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388話 教育&魔改造完了


〜スティーブside〜




 メグミ先輩の鬼畜すぎる構想を聞いたときは、思わず引いてしまったけど……よく考えれば当たり前のことだ。


 魔王になってまだ2年ちょいの先輩が、ランキング最下位から成り上がり若手エースと呼ばれる程になるなんて、鬼策を積み重ねなきゃ無理に決まっている。



 それに先輩の提案は、鬼畜だけど魔王規約には違反しておらず、そのまま取り入れてダンジョンを改築しても、邪神に咎められたりしないので……


 意味のないモラルなんか投げ捨てて、生き残るために先輩の思考をパクれるよう、しっかり話を聞きモノにしなければならない。



「先輩。とりあえず、<冷感フロア>を作ってみました。ただのプールにすると、一時的な対策で逃れられる可能性があるので、構造を複雑化しております」


「ふむ。スティーブ君、センスあるねぇ〜。いい鬼畜っぷりだよ!」



 <冷感フロア>は、泳ぎの得意な人間が潜水と息継ぎを繰り返さなきゃ、先へ進めない構造にして、水面に浮かぶハッカ油との接触機会を増やし……


 辛うじて迷路をクリアして下層へ降りられても、氷属性のモンスターが集まる"超寒いフロア"が現れる、鬼畜仕様にした。



 メグミ先輩の言うとおり、先へ進むための鍵が入った瓶は、当選確率0.01%に絞り、残りは「ムカつく煽り文句が記されたカード」と「ハッカ油の瓶」。


 さらにタワシ・銭貨・大人のオモチャ等、体積の割に価値が少なく持ち帰りたくない物を、小当たり枠でサービス。


 もしメグミ先輩なら、「包茎の絵」や「くたびれたバナナ」も随時投入して、更なる嫌がらせをするそうだが、それは80期が来てからブツを見て考えるよ。






 学ぶ姿勢を見せた僕に、メグミ先輩も気をよくしたのか"より鬼畜な仕掛け"を教えてくれ、<水城のダンジョン>の殺傷力はどんどん上がっていった。


「ほら、<天国と地獄フロア>のルーレットを利用して、<ピー>にハッカ油をぶち込むわけ。一発でもくらったら尊厳死ぬじゃん?」



「死にますね。これを撮影されて常時流されるんですもん。プライドの高そうな80期が、耐えられるわけありません」


「くくくっ。意固地になって、力尽くで下階を目指そうとしてきたら、それこそコチラの思う壺だ! 頭が沸騰するまでイラつかせ、隙だらけにして殺す」



 もし僕が80期の立場で、「<水城のダンジョン>を攻略しろ」と言われたら、泣いて拒否するくらいには"悍ましい魔境"に仕上がったんだけど……


 本当に80期の奴等は、こんな所を潜り抜けてコアルームまでやってくるつもりなのだろうか?



 いや、メグミ先輩が手を貸してくれたからチートできただけで……先輩の支えなしじゃ、<水城のダンジョン>はただの平凡な水属性ダンジョンだから……


 調子に乗らず、胸を借りるつもりで80期を迎え撃ち、全員地獄に落とせるよう尽力するのが僕のつとめ!



 効果の程を教えるついでに先輩が見せてくれた、ロミオット先輩・ホムビッツ先輩・ナステック先輩・ユアンの壮絶な末路を、ウチでも再現するため……


 心を鬼にして、僕の命を奪おうと襲いくる連中を殺さなければならない!



「ぅん? スティーブ君、どうしたの?」


「…………!! いっ、いえ……何でもございません!!!!」



 4人の最期が壮絶すぎて、まだメグミ先輩に対する恐怖心は抜けないのだけど、先輩は"味方には優しい"っぽいから僕は殺られないと信じたい。


 というか……裏切りや下剋上なんかしないので、拷問死だけは勘弁して欲しいっス!!






 そんなこんなでメグミ先輩と<水城のダンジョン>を改造していると、ついに80期の魔王が配下を率いて現れた。


 メグミ先輩がモンティート先輩から受けた報告によると、今日中にあと3〜4組到着する見通しだ。



「ん。ダンジョンの改築が出来なくなった! やはり敵は、阻害系のギフトを持っていたか。でも変だな。それっぽいギフト持ちがいないんだけど……」


 魔王同士の争いでは、防衛側が攻撃に合わせてダンジョンを改造し、有利に立ち回るのを防ぐために、<改造阻害>のようなギフトが重要になってくる。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜改造阻害〜

他の魔王が管理するダンジョンへ侵入している間、そのダンジョンの改造を阻害できる。元々設置されていたもの・ギフト絡みのオブジェクトには、効果が及ばない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 人間側だと……特定の条件を満たした聖者が、<聖者の祈り>という"似たようなギフト"を使えるし、他にも種類はあるそうだ。


 だけど今回は、メグミ先輩が見てもタネが分からない状態で、ダンジョンの改造が阻害されているため、それを対策するのが"一つの要所"になるだろう。



 もちろん僕には、敵の手の内などサッパリ分からないが……


 「改造を阻害されるパターン」は想定していたし、すでに<水城のダンジョン>の魔改造は終わったから、大丈夫なはず。



 メグミ先輩が手伝ってくれているとはいえ、ココは僕のダンジョンなんだから、魔王として80期が攻略するより早く奴等の急所を突き……


 崩壊させられるよう、頑張って敵を出し抜かないと!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 純粋だった後輩が鬼畜に染まっていく…
[気になる点] もし水没エリア・潜水エリアがあれば、そこにハイドンの眷属に使った「勇者の聖血」というチートアイテム使えば、隔離・拘束・閉塞可能だろう。 [一言] 例えば、9層から15層まで潜水で移動な…
[一言] ハッカ油の瓶の中にハズレ枠でヒマシ油の瓶を混ぜよう(提案)
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