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390話 環境ごと変えてしまえ!


〜メグミside〜




 ダンジョン防衛戦が得意な僕等がバックに付いた、スティーブのダンジョンに乗り込んでくる場合、敵は間違いなく地上に陣を張り拠点とするので……


 それを防ぐために、悠々と幕舎を建てられぬよう、<水城のダンジョン>の入り口周辺を沼地にしておいた。



 もし調子に乗った80期魔王が、イケイケドンドンで沼地の上に幕舎なんか建てたら、一晩で中の人も含めて沼に沈むし……


 窒息死してそのままダンジョンポイントになるか、二度手間になるのを承知で幕舎を撤去するかの、強制二択を迫られる。



「それにしても、乗り込んでくるパターンじゃなくてオブジェクト破壊か。考えたな」


 最初に着いた80期魔王は、一番槍の栄誉など目もくれずに、ぬかるんだ地面をモンスターに掘らせ、ひたすらスティーブのダンジョンポイントを削っていた。



 ぶっちゃけ、土も水も<水城のダンジョン>周辺にありふれているため、補修単価が安く、いくら削られても痛くないんだけど……


 これが「荘厳な城」タイプのダンジョンだと、一発で「目玉が飛び出るような補修費用」がかかり、戦わずして負けるパターンになる。



「メグミ先輩。敵モンスターの侵入ポイントで、収益がプラスになっています!」


 今回のケースだと、補修にかかるポイントより敵の侵入で得られるポイントの方が多いから、差し引きプラスでお財布もホクホクだけどね。






「あっ! 敵が沼地を掘るのをやめて、一旦ダンジョン外へ出ました。阻害されていた設定機能も、再び使えるようになっています!」


「よしっ、今のうちに稼いだポイントを全消費してしまえ! <沼迷路>フロアを1階層追加するだけでも、敵の負担は爆増するから!」


「はい!!」



 オブジェクト破壊の恩恵を得られない沼地を、闇雲に掘り起こすのを止めたってことは、新たに合流したあの魔王が入れ知恵したのかな?


 見た感じ、机上の空論ばかり述べそうなエリートのお坊ちゃんだが、到着するなり風魔法を放ちこの仕掛けを見破った以上……


 「チャンスがあれば即潰す敵」として、マークした方がよさそうだ。



「アイツ等は、一体何を……あぁ、そっか。裏にいる先輩魔王に報告しているんですかね?」


「うん。そうだと思う。80期の裏にいる魔王<ロルカナ>は、それなりに名の知れたベテランだし、見る限り"新人育成"にも長けている」



 最近は80期も調子に乗っていたので、報・連・相を怠り自滅コースを突っ走ってくれると思ったんだけど、そう上手くはいかないか。


 さて、ロルカナ先輩はどう対応してくるかな?






「ふむ。とりあえず最初に来たチームは、オブジェクト破壊作戦を止めてダンジョン内へ入ってきたか。さっき合流したインテリ君は?」


 う〜ん、ダンジョンの範囲外に出たままだな。


 ケンカ別れした感じでもなさそうだし、ロルカナの指示で別行動しているのだろう。



「メグミ先輩。再びダンジョンの改造が出来なくなりました。でもフリーになっていた間に、<沼地フロア>と<カビ培養フロア>の増築を終えています!」


「良くやった! 地味だけど、守りはコツコツ堅実にやった方が勝つからね。この調子で、隙あらば稼いだポイントを使っていくぞ」


「はい!」



 初めての防衛戦にしては、上手く立ち回ったスティーブを褒めていると……地上に残ったインテリ風80期魔王が、魔法で"近くの川"を強引にせき止めた。


 そしてモンスター達と協力して、<水城のダンジョン>周辺を避けるように川を迂回させ、突貫工事でダンジョンを日干しにかかる。



「なるほど。<水城のダンジョン>が豊富に水を使えるのは、近くに川がある影響で、水系統の交換レートが極めて低いから。ゆえに、日干しにきたか!」


 所詮、川が数百メートル遠くなっただけだし、地下水脈までは弄れない筈なので、<水城のダンジョン>が完全に干からびることはないけど……


 水源であった川を絶たれれば、今までより不利な交換レートで水を換金せざるを得ず、固定費がかさんでダンジョン運営を圧迫する。






「(ハァ〜。これは、ロルカナ先輩の方が一枚上手だったな。というか、このパターンで攻められたら<集金箱のダンジョン>もヤバイじゃん!)」


 サーシャが治める<集金箱のダンジョン>は、風車小屋の中にできた風属性のダンジョンなので、"風の源"がむき出しである。



 もちろん立地的に、風車小屋が建つほど「風の流れが強い場所」だから、小屋一つ潰したところで大した被害にはならないけど……


 それでも固定費はあがるし、きちんと対策を練らないと、今回みたいに不意を突かれかねない。



「めっ、メグミ先輩。どうすれば……」


「う〜ん。でもまぁ大丈夫だよ。コッチも、それなりに手は打っておいたし。痛み分けで済むはずだ」

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 風車って、そういう意味があったのね
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