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466話 敗者の定め


〜トキナside〜




 爺婆と糞ガキ共のせいでゴリゴリと資産を削られ、資産額と連動してバフがかかるギフトを活用していた、俺のダンジョンは……


 見事に弱体化し、とても「魔王界の次期エース」を狙えるような状況じゃなくなった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜成金の勢い〜


手持ちの資産が多いほど、自分および自己の所有物にバフがかかる。


ただし第三者の目から見て誰のものか分からない物を、「自分の所有物だ」と主張しても、ギフトには反映されない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 そこへトドメを刺すように、俺が不老不死だという噂が流れて、マッドサイエンティスト共が俺に興味を示し……


 非合法な手段で稼いだ汚い金で、裏稼業の傭兵団をかき集め、<裏金のダンジョン>を攻略して俺を実験体にしようと画策し始める。



 たしかに俺には"命の残機"があり、全財産と引き換えに一度だけ復帰する事ができるが、奴等のオモチャとして能力を消費させられるなんて嫌なので……


 "金の盾"ではなく"金の矛"を使って一発逆転を狙い、見事に失敗して「金融資産ゼロ・命の残機ゼロの激弱魔王」に成り果てた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜金の矛・金の盾〜


全ての金融資産を失う代わりに、一発逆転できるルーレットを一度だけ回すことができ、当たりが出れば格上相手でも逆転可能な力を10日間だけ得られる。

ただし当選確率は1%であり、ルーレット挑戦後1年間は「金の矛・金の盾」ともに使えなくなる。(金の矛)


また致命傷を受け治療の余地がないとき、全ての金融資産を失う代わりにオートで再生し、HP・MP満タンで復帰することができる。

ただし1%の確率で誤作動を起こして、肉体爆散によるトドメを刺されるうえ、ルーレット挑戦後1年間は「金の矛・金の盾」ともに使えなくなる。(金の盾)


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 そもそもの話だが……俺の治める<裏金のダンジョン>は、賄賂さえ渡せば殆どの階層を楽に通れる、金持ち優遇仕様になっており……


 潤沢な予算さえあれば、数日で9割方突破できてしまう。



 そのうえ残りの「本気で殺しにかかるフロア」も、俺の資産が尽きたことでゴミ化したため……


 マッドサイエンティストの息がかかった傭兵団の連中は、苦労することもなくサクサクと攻略を終わらせた。



 このまま手をこまねいていたら全てを失ってしまうので、最終手段として、憎き後輩であるメグミに降伏を願い出たのだが……


 奴からは「絶対に呑めない条件の鬼畜すぎる返事」が届き、交渉の余地すら残されていないことが分かった。



 そして遂に、「金さえあればフリーパスで通れる洞窟」と化した<裏金のダンジョン>を突破して、傭兵団の連中が管理室へとなだれ込んでくる。


「かくなる上は、キチガイ研究者共のモルモットにされる前に自刃して……って、ちょっと待て! 誰だよ、この糞コメントを書いた魔王は!」



 最期に、少しでもメグミにダメージを与えてやろうと思い、奴が寄越した高慢ちきな返答を魔王掲示板に晒したのだが……


 全スルーされた挙句、俺に力がなくなったと見るや否や手のひらを返して、「チンピラの劣等生」というムカつく呼び名で陰口をたたく奴が現れた。



 それを見て頭に血がのぼり、その文字が見えなくなるまで力任せにモニターを破壊していたところ……対応が遅れて傭兵団の連中に囲まれ、ジ・エンド。


 舌を噛み切って自害せぬよう猿轡をかまされ、手足の関節も全て外されて、ダンジョンの外へ運び出されてしまった。






 そして俺は現在、両目をえぐられ四肢を奪われた状態で、薬品臭い部屋に閉じこめられている。


 少しでも動こうとすると、人質のように拘束された<ピー>に乱暴されるから、実質「何もできないモルモット」と同じだ。



「(敗者は全てを奪われ、尊厳など糞食らえで殺される。これが魔王の定めだから、命を取られるのは仕方ない。だけど、さすがにコレはねぇだろう!)」


 手がないから首を絞めて自害する事すらできず、舌を噛み切ろうにも、金属の拘束器具で口を閉じられぬよう固定されている。


 飯はチューブで注ぎ込まれ、排泄も管が入っているのか自分の意思では管理できない。



 おまけに俺をさわる研究者共……俺のことを、「3625番。通称<ポチ>」とか呼びやがって!


 俺は犬っころじゃねぇぞ!


 ちゃんと<トキナ>って名前があるし、それなりに有名な魔王だったんだから、せめてちゃんと本名で呼べよ!!



「(あっ、また"よく分からない薬"が注入された。クソッ、これで何百発目だよ! それに、段々と記憶が朧げになっている気がする)」


 もしかして俺……ヤバイ薬を打たれ続けて、自分が誰かも分からない"真のモルモット"に堕とされるのか?


 えっ、俺……自我すら奪われるの?

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] メグミに敵対した中ではまだマシな末路だな…
[一言] 本作クズの末路としてはあっさり死ぬ(自我失う)のは慈悲ですよね。
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