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43話 はい上がった者・転げ落ちた者




 二人でラーメンと”お惣菜”を食べ、軽く世間話をしたあと、サーシャはダンジョンの改造作業に戻っていった。


 コミュ障なせいで、主張を変に解釈されないか不安だったけど……嫌がられた感じはなかったのでホッとしたよ。



 「ちなみに、メグミ君さえよければ”身体払い”という案も……」と、冗談を言われた時は、慣れないことすぎて反応に困ったけどね。


 男がドキッとするような下ネタを、いやらしくない感じで放り込めるあたり……彼女は僕と違って、コミュ力の高い”魔性の女”だと思う。



「はやく1000万ポイント分貯めて、彼女のダンジョンを見てみたいなぁ〜。それに、二人きりで話してみたい」


 そのためにも、今はムダ遣いしないよう頑張るぞ!



ダンジョン名:恵のダンジョン

属性:土

順位:19/22(279/288)

保有ポイント:16298

地脈ポイント:147ポイント/日

階層:27


〜1日あたりの収入〜

現金:40万ロル以上(大改造から間もないためデータ不足)

ポイント:約5万(内アリの飼育4万)


〜保有資産額〜

現金:291万ロル

ポイント:16298



「オアシスフロアの住民による野菜販売が、どれくらいの利益になるか分からないから、現金収入の計算はできないけど……」


 維持費がかさむモンスターは配置していないので、少なく見積もっても、毎日45万ポイント分の収入はあるはずだ。



「手持ちの資産は、300万ポイント弱だから……」


 大きなトラブルに見舞われることなく、節約モードで運営すれば、2週間ほどで<転移陣>を購入できるだろう。






「各フロアの状況も悪くない。まだ実戦で試していないから、穴がある可能性も否定はできないけど……僕にとっては理想のダンジョンだ」


 今は、公私ともに順調そのもの!



 以前とは違う充実した日々に、気分が高揚してしまうけど……一旦落ちるとはい上がれないのは、経験から分かっている。


 虎視眈々とルーキーを狙う先輩方や、魔王を滅ぼそうと動く組織が存在する以上、皇太子の”二の舞”にならぬよう気をつけないとな。



第286位:皇帝のダンジョン

属性:火

魔王:ロミオット(78期)

保有ポイント:548


第287位:王佐のダンジョン

属性:風

魔王:ホムビッツ(78期)

保有ポイント:310


第288位:賢臣のダンジョン

属性:土

魔王:ナステック(78期)

保有ポイント:12



 先輩魔王に粘着されるほど、シメられたときの態度が悪かったのか……


 他のルーキーが解放(というより搾取後放置)された後も、”元イジメっ子3人組”のポイントは地をはっている。



 掲示板にも数日おきに、”言わされてる”としか思えない謝罪コメントが、長々と書き込まれているし……


 どういう状況になっているのか、さすがに気になるよ。



「考えられるのは、先輩にダンジョン丸ごと乗っ取られ、資産全取りされ続けているパターンだけど……」


 ここまで無様に転げ落ちた彼らの心境は、今どんな感じなのかな?




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜ロミオットside〜




「グスッ……アァ…………。くそぅ……なぜこんな事になったのだろう? 俺はトップに立つべき男なのに……」


 今日も古の魔王どころか……その部下であるモンスターに、痛めつけられた俺は……


 粗末なベッドと棚しか置かれていない、コアルームで一人、冒険者が遺した固形食をかじっていた。



 “ハイドン”という男にダンジョンを攻略された俺は、奴らが出て行ったあと手持ちの衣服を売り、「ダンジョン立て直し」と「生活費の確保」をはかったが……


 倒した冒険者の装備を剥ぎ取り、なんとか暮らしていける状態まで戻したとき、無情にも再度奴らは現れ、本当の意味で全てを奪い取ったのだ。



「おぇっ、パンが不味い。やわらかい白パンと、肉汁したたるステーキが食べたい」


 ついこの間までは、俺専用の生活スペースだった場所も……今じゃ奴の部下が暮らす、地獄の空間に……。


 少し不満をこぼしただけでも、どこからか聞きつけ折檻しにやってくるから、落ち着いて眠ることすらままならないよ。



「グスッ……。見ていろよ……俺は落ちたまま地べたを這い回る、ホムビッツ達とは違う。大丈夫だ、これは天が与えた試練。今にきっと巻き返して……」


「ふ〜ん、どうやって巻き返すンダ? 反省が足らなかったみたいダナ」


「えっ?」



 なぜハイドン直属のネームドモンスターである、ケンタウロスが後ろにいる?


 奴は日課のように俺を痛めつけ、「汚れたからシャワーを浴びる」と言って、自室へ戻ったはずなのに……



「とりあえずメシ没収。棒だとHPが0になりそうだから、まずは鞭からダ。躾が甘いとボスに叱られるし、死なないギリギリを攻めないトネ」


 い、嫌だ……また……誰か、助けてく……れ…………。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 「ちなみに、メグミ君さえよければ”身体払い”という案も……」 「うん、そのときはよろしくね!(買い物代行とか)」 とか切り返してもよかったかな。 まだ先輩魔王の件が一段落してないので時期尚早…
[一言] 本当の意味で全てを奪い取ったのだ。 前の童貞アリス先輩が貰い 後の童貞ルクス様が貰い
[一言]  人格改善されるまでやる気なのか、都合のいい『鉱山(もしくは牧場)』扱いとして永遠に搾取するつもりなのか…まあ、粘着魔王もABCもロクな終わり方しなさそうですな。  主人公とサーシャはこの…
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