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424話 魔王以外の才能


〜メグミside〜




 一時は生活必需品以外全てを売り払うほど、ポイント状況がカツカツになったこともある<水城のダンジョン>で……


 どうやってモンティート先輩を出迎えるのだろう?



 と思っていたら、スティーブ君がウチの<セレクト自販機>で建築資材を買って……


 自分達で内装を整え、ポイントを節約しつつ出迎え体制を整えたことが分かった。



 たしかに、豪華なオブジェクトを置いたり凝った内装を用意する場合、ダンジョンマスターの機能頼りだと、ポイント効率が悪くなる。


 ゆえにDIYで済むところは自分たちの力でおこない、無理なところだけダンマス権限を使ったうえで……


 最終的に全体を「ダンジョンの支配エリア」として登録する方が、出費を抑えて効率的に作業を進められるのだ。



「(とはいえ、それは"DIYができる人に限って"だけど。僕も庶民だったから、包丁研ぎやイスの修理くらいはできるけどさぁ〜)」


 普通の人間はそれくらいが限界なので、スティーブの器用さには驚かされるよ。






「(というかアイツ、能力を使って風呂にも細工を施していたみたいだし)」


 風呂と<水>は相性がいいため、噴水やジャグジーなんかをギフトで生み出して、施行費用をケチったらしいが……



 モンティート先輩が使う前にパッと見せてもらった感じ、どう考えても「匠の作品」にしか見えなかった。


 スティーブは、"強さ"という物差しで測ると微妙な奴だけど……コッチ方面で才能を活かせば、猛者御用達職人として楽しい魔王生活をおくれる気がする。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜水の職人(C)〜


HPを半分捧げる代わりに、1日1つ水属性のアイテムを生み出すことができる能力。

アイテムのレア度はギフトランクによって変わり、ギフトランクは能力者の職業ランクと相関する。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「(それに、料理の腕もピカイチだしな。こんなにサクサクした天ぷらとか、初めて食べたわ)」


 以前マサルが教えてくれた情報によると、僕の<自販機作成ギフト>の元になっている、勇者が元いた世界では……


 一定以上の金持ちだと、今スティーブがやっているように職人に目の前で天ぷらを揚げてもらい、熱々サクサクの状態で食べるらしい。



 もちろん味も最高であり、<セレクト自販機>で買ったスーパーの魚や野菜が、高級料理に化けた気がする。


「(モンティート先輩はともかく、庶民代表の僕は味覚も庶民レベルだから、高級料理かどうかなんて雰囲気でしか分からないんだけどね)」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜スティーブside〜




 素人感が拭えないものの、料理人のレシピ本を読みながら丁寧に下ごしらえをして、モンティート先輩とメグミ先輩に給仕していると……


 エビの天ぷらを食べていたモンティート先輩が、突然驚きの提案をしてくださった。



「スティーブ君さぁ。ちょうど今、期間限定ミッションをやっているところだし、僕のダンジョンに来てお料理教室を開いてよ」


「えっ!!!?」



「ふふふっ。メグミ君はランキングを下げられないから無理だけど、スティーブ君ならちょっとポイントを使えば、"200位以下"の条件を満たせるでしょ?」


「それは、まぁそうですが……」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜期間限定ミッション〜


スタンピードを起こして街を滅ぼそう:成果に応じて報酬アリ

【80期限定】先輩魔王とバトルしよう:勝ったら豪華賞品プレゼント

ルーキーの居場所を突き止めよう:正解者にはアイテムプレゼント

配下を奪い合おう:不参加者にはペナルティーあり

成長率を競い合おう:勝者にレアモンスタープレゼント

【70〜80期限定】直接合って握手を交わそう:成果に応じて報酬アリ

【魔王ランキング200位以下限定】上位魔王のダンジョンに泊まろう:成果に応じて報酬アリ


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 こんな雑魚魔王の僕が、序列1位のモンティート先輩のダンジョンにお邪魔してもいいんですか?


 留守にしている間にダンジョンを乗っ取られる系の心配は、やる気ならすでに乗っ取られているので、一切していないけど……


 申し訳なさと緊張で、冷や汗が止まらないんですけど!



「それいいね〜。先輩のところが終わったら、ウチのダンジョンにも一泊していきなよ。さすがにコアルームには通せないけど、客間は用意できるからさ」


「(マジっすか!?) ありがとうございますデス」



 サクサクと音を立てながら、紫蘇の天ぷらをパクついているメグミ先輩も、天気の話でもするようなテンションで、モンティート先輩に乗っかってくれた。


 いや、本当にメチャクチャありがたいんですけどね……!


 僕みたいな雑魚魔王が、結果を残している御二人を利用して、寄生虫みたいに楽にミッション達成しちゃっていいんですか?

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 邪神はむしろ何考えてこんなミッション用意したのか…… 普通に仲良くなる(もしくはなったふりして寝首を掻く算段をする)以外に上位魔王が下位魔王を自身のダンジョンに監禁してアイテムを強奪する、位…
[一言] まぁ、彼の執事力を考えればそういう提案が出てもおかしくないか……
[気になる点] 報酬が気になる 1位とって、有料メッセージと、予備のダイションコア確保?
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