419話 ギフト食べ放題
<セレクト自販機>で仕入れた防護服で、ガチガチに身を固めた僕は、執事君に言われるがまま鼻栓までして現場入り。
ニオイが完全にシャットアウトされているから分からないが、80期連中は足だけでなく、脇の下や爪も水虫みたいになっていたし……
当たり前のように色々漏らしていたので、心底「ガードしてきて良かった」と思った。
「メグミ様。こちらが、コイツ等に自白させた"ダンジョンの所在地"一覧表になります。ロルカナの所在地もありましたが、どうなさいますか?」
「う〜ん。ロルカナの方は、モンティート先輩に確認をとってからにしよう。新米連中のはすぐ密告するから、サーシャとスティーブにも資料を渡してあげて」
「かしこまりました」
ダンジョンの所在地を密告すればするほど、<ルーキーの居場所を突き止めよう>ミッション報酬の「スキルスクロール」がもらえて美味しいのだが……
ひねくれた性格のロルカナ婆は、所在地にも細工をしている可能性がありそうなので、念のため先輩に確認をとっておく。
あと要らないと思うけど、一応<農民>同盟の先輩方へも80期連中のダンジョン所在地を回して、ミッション達成用の餌を提供したので……
価値を完全に失い、搾取可能な旨味すらなくなったコイツ等は、早々に殺してしまったほうがいい。
あぁ、ちなみに……コイツ等からも、ミズチやガロンを拷問したときと同じように、「<農民>同盟がサーシャを殺そうとしている」という情報が出て……
しかもマジで信じており、サーシャを"アバズレ"呼ばわりしたから、怒った拷問担当のオートマタが、「<ピー>をヤスリで削る刑」を執行したそうだ。
いくら80期が根性ナシでも、スペック的には優れているのになぜ死にかけたか疑問だったけど、<ピー>が削ぎ落ちるまでヤスリがけされたからなのね。
どうりで僕の姿を見ても敵対心など1ミリも出さず、「頼むからもう殺してくれ」と懇願してくるわけだ。
コチラとしては楽でいいけど、ばっちいモノを触っちゃったオートマタには、全身の消毒を徹底するよう命じないと!
もし残渣がこびり付いたまま、気付かず働いて其処彼処にばら撒いちゃったら、気持ち悪くて眠れなくなっちゃうもの。
<−−− スパン! スパン! スパン! −−−>
「よしっ、全員始末完了! 雑魚い能力もあったけど、"ギフト・食べ放題"できるのは気分がいいね〜♪」
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〜ゼリー化〜
液体および固体を、ゼリー状にする事ができる能力。
ゼリーの固さは、「すぐ崩れる〜人が乗っても崩れない」まで任意で選べるが、素材と質感が離れるほど、対価として消費するマナの量も増える。
またゼリー化しても元の素材の特性は残るので、汚水をゼリー化したところで食用に適さないのは変わらないし、刃物ゼリーに不用意に触れるとケガをする。
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〜ブラッド・バフ〜
血を捧げることで、対象のスキルやギフト……果ては自然現象にも、バフをかけることができる能力。
バフの強さは、捧げた血の格およびバフをかける対象の状態・相性によって決まるため、猛者の血を使うほど効果もハッキリと表れる。
ただし己の血は使えないため、儀式を執りおこなう際は、必ず"他者の血"を準備しておかねばならない。
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〜巨人化〜
マナを支払う事によって、自分の身体のサイズを変えられる。
それに伴って筋肉量や食事量も変わるが、骨の強度だけは変わらない。
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やはり目立っていた2人のギフトが頭抜けているけど、他のやつも(大食いしたいとき等)使えたり、時と場合によっては煌めくかもしれない。
なぜコイツ等が、自分の人生を左右するかもしれない局面でこんなギフトを選んだのか……
そして意外とロルカナが悪食で、糞ギフトであろうと1回は味見している……という事実には驚いたけど。
「マスター。スティーブ様から連絡が入りました。モンティート様が、<水城のダンジョン>にお越しになられたとのことです」
「分かった。僕もギフトは得られたし、<水城のダンジョン>に戻るよ。悪いんだけど片付けヨロシク」
でも……魔王共が臭すぎたせいで、消臭してもニオイが残っちゃいそうだし、一度風呂に入った方がいいかもしれない。
これだけ防御しても貫通してくるとか、ある意味コイツ等最大の嫌がらせだったりして。
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






