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426話 トキナの叫び




「土壌汚染なんて面倒なもの、トキナにどうにかできる訳がないじゃん? だから当然アイツは、カバー範囲の広いロルカナを頼るよね」


「あ〜。あのアバズレの真骨頂みたいなギフトには、含まれていそうっスね」



 ロルカナは股を開いて相手の能力をコピーできる、下品極まりないギフトの持ち主なので、カバー範囲だってメチャクチャ広い。


 アイツの尻軽っぷりは、拷問した80期から聞いたチョメチョメ報告で確認済みだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜ハニー・カード〜


蜜月の交わりをもった魔王のギフトを10日間トレースする、特殊なカードを作れる能力。

1回の交わりにつき1枚しか作れないため、カードを量産するには下半身を酷使せざるをえない。

また自らを慰めたときに自然と生まれる<ドンマイポイント>を貯めると、コピーカード等、汎用性が高い低ランクカードを作ることができる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「そうしたら一時的にでもロルカナの目がソッチに移って、僕等への監視が弱まるじゃん? そのタイミングで、家を出て<水城のダンジョン>に来たわけ」


「なるほど! モンティート先輩は有名人だから、他の魔王も監視しているかもですが……勇者排除派でソレを担当しているのは、ロルカナでしょうからね」






 アイツ自身は、ベテランの割に出世しきれない魔王でしかないけど、カバー範囲がとにかく広く、後方支援との相性が抜群にいい。


 なので勇者排除派の追尾を撒こうと思ったら、ロルカナ対策は必須だ。



「眷属達が母親化したせいで、僕は家を出てからココに着くまで、ずっと運び鳥の中にある異空間で静養生活を強いられたから、目視じゃ追えないけど」


 嬉しさ半分・不満半分といった様子で、部屋の隅で寝そべっている土龍さん達の愚痴をこぼす先輩は、口調だけなら子供っぽいけど……


 実際に目逸らしをくらったトキナと、巻き込まれたロルカナは、ストレスで脳の血管が切れそうなほどイラついたんじゃないかな?



 当然モンティート先輩は、ただトキナ達を牽制するだけでなく、土壌汚染をどう処理するか、気付かれぬよう配下を送って確認しているだろうし……


 大金を費やして養殖した80期の完敗に続いて、勇者排除派にとっては面白くない……僕にとっては、コレをおかずにご飯何杯もいける状況になりそうだ。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜トキナside〜




「あぁ〜、ムカつく! せっかく金をかけて作った俺のダンジョンを、ゾンビの腐液まみれにしたクソ野郎は誰だよ!!」


 俺が治める<裏金のダンジョン>は、金さえ積めばほとんどの階層をフリーパスで通れるという、良くも悪くも世俗的な水属性ダンジョンだ。



 別に俺が守銭奴すぎて、自らの命を差し出してでも金を欲している訳じゃなく……


 俺が元々持っていたギフトと相性がいいダンジョンにしたら、こうなった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜成金の勢い〜


手持ちの資産が多いほど、自分および自己の所有物にバフがかかる。


ただし第三者の目から見て誰のものか分からない物を、「自分の所有物だ」と主張しても、ギフトには反映されない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 わざわざリスクを冒して都市の比較的近くにダンジョンを創り、世界各地に闇金を張り巡らせたのも、このギフトによる恩恵を受けるため。


 実際、俺の金回りが良かったときは、配下のモンスターもバフで強化されてTUEEEしていたし、ダンジョンの内装も豪華になってウハウハだった。



 だが冒険者が金貨を払ってでも宿泊する、ダンジョン内の高級ホテルも、ゾンビのせいで水源が腐ってしまって台無しに。


 なんとかポイント課金で復旧したが、まだ腐臭が残っており、利用者が「2度と泊まるか!」と憤慨している有様だ。






「まぁそういう奴は、ダンジョンを出るまえに確実に始末するから、ウチの宿泊施設の評判が落ちることはないんだけど」


 とはいえ……ゾンビが腐液を撒き散らした地上部は、土を総入れ替えさせても、いまだ腐って瘴気を放ったままだし……


 <金>ならともかく、<瘴気>と<水>の相性はクソ悪いから、至急対応しないとダンジョン運営の根幹が揺らいでしまうよ。



「気乗りしないけど仕方ない。俺は浄化なんてできないから、ロルカナ先輩に頼んでその手のカードを売ってもらおう」


 そういえば……ロルカナ先輩が、80期に攻略させている<水城のダンジョン>を、周辺環境ぶっ壊しで詰めた、と聞いたけど……


 もしかして、今回俺が食らったゾンビ攻めはそれの報復か?



「犯人をあぶり出して、ヤスリで体中の肉を削いでやりたいのに、全然証拠が残っていなくて尻尾が掴めねぇんだよなぁ〜。あぁ〜、ムカつく!!」


 なぜ俺ばっかりこんな目に?


 ロルカナ先輩・ガルガロク先輩も、ちょっとは"厄災"を引き受けてくださいよ!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 豪運アイテム買った方がいいくらいの、不運っぷりだね
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