394話 ハニトラの毒
〜ロルカナside〜
「チッ! 魔法屋のミズチは、敵の手に落ちたか。アスタリア婆の眷属が出張っているのが厄介ね。水属性のダンジョンと水龍の組み合わせとか、悪夢よ」
とはいえ一度牙をむいてしまった以上、メグミとサーシャの抹殺作戦を中止する訳にはいかない。
今さらビビって態度を軟化させたところで、一度本心を晒した以上アイツ等は警戒を緩めてくれないし、状況によっては逆襲される可能性すらあるからだ。
メグミは、ダンジョンの外に出ることがない"引きこもり"として有名だけど、学生時代は皆勤賞で登校していたし……
敵を甚振るサイコパス味だって健在だから、「ダンジョンの外に出ない」と決めつけて油断していると、いつ喉元に食いつかれるか分からないの。
「あとはミズチが持つ偽情報で、メグミがどれだけ踊らされてくれるかよね〜。筆下ろしついでに教えた話だから、ミズチ自身は信じ込んでいるはず」
メグミは敵魔王を捕らえたら、即刻首を刎ねるのではなく、拷問で情報を抜き取ってから……という悪癖を持っているので、利用させてもらうわよ。
アイツが騙されるように、80期魔王が持つ情報はいい具合に操作してあるし、全員"真実"だと信じているから、真偽鑑定系の能力でも見破れないはず。
まぁそうなる前に<水城のダンジョン>が落とされて、メグミとサーシャも没落してくれれば、それに越したことはないんだけど……
最悪のパターンでも「なされるがまま」にならないのは、長期戦を仕掛けるうえで重要だわ。
「マスター。<欲望のダンジョン><逆転のダンジョン><信念のダンジョン>および対応魔王の、"コピー"が出来上がりました」
「分かったわ。早速、確認に行きましょう」
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〜メグミside〜
ダンジョン内に入り込んだ敵は、当分<汚泥プール>で遊ぶハメになるだろうし、援軍も水浸しになったダンジョン周辺で立ち往生しそうなので……
僕は<水城のダンジョン>の管理を一旦オートマタに任せて、<恵のダンジョン>で魔王<ミズチ>とその配下から、情報を引き出すことにした。
もちろん事態が動いたり、80期ではなく勇者排除派のベテラン魔王が自ら攻めてきたら、すぐ<水城のダンジョン>に戻るつもりだけど……
奴等のダンジョンが手薄になったら、<農民>同盟が情報を回して、ハイエナ狙いの魔王が空き巣する予定になっているし、さすがに直接は来ないだろう。
「マスター。ミズチ配下のモンスター達は、<勇者の聖血>を塗られて発狂し、次々と暴露モードに入りました。今、得られた情報をまとめています」
「ありがとう。丸裸に出来次第、順次殺してポイント化していってくれ。今回は急ぎだから、多少取りこぼしがあってもいい」
「かしこまりました」
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〜勇者の聖血〜
5体の魔王をほふった規格外の勇者<メグミ>が、「神聖なる儀式」の場で採取した血に聖魔法をかけたもの。
邪神の僕しもべであるモンスターに、強い嫌悪感と苦痛を与える効果がある。
効果時間は相手の力量によって変わるが、成熟したSランクモンスターでも、丸一日は<異物感・嫌悪感・恐怖>等に苦しめられる。
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彼等の主人であるミズチ君も、ゴーレム達が「手」を30回生やしては切り取ったことで、正気を失ったらしいし……
あとは目の前で"焼肉"だけして、完全に心を折り情報を抜いたあと、スナッフビデオのモデルとして廃棄すればOK!
トドメだけは僕が直接刺さないと、勇者の恩恵を受けられないから、自殺されないように気を付ける必要があるけどね。
そして絶望感からメンヘラ化して、「時期が〜、環境が〜、待遇が〜」と一生懸命「外部要因のせいでこうなった」と言い訳を垂れているミズチ君を……
正論で叩きのめしたあと、付いていても意味のなさそうな舌を切り取り、目の前で「タン焼き〜」と言いながら炙って食わせたら、全面服従してくれた。
悍ましいことに、ロルカナは彼とも枕を共にしていたらしく……その影響で、ロルカナは彼のギフトを何度か使えるのだとか。
ネタの分からない<改造阻害>を80期に使われたときは、"知らないが故の恐怖"で少し背筋が冷えたけど、こういうクソみたいなギフト持ちがいたとはね。
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〜ハニー・カード〜
蜜月の交わりをもった魔王のギフトを10日間トレースする、特殊なカードを作れる能力。
1回の交わりにつき1枚しか作れないため、カードを量産するには下半身を酷使せざるをえない。
また自らを慰めたときに自然と生まれる<ドンマイポイント>を貯めると、コピーカード等、汎用性が高い低ランクカードを作ることができる。
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何がヤバイって、ロルカナはこのクソギフトを利用して、"確実にサーシャを殺す手"をすでに打ち終えた……という情報が、ミズチの口から出たこと。
どんな"能力持ち"とヤッたかなんて僕には分からないし、完全否定できるだけの材料もないから、安らかに眠るためにもう少し情報を集める必要がある。
読んでくださり、ありがとうございます!
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






