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442話 攻勢をかける


〜メグミside〜




 人間の天敵と言われる魔王にも関わらず、気のいい農民たちに囲まれて苦笑いしているスティーブを置いて……


 先輩とともに<水城のダンジョン>に戻った僕達は、二人で悪巧みしながら<恵のダンジョン>へ指示を送り、勇者排除派を潰すために配下を動かした。



 もちろん、僕と先輩の仲が悪いと見せるカモフラージュとして、<欲望のダンジョン>へも調査団が向かっているが……


 こちらはあくまでも調査団であり、戦うことなど想定していないので、戦闘員は生まれてから間もないモンスターを配置して、バレぬ程度に手抜きしている。



「世界各国で悪貨造幣の話が広まり、魔王<トキナ>の闇金稼業はほぼ壊滅。本人の資産も、その件と土壌汚染が原因で底が見えた。だから……」


「あとひと押し。彼のダンジョンに希少な人体実験の生き残りがいると、マッドサイエンティストが興味をそそる噂を流す。魔王<トキナ>がそうなのだと」



「はい。奴等は非合法な手段であこぎに稼ぎ、闇に生きる金を工面していますから、そういう"興味をそそられるもの"には食いつきますね」


「うん。どんな手段で捕縛に動くかは、グロすぎるから想像したくないけど……マッドサイエンティストに倫理観とかないし、この一発で詰みだ」



 先輩が確信をもって言うほど、頭の狂った科学者共はヤバく、無駄に良い頭をフル活用してターゲットをとらえ、研究材料にする。


 僕は健康体の魔王<トキナ>が欲しいわけじゃないから、奴等のオモチャになって弱りきったアイツを回収して、トドメを刺せればそれでいいや。






「ロルカナには、奴が使っている美容液とシャンプー・リンスに、先輩からいただいた溜毒を混ぜました。使用感は変わらないので、気付かれないかと」


 すでに商いのルートは、商人になり変わって押さえてあるし……奴等もまさかそんなところから、僕達が攻めるとは考えていないと思うので……


 これはほぼ確実に成功し、ロルカナは一定期間後に「内臓が腐る不治の病」にかかるはずだ。



 あと奴が"股の擦過傷"に塗っている、クリーム剤の入手ルートも突き止めたので、そこもなり変わったうえオークキングの<ピー>を混ぜており……


 オークキングの<ピー>は外でも数ヶ月もつので、ロルカナが知らずに塗ると、人の10倍以上あるオークジェネラルクラスの子を、孕むハメになる。


 よくオークが村の女性をさらって、子孫繁栄のために陵辱するクソ行為の応用だ!



 僕等だって鬼畜じゃないので、普通の女性相手にこういう攻撃をするのは躊躇われるけど、相手がロルカナじゃあね〜。


 これまで散々、他者の命を弄んでいるだろうし、自分が"される側"になっても自業自得だ。


 どうせ生まれてくるのも100%オーク種だから、子供に配慮する必要もないし、身に覚えのないハッスルから生じた恐怖に慄いてくれ。



「うんうん、それでOK。メグミ君〜。ガルガロクの方にも手を回し終えたよ〜!」


「先輩、ありがとうございます! もうアイツ、表で威張ることはできませんね♪」






 さすがに搦め手ばかりだと、僕等が「そういう事しかできない魔王」とナメられる原因になるので、ガルガロクのダンジョンへは普通に派兵した。


 ただし……これまで散々やってくれた礼に、味方のモンスターには「<恵のダンジョン>へ放り込まれた疫病患者の菌が入った瓶」を多数持たせており……


 現地に着いたら、適度に散布してもらう手筈となっている。



 また<恵のダンジョン>名物の、<汚物フロア>で熟成された菌付きモスキートも、ゴッソリ従軍しており……


 奴のダンジョンに入ったら、別行動で各地を巡って、ダンジョン全体を汚染する手筈だ。


 こちらはしっかりと身を守ったうえで、バイオテロのお返しをする訳だが……あくまで表面上は普通に戦っているだけなので、そこも誹れないだろう。



 そしてガルガロクが密かに繋がりをもつ闇のエージェントも、先ほど先輩の配下が消し終えたので、奴は身動きが取りづらくなってしまった。


 そのうえ手足のように使っていたトキナに、本格的な楔が打ち込まれ……ロルカナも表に出れなくなるので、もうリーダーは気取っていられない。



「ガルガロクはね〜。弱くはないんだけど、倒そうと思えば僕一人でもなんとかなる程度の相手。だから今回は、メグミ君の研修も兼ねて教えながらいくよ」


「はい。ありがとうございます!」



 もしスティーブが見ていたら、自分も後学のために混ざりたいと言いそうだが、こればかりは1年先輩の特権!


 それなりに難しい動きもしているから、僕とサーシャの配下レベルじゃないと足手まといになっちゃうし、お泊まりミッションで満足してくれ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 只の転売ヤーではなく、その転売先と流通経路も把握していたのかな? 仮に<反勇者同盟>以外に流れたとしても、<農民>や<小鬼>から出た事がバレない様に予防はしているのだろうか? <恵天>…
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