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363話 ギャンブル狂の末路


〜とあるギャンブル狂side〜




 俺の名前はチンチロ。


 好きな時に酒を飲み、ありとあらゆる賭博に興じて人生を謳歌してきた自由人だ。


 なのに、なぜこうなった!?



<−−− ボコッ! バコッ! ドゴドゴッッ!! −−−>


「痛っ!!!?」



「オッサン。いい歳して利息すら払えないなんて、情けねぇなぁ。ガキの言い訳は通じねぇんだよ。裏切りには罰ってことで、体で払ってもらうぞ」


「なっ!? そんな話は聞いていない!」



「ほら、ここにちゃーんと書いてあるだろ。"もし払えなかったら、砂漠のオアシスで無期限の奉仕活動を行います"って。血判を押したのお前じゃん」


「いや、でもココは闇金だから法律的には……」



<−−− バキバキッ! ボキッ! ガコンガコンッ!! −−−>


「うっせぇんだよ。1時間後には街を出て片道切符で砂漠へ旅立つお前が、お役所に訴え出られるわけねぇだろ。身の程を弁えろ。この借金野郎がっ!」



 娼館で働かせていた嫁が逃げ、ガキを売り飛ばして作った金も底を尽きたので、「比較的利率が低い」と言われている闇金に手を出し……


 スリで日銭を稼いで利息だけ支払い、「スキップ制度」で凌いでいたのだが、ついにお上に目をつけられ、金を稼ぐ手段がなくなって今に至る。



「クソッ! 今朝の賭博であと3連勝していれば、利息を払ってもいい飯が食えたのに!」


「言い訳するな。立て! ほら、連れて行くんだ!」


「クッ……」



 チクショウ!


 ちょっと負けがこんだだけで、殴りつけて拉致ろうとするなんて……こんな事なら、闇金なんか使うんじゃなかったぜ!!






 そんな俺の叫びも虚しく、睡眠薬を飲まされて無理やり街から出された俺は、似たような境遇の連中と共に、すし詰め状態で荷台に積まれ……


 悪名高い<集金箱のダンジョン>まで連れて行かれて、1万ロルだけ渡され、無理やり<天国と地獄フロア>の一室に押し込められた。



「だけどまぁ、あのクソ闇金共から逃げられたわけだし……これはむしろチャンスか? ほとぼりが冷めてからココを出て、奴等の所業を訴え出れば……」


 でもちょっと待て、このリアル博打ゲーム……ルーレット1回で1万ロルかかるから、脱出するには最低でも10万ロル要るぞ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜ルール説明〜


その1:部屋の中に一人ずつ入り、お金を入れてルーレットを回してください。二人以上で入ると、生存者一人になるまで扉がロックされます。


その2:各試練、部屋の数は異なり……全ての部屋が埋まらないと、お金を入れてもルーレットは回りません。


その3:<地獄>の選択肢を引き当てた者全員が、ミッションを完遂したら、「扉解放」を引いた者だけ移動することができます。


その4:同じ試練を受けている仲間の様子は、部屋に設置されたモニターで常時確認できるよ。励まし合いながら先へ進んでね!


その5:<10の試練>を突破した先に、下層階へと続く階段があります。貴方は何日でクリアできるかな?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 長年のギャンブルで培った勘が「ここは本当にヤバイ!」と告げていたため、なんとか扉を開けて、ダンジョンの外へ出ようとしたが……


 力いっぱい押しても蹴っても扉は開かず、それどころか「ペナルティーです」云々とアナウンスが流れ、厳ついゴーレムが出てきて尻を打たれた。



<−−− バシッ! バシッ! バシッ! バシッ! バシッ! バシッ! −−−>


「グオォォォォォ〜〜〜〜〜ッッ!!!! (なぜ!? どうして俺が、こんな目に遭わなきゃならねぇ!? 理不尽すぎるだろう!!)」






<−−− 器物破損未遂のペナルティーとして、棒打ち30回を行いました。改めて、第一の試練へようこそ −−−>


「グス……ッ、グス……ッ、グス……ッ。(何が"ようこそ"だ。そんな言い方するなら、少しはお客様扱いしろよな!)」



 理不尽きわまりない状況だが、とりあえず「従わなければ殴られる」ことは分かったので、心を殺して試練とやらにのぞむ。


 しかし当然、所持金1万ロルの俺は1度しかルーレットに挑めず、<天国と地獄フロア>の一室で立ち往生するハメになり……


 「処刑or体払い(1ロル=1ケツバット)」という究極の二択を迫られて、人生で初めてマジ泣きさせられた。



「うっ、うぅぅ……」


 そして倍以上背丈のある厳ついゴーレムに、棍棒で何度もフルスイングをくらい、痛みとショックで気絶した俺が、目を覚ました時には……


 固いベッドしかない狭い部屋(牢屋か?)に押し込められており、「ここで働き借金を返済してください」と、訳の分からないアナウンスを聞かされた。



「えっ? 何で?」


<−−− 貴方がご自身のおこないによって負ったケガを、ポーションで治療した代金。および宿代を払う義務があるからです −−−>



 いや、俺……治療とか頼んでないし。


 というか、夢に決まっている!


 もう限界だ、こんな悪夢……早く醒めてくれ!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 娼館で働かせていた嫁が逃げ、 まさかとは思うが、勇者マサルへのハニトラ美人に、まざってないだろうな? 絶望でジサツしないように、気をつけねば 栄養価に気をつけた飯は、ぎりぎり買えるか買えな…
[一言] お弟子さんにもケツバットして喜ばせてあげるのヨイ
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