表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

435/935

435話 常識の違い


〜モンティートside〜




 僕がいじけて不貞寝している間に、サーシャちゃんが魔王掲示板でもうひと暴れしてくれたらしく、起きたら掲示板がスーッと鎮まっていた。


 ちなみに布団に潜りこんだ僕に対して、メグミ君が放った言葉は、「ちゃんと歯を磨かないと虫歯になっちゃいますよ!」という……オカンのそれである。



「それとなく僕にすり寄っている連中は、メグミ君達の後釜狙いかな? まぁ爺婆と仲良くして、僕等の死後全てを奪うのは楽だもんね」


 僕は勇者排除派を潰すまで、魔王掲示板で発言する気がないから、もちろん彼等のコメントもスルーするけど……



 メグミ君を下げて僕の擁護をすることで、ゴマを擦るやり方はよくないと思うよ?


 この掲示板は、メグミ君&サーシャちゃんの目にもとまっている訳で……リスク少なくリターンを得たいなら、もう少し頭を使って発言した方がいい。



「フハハハッ! だっダメ……ウケる…………笑い死にそう…………」


 まぁ貶められた当人であるメグミ君は、愛する彼女のウザ発言にゲラゲラ笑っており、野次馬のことなんて意識すらしていないようだから……


 サーシャちゃんが記した「敵対予定魔王ノート」を見るまで、彼等の存在に気付くこともなさそうだけど。






 ケラケラと笑い転げてしまったメグミ君の脇腹をつつき、昨日冷たくあしらわれた報復をしていると、スティーブ君が朝食持参で戻ってきた。


 <恵のダンジョン>でゆっくり休めたのか、油を跳ねさせた後よりは随分と表情がやわらかくなり、働く気満々といった感じである。



「本日のご朝食は、サーシャ先輩が作ってくださいましたので、私は給仕だけさせていただきます。ところで、お二人は何をなさっているのですか?」


「「…………。(朝から意味もなくダラけていました。なんて、後輩の彼には言えないよなぁ)」」



「…………? お忙しいところ申し訳ないのですが、魚料理ですので風味が落ちないうちにお召し上がりください」


「「はい。今行きます。(全然忙しくないけど、忙しいフリをしないと"ダメな大人"と思われちゃう! どうにか取り繕わなければ!!)」」



 メグミ君はさっきので腹筋崩壊してしまったようで、お腹をピクピクさせながらフリーズしているけど、僕は気にせず食堂へ行かせてもらう。


 メグミ君とスティーブ君は期が離れていないから、おバカをやっても笑い話で済むけど、1期の僕が同じことをやると「本気でイタい爺」になっちゃうもん!






 一人部屋でうずくまり腹筋を痙攣させ続けると思われたメグミ君も、土龍におぶさるカタチで無理やり食堂まで付いてきたので……


 僕等はそのままサーシャちゃんの手作りご飯をいただき、食後のティータイムへ突入。



 食堂到着までに回復魔法で腹筋を癒したメグミ君も、ダメージ後の気持ち悪さをこらえて、根性で朝食を食べ切ったので……


 スティーブ君には、「朝から掲示板を見たり腹を突かれてゲラっていたダメな先輩」と、認識されずに済んだ……と思う。



「じゃあスティーブ君は、今夜から<農民>同盟のダンジョンを巡ってね。こことウチを繋ぐ転移陣は、今から君が希望する場所に置くから」


「ご配慮に感謝いたします! ちなみに……その転移陣って、何でもアリなんですか?」


「ん? 同盟用の転移陣よりは適用範囲広めだけど、何でもアリって訳じゃないよ。普通に制限あるし、コスパも段違いに悪いもん」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜血盟の転移陣〜


儀式にて一定量の血を捧げた魔王およびその配下が、互いのダンジョンを行き来するのに使える転移陣。


設置は自由だが剥がすときも同量の血を捧げなければならず、全員分の血を供与しない限り完全解除できない。


また転移の際は、ダンジョン間の距離に応じてエネルギーが必要となり、魔王のHPまたはダンジョンポイントから自動で徴収される。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 同盟用の転移陣なら血とか捧げなくてもいいし、解除も楽なんだけど……コレは入手難度が高いうえ、利便性も同盟用には劣るんだよ。


 とはいえ同盟を組んでいない仲良し魔王とも、互いのダンジョンを行き来できるようになるので、使うと戦略の幅がグッと広がるんだけどね。



「ちなみに、一定量の血ってどれくらいですか?」


「ん? そこの大樽一つ分くらいかな? かなり多いから、増血剤を飲みながら根性で瀉血してくれ」


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!?」



 スティーブ君は驚きで固まっちゃったけど、儀式の供物で血を捧げるなら、あれくらいの量は標準的だよ?


 メグミ君も眉一つ動かしていないし、男の子なら気合いと根性で乗り切れるって♪

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
農民同盟が今の状態でそれだけの血を抜けば命に関わるから若い時や元気な時に自身の血をストックしていたのかな?序列上位の魔王の血なら結界や転移陣以外にも捧げ物としての適性も高いだろうし
[一言] 大樽‥何十リットル?マサルは、チートだなあ‥ たまったダイションポイントをここで消費するのか? 他の皆さんとは、メグミは顔合わせしないのかな
[気になる点] メグミは勇者の聖血と作る時になれたのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ