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412話 序列1位は空路にて


〜モンティートside〜




 運び鳥の中にある異空間で、日課の柔軟体操をしていたら、メグミ君から頼もしいメールが届いた。


「いいなぁ、若い子って。ふふっ。こうやってどんどん成長して、いつか僕等を越えるんだよ」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


モンティート先輩へ



<水城のダンジョン>内で動いていた80期は、汚水とカビ攻撃の連続に疲弊して、場所も考えず熟睡しちゃいました。


坊ちゃん育ちが過ぎるというか……手駒のモンスターを削られている状況で、よくグースカ寝られるなぁと、ある意味感心します(^_^;)


奴等がテントを張って休んでいる<カビフロア>には、さり気なく催眠作用のある胞子系植物も植えられているので、たぶんソレにやられたのかと。


コチラとしても、敵の心理状態とか考えつつダンジョンのフロア構造を組み立て、スティーブ君にアドバイスしたんですけど……


こうもアッサリ嵌まってしまうと、逆に心配になりますよ。


とはいえ、これで今日中に害虫全消しできると思うんで、先輩がいらっしゃる頃には、綺麗な状態でお出迎えできるかと。


あっ……でも基本「カビと汚水のパラダイス」ですので、<恵のダンジョン>に来た土龍さんみたいに、ダンジョン内で遊ばないでくださいね!


身体に悪いし、もし先輩に何かあったら土龍さん達にも申し訳ないので。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「え〜残念。<水城のダンジョン>へ着いたら、スティーブ君とメグミ君の作品を、半日くらいかけて、この目でじっくりと堪能したかったのに〜」


「主様。もしそんな事をなさった日には、儂が主様を小脇に抱えて強制送還させますぞ。儂は丈夫じゃからいいですが、主様はダメじゃ!」



「むぅっ。僕だって土精霊のハーフだから、そこら辺"強強"だよ。たぶんカビのベッドに直寝しても、"フカフカして気持ち良かった"で済むし」


「"たぶん"であって"100%"じゃないでしょう? ならダメです。主様の命だけは換えがきかぬのじゃから、無駄なリスクを負ってはなりませぬ」






 それなら土龍も、少しはベテランモンスターらしく自制心のある行動をしようよ……とは思うが、これ以上の口答えは本気でヤバそうなので止める。


 またご飯が100%グリーンピースになるのは勘弁だし、土龍の平均寿命を考えたら、この子はまだまだ"若い個体"なのだ。



「しかし……"遊びに行く"とは言ったけど、僕はお忍び旅行を考えていたんだけどなぁ〜。ちょっとガードが堅すぎない?」


「ゴホン! 仲良くしているとはいえ他所のダンジョンへ行くのに、"お忍び"なんていう概念を持ち出すなんて。ハァ〜。我が主人は世話が焼ける」



 ねぇちょっと土龍、今のため息"ガチのやつ"だったよね?


 歳のせいか最近出不精になっていたところに、ちょうど良い機会がきて、久しぶりの遠出なんだから、ちょっとは主人を労わろうよ〜!



「ふむ。<水城のダンジョン>に着いたら、メグミ殿に頼んで大量のグリーンピースを仕入れなければなりませんな。もちろん滞在中の食事は"オール緑"で」


「ゲェッ!? 僕は土精霊の特性で、葉野菜より根菜の方が好きなんだけど!? というか"オール緑"は、逆に身体に悪過ぎるでしょう!」



 土龍はいい子なのだが、どうしてこう姑感があるのか。


 まだ若いというのに、どうもオカン風味というか……呆れながら、僕の面倒を見ている節がある。






『マスター。風向きも味方してくれたので、このまま順調にいけば、あと半日程で<水城のダンジョン>に着きます。メグミ様に一報入れておいてください』


『ふむ、そうか……。順調なところ悪いんだけど、もう少しゆっくり飛んでくれないか? メグミ君が仕事を仕上げた後、着きたいんだ』



『なるほど。かしこまりました! ではこのスピードでしばらく進んだあと、メグミ様から完了報告が来るまで、上空でクルクル回って時間を潰しましょう』


『うん。それでヨロシク!』



 80期を締めあげている最中にお邪魔すると、メグミ君・スティーブ君共にマルチタスクになって困っちゃうだろうし……


 メグミ君にも、メンツってものがあるからね。



 スケジュール的に"間に合う"と思い、スティーブ君にそういう流れで動くと説明していたら、僕の前のりで予定を崩され恥をかくかもしれない。


 彼はそういうのを気にする子じゃないけど、それによってスティーブ君も慌てるかもしれないし、ちゃんと定刻通り行くのが吉だ。



「主様、本日のオヤツを用意しました。グリーンピースのパフェでございます」


「いや、これ……ただグラスに、茹でたグリーンピースを詰めただけだよね? そして上にかかっているクリームも、いつぞやのスープの残骸……」


「アイテムボックスで保管していたので、鮮度はバッチリですよ」



 新鮮なほど香りも芳醇だから、そんな所にこだわられても困るんだよ!


 こうなったら"お爺モード"を出して、オヤツ拒否からの到着までお昼寝コースに入ろうかな。



 よし決めたっ、寝よう!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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