414話 魔王ドサドサ回収
ここまでカタに嵌めてしまえば後は簡単……という事で、爆睡中の80期連中をサクッと落とし穴にドボンして、抵抗できない状態で回収。
期間限定ミッション<直接会って握手を交わそう>のために、手首だけ切り取り、スティーブと僕のミッションカウントを増やした。
今回ゲットした手首は、不衛生な環境に長時間さらされた結果、爪水虫を発症したうえ、皮膚炎にまみれた半汚物だったけど……
<セレクト自販機>で買った消毒液で入念に消毒し、水虫に感染した爪も剥いだから、たぶん僕等に感染ることはないと思う。
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〜セレクト自販機(Sランク)〜
以下の店で扱っている物の中から好きな商品を100点選び、ソレ等をいつでも自販機のメニューに並べることができる。
データの書き換えやリセットは、前の商品選択から1日以上経っていないと行えない。
・雑貨屋
・ドラッグストア
・工務店
・スーパー
・武器屋
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というか今更だけど……このミッションの怖いところが、「直接会って〜」の解釈が広過ぎる点であり、"手首と"だけでも「直接」カウントされる点。
僕はそれを悪用して、モンティート先輩達にミズチとガロンの手首を回したし、サーシャもミッション達成したんだけど……
普通に考えて、「本体」ではなく「手首」だけ……それも既に殺された奴の手首で対面カウントされるのは、なかなかアレだと思う。
「(その事を知った、ミッションを成し遂げる力のない下位魔王達が、魔王掲示板で"手首の交換"に励んでいたしね)」
自分の手首を切り落として、同じレベル帯の相手と交換し、ポーションで欠損を回復させたうえで、ミッションカウントを増やす算段らしいが……
この世界には「肉体の一部を媒介に呪いをかける能力者」もいるのに、そういうのに利用されるリスクは考えないのかな?
まぁ切羽詰まった状況だから、ぶら下げられた報酬に目がくらんで、長期的な視点が持てなくなっているだけかもしれないけど。
「フゥ〜。そういう連中の事はどうでもいいや。モンティート先輩のミッションカウントも増やしてあげたいから、もう少し"手首"を消毒しておこう」
<農民>同盟の先輩方は皆高齢ゆえ、免疫力が落ちていて僕等が平気なレベルでも感染っちゃうかもしれないし、超強力な消毒液にブチ込むべきだ。
そして、ここからが本番。
両手を切り取られ、足もバキボキに折られて動けなくなった、80期魔王共は尋問コースに回したのでいいとして……
ミッション達成のために、奴等の配下モンスターをスカウトして、コチラの勢力にする必要がある。
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〜配下を奪い合おう〜
魔王は、「己の欲望のために力を振るう恐怖の存在」でなければならない。
しかし中には、馴れ合いを良しとして争いを忌み嫌う臆病者もおる。
そこで魔王にとって手足のように大事な、配下の奪い合いをイベント化する事にした。
誰からもモンスターを奪い取れなかった弱者や、平和主義という名目で魔王の仕事をサボった輩には、今流行りの<地獄ルーレット>を回してもらう。
ダンジョンコアに軽くヒビを入れられたり、エースモンスターが極端に弱体化したり、魔王自身がしばらく五感を失ったり……敗者にはお似合いの末路だ。
さて其方は、モンスターを奪い取ってダンジョンを繁栄させるか、チキってダンジョン共々没落するか、どちらを望む?
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すでにガロンの配下をスカウトして、スティーブ・サーシャと3等分したため、ペナルティーをくらう状況は脱したけど……
<火・水・土・風>全ての属性が揃っており、ロルカナが金をかけて養殖した甲斐あって、高ランクモンスターも混ざっているから、なかなか美味しいんだよ。
スカウトで配下が増えたら、それだけ維持費もかさんでしまうが、ミッションの報酬増加を考えると、短期的にはプラスだし……
この先どう考えても勇者排除派との戦いは避けられず、その過程で殉職者が出て自然と配下数も減るから、一時的に過剰採用してもリスクはほぼない。
非情な話だけど、死者ゼロで戦いを切り抜けられるほどベテラン魔王は甘くないし、最初から犠牲を織りこむのも時には必要だ。
ウチは可能な限りモンスターを大切にする方針だから、他所から裏切り加入した子でも、使い潰す前提で作戦を組み立てたりはしないけどね。
「スティーブ君。狼狽えているモンスター達にアナウンスが届くよう、スピーカーを調節してくれる?」
「かしこまりました!」
読んでくださり、ありがとうございます!
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






