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418話 弱者の生存戦略


〜スティーブside〜




 メグミ先輩だけが成果を持っていく形になってしまい、先輩はものすごく気まずそうだが、僕としてはこれで良かったと思っている。


 今回スカウトをかけたモンスター達は、クソみたいな主人に従いながらも<カビフロア>まで生き残った猛者ばかりであり、維持コストが高くつく。



 それに正直言って、彼等がウチのモンスター達と同僚になると、実力で序列が決まるモンスターの世界では、彼等の方が"上"になってしまい……


 一方的に攻められて、仲間にも犠牲が出たのに許して迎え入れたら、なぜかソイツ等の方が出世して自分達が命令される側になる。


 という、珍事が起こってしまうのだ。



 もちろん僕が年功序列の方針を打ち出し、スカウト組を一番下に置くこともできるけど、それはそれで差別云々言われる原因になるからね〜。


 仕方ない状況とはいえ彼等は一度主人を裏切ったわけだし、不満を溜めこませると、再度裏切ると考えておいた方がいいから……


 彼等が自分の意思で<恵のダンジョン>に一点集中するなら、そういうモンスターの扱いも上手いメグミ先輩に、一任する方がいいと思ったんだよ。



 もちろん廃品処理みたいに、名指ししていないモンスターまで先輩に押し付ける気はないので、物事を判断する知能がない子達はコチラで受け入れる。


 先輩達ほどではないにしろ、<水城のダンジョン>も大きく成長して、モンスター不足に喘いでいるから……


 適度な人員補強はメチャ助かるし、ミッションの参加報酬も豪華になるため、受け入れによるデメリットはほとんどない。






「メグミ様。思ったより80期魔王の体力がなく、基本的な拷問コースでも死にかける者が続出しており、いつ逝くか分からない状況です。お戻りを!」


「分かった。じゃあ、名指しでの移籍希望者は皆コッチで引き取るから」


「はい。お願いします!」



 焦った様子のオートマタから報告を受け、メグミ先輩はご自身のダンジョンへ引きあげていったけど……


 花のように繊細な貴族令嬢がいた訳でもないのに、基本的な拷問コースで死にかけるって、どういう事だろう?



 聞いたら悍ましい答えが返ってきて、恐怖でチビっちゃうかもしれないし、体験する気も一切ないので、後輩らしく全力スルーするが……


 怖いもの見たさでオバケ屋敷に入るときのような、ダークな感じがあって、<恵のダンジョン>で何が起きているのか妄想するだけで、ご飯3杯はいけるよ。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜メグミside〜




 僕的にはマジで気まずかったのだが、スティーブは意外と根にもっていないようで、あっさりと希望者の移籍を承認してくれた。


 一応サーシャにもメールしておき、秒で「全然OK♪」という返事をいただけたので、これでスカウト組のモンスターはほぼ<恵のダンジョン>所属となる。



 こんな事でスティーブと仲違いしたくはないので、僕としてはありがたい限りだが、予想と反応が違いすぎて驚いたよ。


 でもよく考えると、微妙なランクのモンスターしかいない<水城のダンジョン>で、強烈な環境を耐え切った猛者を大量受け入れしたら……


 モンスター間のパワーバランスが壊れて、対人関係由来のゴタゴタで組織が詰むかもしれない。



 それに移籍組が叛意をもっても、スティーブの所じゃ制御できないので、今回はモンスター達の希望どおり、<恵のダンジョン>一点集中で良かったかもね。



「それで執事君、軟弱な80期魔王は今どういう状態?」


「はい。販売用に、回復させながら10回ほど手首を切り取り、スナッフビデオで全身の皮をはぐ企画をやったのですが……」



「ふむふむ」


「情報を洗いざらい吐く前に、ダンジョン移動中に罹患した感染症で倒れて、皮ナシ生活とダブルで死にかけています」






「あ〜、なるほど。たしかにソレは、坊ちゃん育ちの80期には効いたかもね。一応僕がトドメを刺さなきゃだし、サクッと処理しておくよ」


「ありがとうございます!」



 <水城のダンジョン>へ遊びにくるモンティート先輩を、不潔な状態でもてなして、感染症に罹患させる訳にもいかないから……


 医療用のエプロンとマスク、あとゴム手袋・保護メガネも必須だ。



 ドラッグストアだけじゃ全種類は揃わなかったけど、工務店もあるのでそこはカバーできたし……


 清潔かつ素晴らしいクオリティーの商品が、破格の値段で買える<セレクト自販機>は、相変わらず便利だよ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜セレクト自販機(Sランク)〜

以下の店で扱っている物の中から好きな商品を100点選び、ソレ等をいつでも自販機のメニューに並べることができる。

データの書き換えやリセットは、前の商品選択から1日以上経っていないと行えない。


・雑貨屋

・ドラッグストア

・工務店

・スーパー

・武器屋


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読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
基本的な拷問コース…?これがマニュアル化されてる恐ろしさ。健康的な人間でも死にかけるぜ…
[良い点] スティーブが想像でご飯三杯いけるぐらい逞しくなってるw 後輩くん頑張って!
[一言] 今更かも知れないが、メグミの価値観が自然とクソヤバいレベルになってて、思わず笑ってしまった。 主人公が魔王なら、最低限これくらい当たり前であってほしくなってしまうね。
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