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465話 死を喜ばれる者




 ロルカナを余すところなく食い尽くしたマサルは、ついに耐えきれなくなったのか、涙目になり吐いてしまったものの……


 あまりゆっくりしている時間もないため、さっさと遺体の火葬を済ませて、<美魔女ダンジョン>だった洞窟を脱出した。



 ちなみに……もしマサルが「キモいから」と遺体処理をサボると、僕等やマサルに深い怨みをもって死んでいったロルカナが、アンデッド化してしまう。


 それもファイヤーボール一発で燃やせるゾンビではなく、グールやリッチとして蘇る可能性もあるので、たとえキモかろうと必ず処理しなければならない。



 だって、恨みを持っておりダンジョンに縛られない上級アンデッドとか……絶対に僕等のもとへ押しかけてきて、面倒事が増えちゃうもん!


 僕も先輩も、逆恨みでゲロるなんてゴメンだから、マサルが嫌な仕事だろうと真面目にこなしてくれる男で本当に助かった。



「メグミ君。マサル君が、ナーティーのダンジョンに到着したよ。心身共に疲れているみたいだし、一眠りしてから戻ってくるって」


「了解です。(そりゃあ、あの汚手紙を生み出した張本人が、ゾンビ化した股を広げて、<ピー>を報酬とした助命処置を願っていたんだもん。疲れて当然だ)」



 眠りにつく前に、ロルカナから奪った財産をアイテムボックスから出し、ナーティー先輩に提出してくれたので、それだけで十分!


 先輩の方で"お祓い"を済ませたあとコチラへ送ってもらい、マサルが起きる前に、報酬分配等の事務作業は僕が済ませておく。






「あっ。ロルカナが死んだの、もうバレたんだな。魔王掲示板が、歓喜の渦に包まれている」


「本当だ。以前、ハイドンよりタチの悪い新米狩りが逆襲されて屠られたときより、皆大喜びしているね」



 僕とモンティート先輩が実はケンカしておらず、<農民>同盟との仲も良好だというのは、勇者排除派が全滅するまで知られちゃいけない秘密なので……


 <農民>同盟の関与は隠して、魔王掲示板に今回の概要と、見舞金(という名の口止め料)の話を書く。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


785 名前:メグミ(78期)

 ご無沙汰しております。

 先日コチラでお伝えしたとおり、元勇者<マサル>がロルカナへの報復をおこないました。

 ロルカナの遺体はゾンビ化せぬよう、彼が吐き気をこらえて丁寧に燃やし、残った炭にも対策を施しております。

 また今回の件は収益目的じゃないことに加えて、皆様にも汚手紙の余波で多大なる迷惑をかけてしまったため、わずかではありますが見舞金を配布します。

 具体的な話は、ロルカナと対面して汚臭と存在感で大ダメージを受けたマサルが、五体満足で帰還して精神を癒してからになります。

 申し訳ありませんが、もうしばらくお待ちください。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 べつに僕が好かれている訳じゃないが、自分達にも利益があるのとロルカナへのヘイトが溜まりすぎたせいで、お知らせへの「いいね」が止まらない。


 今だったら、マサルを「魔王界に現れたスター」云々言っても、雰囲気で流されて歓迎する奴までいそうだ。






「ちなみに……見舞金って、どうやって配るんですか?」


「ん? それは、勇者排除派を倒した後で僕の管理画面から配るよ。"投げ銭機能"で楽々配布できるから♪」


「えっ!?」



 改めてモンティート先輩の管理画面を確認させてもらうと、僕のより多くの機能ボタンが表示されており、優遇されていることがわかった。


「数年に一度あるバトルロイヤルで、優勝したとき記念にもらった機能なの。きっとメグミ君も、そのうち貰えて強強になるよ〜♪」



 その為には、存在チートな貴方とお仲間に勝たなきゃいけないんですけどね。


 善処はしますが、長い目で見守ってください。



「マスター。ナーティー様のダンジョンより、マサル殿が奪ったロルカナの私財が届きました。処理を始めてもよろしいでしょうか?」


「あぁ。予定よりも多く奪えたから、見舞金は一人当たり100万ロルでいく。遺恨を残さぬよう、女性魔王にも分け隔てなく配る計算で!」


「かしこまりました」



 残った金は、直接乗り込んだマサルが50%。


 残りの50%を、僕・モンティート先輩・ナーティー先輩で分け合う。



 ぶっちゃけ、僕の取り分は先輩達の半分でも多いくらいなんだけど、それを伝えたところ「僕等が多く取ると、搾取している感じになるから」と断られた。


 というか……資産に色はついていないし罪もないとはいえ、ロルカナの怨念が移ってそうでキモいから、全部譲るかどこかに捨てたいくらいだとさ。



「(それは僕も同じ気持ちだ。だから頂いた金銭は、即ポイント化する。縁起が悪すぎるから、絶対に僕等の生活空間には置かない)」


 それはそれとして……ガルガロクはともかく、マッドサイエンティストの餌食となったトキナは、今頃どんな"お遊び"をされているのだろう?

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 一応、スティーブのダイションも経由地として使わせてもらってるから、迷惑料や協力料は渡しといてもいいんじゃない?
[一言] 100万ロル、この辺りか(初期) 成長率を競い合おうミッション中に渡されたら、凄い事になりそう モニターの修理費いくら? 第250位:恋のダンジョン 属性:火 魔王:ルージュ(78期) 保…
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