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351話 スキル図鑑の真髄


〜モンティートside〜




 メグミ君と和解した、元勇者<マサル>の教会本部突撃をキッカケとして、魔王界でも和平派と排除派が激突。


 和平派は、僕等<農民>同盟とメグミ君・サーシャちゃん。



 排除派は、トキナ・ロルカナ・ガルガロクを中心とした「次世代のトップを狙う野心ある魔王達」であり……


 その障壁となるであろうメグミ君を内心では疎んでいて、今回は「マサル排除」という名目で、メグミ君のメンツを潰そうと暗躍したカタチだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


主様、現場に着いたぞ!


予定どおり、儂は砂龍と風龍にモンスターを狩らせればいいんじゃな?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


うん。それでOK!


敵は自分達の関与を隠すために、所属ダンジョンを擬装してモンスターを派遣しているから、根こそぎ殺しちゃってくれ。


忠誠心高めの眷属が選ばれているはずだし、反撃の機会すら与えぬよう容赦なく殲滅だ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


分かった。


裏切る可能性の高いモンスターを、ウチにスカウトする訳にもいかんし、ちょい可哀想じゃが砂龍達の餌にするわい。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 ウチの同盟は、全員ランキング1桁の上位魔王で構成されており、眷属モンスターの能力だけなら、他の追随を許さないほど優れている。


 だけど問題もあって……所属メンバー全員が爺婆ゆえ、魔王本人が表舞台に出ると、それだけで「欠点が露出したカタチ」になってしまう。


 そのため、どれだけ現場でモンスター達と共に戦いたくても、眷属によって無理やりダンジョンに押し込められ、イスかベッドの上で観戦になるのが常だ。



「メグミ君やサーシャちゃんは、良いよなぁ〜。今回はちょっと遠いから出向けないけど、近場ならモンスター達と同じ空気を味わえて」


 僕も若かりし頃に戻って、尿漏れとか段差とか気にせず、ウチの子達と一緒に走り回りたいよ。






「ん、始まった。マサル君の凄さって、この圧倒的バフ能力だよね〜。敵さん、コチラの存在に気付いていなくて、慌てふためているし」


 今回はメグミ君の仲介によって、事前にマサル君から隠密系の<能力玉>を数十個仕入れており、あらかじめそれをウチの子達に与えていた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜スキル図鑑〜


相手の許可を得ることで、スキルおよびギフトが図鑑に登録され、登録された任意の能力を一時的に模倣できる、特殊な<能力玉>を生みだせるようになる。


ただし<能力玉>をつくる際は、己の血とHPを対価として捧げる必要があり、事前準備ナシでは役に立たない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 育成力の差でコチラがやや有利なものの……今回のように、同じSSランクモンスターが対等な条件で戦った場合、展開によっては"負け"も十分ありえる。


 だけどマサル君の<能力玉>で姿を隠して先手をとり、圧倒的有利な状況で暗闘を開始できた現在、勝率は「9:1」かそれ以上にコチラに傾いたと思う。



「メグミ君から聞く限り、マサル君はエロ以外問題ない性質っぽいし……これだけ優秀な人材を、教会から引き離せただけで感謝なのになぁ〜」


 どうして排除派の連中は、魔王界全体の利益を無視して、個人の欲望を追求するのだろう?


 その結果……本当に僕等を押し除けてトップに君臨できそうなら、リスクを取る甲斐もあるってもんだけど、どー見てもその兆候はない。



「多分、自分自身の分析が不十分なんだよ。だからリスク・リターンの見極めが甘くなる」


 マサル君が協定を結んだのは、あくまでもメグミ君とサーシャちゃんだけであり、お情けで<農民>同盟も「攻めないダンジョンリスト」に入れてもらえた。



 だが排除派のダンジョンとは、そんな約束など一切結んでいない訳で……誰かが何かの拍子に「あのダンジョン、悪質だよ」とマサル君に教えて……


 彼が排除派のダンジョンを攻めるよう、工作する事だってできるというのに……。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


主様、敵のSSランクモンスターを2体仕留めましたぞ!


その代わり、儂等の存在には気付かれてしもうたから、今後は数の利を活かして立ち回りますわい。


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土龍、ありがとう!


第一優先は、マサル君を五体満足で<恵のダンジョン>へ帰すこと。


その次に、SSランクの眷属狩り……


1体狩るごとに、この前<セレクト自販機>で買った「ブリしゃぶ」を100枚用意するから、ハンター気分で頑張ってくれ!


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ブリしゃぶ、最高じゃのぉ〜!


キンキンに冷えたビールも飲みたいゆえ、ノルマクリアで飲み放題サービスも付けてくれ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


OK!


酒はたっぷり仕入れてあるし、目標を達成したら全員浴びるほど飲んでいいぞ!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 メグミ君にもらった携帯電話のおかげで、現場班との連絡が容易になり、ベッドの上でヨガをしながら指示を出せるようになった。


「このヨガっていう体操も、老いた肉体を健康に保つには良さそうだし、運動していると彼等と一緒に戦っている気がするのもいい」



 実際のところ、ダンジョン内でヨガをやるのと命懸けで戦うのでは、危険度が全然違うため、迂闊にこんな事を言うとモンスターに嫌われてしまうけど……


 少なくとも、ベッドの上でゴロゴロしながら彼等に命令するよりは、気分的に楽なんだよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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