453話 連続呪い魔事件
「手持ちのカードで、メグミとサーシャに害をなせるもの……<道連れ>ギフトはどうかしら? とりあえず、使ってみましょう」
以前80期の魔王から、メグミの物だという"髪の毛"を入手したし、もし私がここで果てたとしても、アイツだけは道連れにできるはず!
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〜道連れ〜
ギフト保持者と怨恨がある相手をターゲットに指定すると、その相手を一人だけ道連れで死に至らしめることができる。
ただし相手のDNAを登録するための生体データがないと、効力は著しく減衰し、軽い呪いをかける程度の効果しか見込めない。
またギフトの性質上、ターゲット一人にしか道連れ効果を発動できないうえ、ギフト保持者が生きている間はほぼ"無意味なギフト"扱いされてしまう。
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「あとはサーシャ。そして私達世代を差し置いてガキ共を優遇した、モンティートにもお仕置きしないとね。サーシャが嫌がりそうなカードは……そうだ!」
非モテを拗らせて、枕して手懐けるまでアンチ女の筆頭格だった、今は亡き42期の魔王<コドク>が持っていた、クソギフトをお見舞いしてやりましょう。
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〜穢れチャージ〜
自分の口臭・ワキガ・スソガ・屁・足の臭いを、特定の女魔王に10日間押し付けることができる。
その間自分は無臭で快適な生活を送れるが、慣れた頃に元の汚臭体質に戻るため、精神的ショックで自滅するリスクあり。
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このギフトは、ターゲットにできる魔王の範囲がせまく命を脅かすものでもないため、特に条件なく簡単に発動できる。
ただし一度発動してしまうと、再度発動するまでにクールタイムがあるうえ、呪った相手に犯人がバレてしまうから、恨まれてもいい場合しか使えない。
「他には、そうねぇ〜。サーシャの淫らな姿をばら撒いて、アイツを表に出れなくしてやりましょう! ついでに、メグミとモンティートのBLも!」
ウチにもドッペルゲンガーはいるし、奴等の容姿はこちらも把握しているから、再現するのは簡単。
もちろん洋服で隠れている部分は探れないので、そこは想像しながらになるが、野郎は粗チン・サーシャは真っ黒&性病風にしておけば問題ないだろう。
「ドッペルゲンガー、さっそく奴等に化けて上層階で<ピー>を始めなさい! ウチのダンジョンにいる冒険者共に、ガッツリ見てもらうのよ!」
「「「かしこまりました」」」
あとは魔王掲示板に、私がこれまでに掴んだ奴等の情報と、ありもしないアダルトゴシップを投下して……
その上で、魔王<オワタ>の<呪符創造ギフト>を使って、トドメを刺す!
もし真犯人が奴等じゃなかったら、あの3人への復讐はできないけど……それはそれで真犯人を潰せるからアリだし、これだけ苦しいのよ。
私をこんな目に合わせたクズの内臓も、同じように腐らせてやらなきゃ気が済まない!
「マスター。動かれては、状態がより悪くなってしまいます」
「分かっているわよ! 不満があるなら、私の代わりにとっととこの呪符を設置しなさい! あるだけ全部使うのよ!!」
「ヒィィィィッ!? かしこまりました」
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〜メグミside〜
「あれ? また依代がひとつ潰された。これだけ連続で呪詛が飛んでくるのも珍しいな」
「モンティート先輩、何か問題でも起きたんですか?」
「うん。昨日、念の為に用意した君達の依代が、こんな感じで真っ黒になってねぇ〜。しかもサーシャちゃんの依代から、異臭がするの」
「えっ? どんな感じ……って臭っ!!」
「毒って訳でもなさそうだけど、どういう呪いなのかね? 解析させるから、ちょっと待っておいてくれる?」
「はい。分かりました!」
「あと、依代が全部潰れたら君達の本体に呪いが飛んじゃうから、もう何個か依代のストックを作るよ。サーシャちゃんにも連絡しておいて」
「了解です!」
先輩が護ってくれたおかげで無傷で済んだが、藁で作った依代がとんでもない汚臭を放っており、本気でゾッとした。
たぶん勇者排除派の誰かだと思うけど、あのニオイからして「腐る系統」のナニカだと思う。
「マスター。マサル様より、お届けものでございます。なんでも、彼宛の手紙が結界に引っかかっていた……と」
「えっ? そうか。ありがとう。って、これも臭いな」
貴族令嬢が使いそうな便箋を開くと、フローラルな香りに混ざってゾンビ臭が漂ってきた。
それも普通のゾンビとは違う、より生々しい臭さだ。
もしかして、この手紙……"連続呪い魔"と同一人物が送ってきたやつじゃない?
読んでくださり、ありがとうございます!
この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






