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403話 ロルカナが招いた悲劇(笑)




 サーシャが治める<集金箱のダンジョン>に乗り込まれたり、彼女の同席を強要されたら、正直辛いところだったが……


 モンティート先輩は空気を読んで、<水城のダンジョン>での顔合わせを持ちかけてくれた。



 <水城のダンジョン>は、僕が治める<恵のダンジョン>と転移陣で繋がっているものの……


 元々僕がスティーブを警戒していたこともあり、<集金箱のダンジョン>とは直接繋がっておらず、ウチのダンジョンを経由しないと行き来できない。



 また<水城のダンジョン>の転移陣はコアルームにあるが、<恵のダンジョン>の転移陣は別の階層に設置したため……


 もし何らかの手段で<水城のダンジョン>の転移陣を突破されても、サーシャが襲撃されるまでには、幾つかのクッションがはさまっている。



 そのため同席を避けられる状況ならば、サーシャの身の安全はほぼ保証されており、スティーブがポイント収入でウハウハになるだけ。


 代償として、彼は大物の"家庭訪問"に気疲れしちゃうかもしれないけど、僕等と付き合うということは、いずれ<農民>同盟の先輩方とも関わるということ。


 「思ったよりその時期が早くきただけ」と諦め、執事家出身の接待術を遺憾無く発揮してくれ。






「あちゃー。土龍さんから、モンティート先輩への愚痴を書き連ねた長文メールがきた。やっぱり眷属さん達、先輩に振り回されたのか」


「凄いね、3000文字以上ある。眷属にとって魔王は"替えがきかない存在"だから、先輩みたいにアクティブ全開だと慌てちゃうよね〜」



 ついでアスタリア先輩やナーティー先輩からも、「モンティート先輩がルートを作りしだい遊びに行く!」と連絡が届き……


 間をおかず彼等の眷属さん達から、「ウチの主様が元気すぎて困るんですが」という、主人を溺愛しつつも困り果てた様子の愚痴メールがポンポン届いた。



「くくくっ。モンティート先輩、土龍さんにキレられて、夕食の好物をグリーンピースに替えられたってさ。子供かよ!」


「うわぁ。"苦いよ〜( ; ; )"って顔文字付きのメール来たwww 可愛いお爺ちゃんだね」



「うん。こういう一幕を見せてもらえたって意味では、ロルカナの鬼畜っぷりにも感謝かな?」


「ふふっ。差し引き"大幅マイナス"だから、代償は命で支払ってもらわなきゃいけないけど……とりあえず、利息一回分の支払いくらいにはなったかも」



 とりあえずモンティート先輩には、「<水城のダンジョン>で好物を食べられるよう取り計らいます」と返信しておこう。


 給仕するのはスティーブなので、彼の気疲れは限界突破するかもしれないけど、殺される訳じゃないし問題ない。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜モンティートside〜




「あぁっ、メグミ君がここぞとばかりに飯テロを仕掛けてきた! ズルイ、ズルイぞ〜!!」


 僕の夕飯は、突飛な"お出かけ宣言"を聞いて怒った土龍のせいで、全部グリーンピースに替えられてしまったというのに……


 メグミ君から送られてきた写メには、メチャクチャ美味しそうな"刺身の舟盛り"やフカヒレスープが、サーシャちゃんとのお揃い食器付きで載っている。



「主様が"聞かん坊"だからですよ。ほれ、グリーンピースご飯・茹でグリーンピース・グリーンピースのスープ・グリーンピースプリン。召しあがれ」


「ひどい! 名称が違うだけで、グリーンピース率100%なのは同じじゃん! 2〜3個入っているだけなら、我慢して食べるけど……これは量多すぎ〜!!」



「アスタリア様の夕食も、ニンジンで赤色に染まったと伺いました。お揃いで宜しゅうございますな。さぁ、お食べなさい」


「むぅ〜〜〜〜〜!!!!」



 そりゃあ足腰の弱った爺が外へ出るのを、嫌がる気持ちも理解できるけど……この状況で彼等を呼びつける訳にはいかないんだから、仕方ないじゃん!


「ハァ〜。(見事なまでに全部緑だな)」


 嫌いだからって一食抜いても、明日の朝ご飯で「よりパワーアップしたグリーンピースメニュー」が登場するだけだし、今回は諦めて食うか。






「フォッ、フォッ、フォッ。良い食べっぷりで」


「選択肢がソレしかないからな。ところで土龍。勇者排除派の動きはどうだ? 何か目新しい情報は出たか?」


「闇へ潜る方は、調査結果が出るまでに暫くかかるかと。ただ、ロルカナの配下がやや不審な動きをしておりまして。追加で人員を入れ、探っております」



「了解。こういうのはスピード勝負だし、一般人の恨みを買わない範囲なら手段選ばずいけよ。金も人脈も好きに使っていいから」


「承知しております」



 ロルカナが追加で何か仕掛けているとなると……<水城のダンジョン>との移動ルートは、どういう形で作ろうかな?


 土龍的には、「彼が行って、同盟関係ナシでも使えるお高い転移陣を埋め込む案」を望むだろうが、信頼って面を考えると……



「マスター。考え事は結構ですが、グリーンピースのスープがカップの底に溜まっております。最後までキッチリお飲みください」


「うぅ〜〜、土龍の鬼〜〜〜〜〜!!!!」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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