は侵され続ける。

またこの炎で調理した食材や、火を通した水にも呪毒は感染するので、それを飲食した相手にも同様の症状が出る。

ただし術者にも、対価として常に「醜化の呪い」がかかってしまい、絶望的に異性にモテなくなる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「お前等のせいだ。お前等のせいで、俺の人生は光を失い絶望しかなくなった。なのに、のうのうと魔王掲示板でケンカだぁ?」


 ふざけんな!



 ケンカするなら配下を殺し合わせて血を流し、互いに消耗して心底憎み合うべきだろう。


 俺だけ不幸にしておいて、テメェ等は"ケンカ遊び"で済むなんて……そんな甘ったれた話はねぇんだよ!



「ガルガロク様。あと数十秒で、メグミ配下がモンティート配下を攻撃できる距離に入ります。今のところ、両部隊共に"同士討ち"とは気付いていません!」


「よしっ! そのまま静観して、できる限りメグミ配下にモンティート配下を殺させるんだ。噴霧剤でさり気なくサポートしてやれ!」


「かしこまりました」



 メグミ配下とモンティート配下……当然練度はモンティート配下の方が上だから、正面からぶつかればメグミ配下が一方的に壊滅するだろう。


 だけど今回は、高低差のある城壁モドキがある場所で、両者が遭遇するよう誘導した。



 それも、メグミ配下が高い位置から一方的にモンティート配下を狙い撃ちでき、モンティート配下がソレに抗う術はない場所で……だ。


 そうなると力関係どおりの結果とはいかなくなり、理不尽な状況で多くの部下を殺されたモンティートは、メグミに深い恨みを募らせるだろう。



 高低差があるほど、相手へ向ける感情は強まるものだ。


 最初から敵だった俺よりも、可愛がっていたのに恩を仇で返すカタチとなったメグミに、より深い憎悪を抱き……


 俺のことなんて忘れて、さり気なく用意した非常口からダンジョンを抜け出し、<恵のダンジョン>へ突撃してマジの殺し合いをしてほしい。






 そして実際に血を流し消耗しあいながら、魔王掲示板で負の感情を爆発させて互いを罵る姿……見てぇなぁ〜。


 それだけで飯3杯はいけそうだし、一人で慰めるしかなくなった俺の、新たなオカズコレクションに加えれば、意外とロルカナより抜けるかもしれない。



「ガルガロク様、一大事です! 押し殺さんばかりの勢いで階段を駆け降りたメグミの配下共が、モンティート配下と合流するや否や握手を交わしました!」


「はぁっ!?」



「その流れで、メグミ配下をアシストするために潜んでいたウチの連中を、軒並み討ち果たし……今は、仲良く喋りながら行軍しております」


 どういう事だ?


 元々配下同士で交流があり、魔王がケンカしても配下同士の仲は良好で、モンティート配下がメグミ配下に停戦を打診した?



 いや、あり得ないことはないが……さすがにタイミングが早すぎる!


 これだけ視界不明瞭で、定期的にウチからの奇襲を受け続けた状況のなか、遭遇した瞬間に相手の素性を見抜き、外交力を爆発させられるわけがない!



 だとすると……


「くっ……くそぅっ、ハメられた! 魔王掲示板でのケンカは、俺をハメるための罠だったんだ! 奴等は、本当は一切仲違いしていない!」



 露骨な種明かしをされた事でようやく気付いた俺が、慌てて魔王掲示板を確認すると、「お爺とメグミ」という名のスレッドが……。


 ふざけんなっ、序列1位のくせにつまんねぇ芝居に付き合ってんじゃねぇよ!!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] うーん、このたまたま生き残ってただけ感の強いクソっぷり… いやまあ、対策してなけりゃ普通に脅威の能力なんだけど、おつむの方はマジでこんなんでよく次世代トップ候補名乗れたな、おい。 特級呪物…
[気になる点] ガルガロクのギフトの様に強力でも代償が大きい物や相性が良くない・それほど有用と思えないギフト持ちの魔王のとどめはサーシャかスティーブにさせればレベルアップになるのでは? [一言] 安全…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ