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348話 無いものねだり




 <遠隔商談>ギフトで「50kg以上ある大きな木箱」を持ちあげ、ゴーレム君に渡し続けること4時間。


 初めの方こそ、サーシャの前で情けない姿を見せたくなくて、必死に取り繕っていたものの……


 途中で3連続木箱を落としてしまい、しかも箱の角が足の甲に刺さってジ・エンドという、隠しようのないミスが重なり限界突破していることがバレた。



 その後はサーシャの提案で、「リビングアーマーを着込んで彼に働いてもらい、僕は中で気絶している」という、"ギフト頼み野郎"感あふれた方法を使い……


 なんとかコソ泥稼業が一段落つくまで粘ったが、ついに動かすだけでも腰が悲鳴をあげるようになり、現在ベッドの上で強制休憩させられている。



「メグミ君。マサルさんが、魔法師<リーナ>・槍使い<サラ>・斥候<キラリ>を殺して、引きあげようとしているよ」


「ぅ……ぅん。教えてくれてありふぁとぅねぇ…………」



 都市<ガロパ>の襲撃も山場は越えたので、僕が指示する場面もほぼなくなり、たしかに「居なくても問題ない」状況ではあるけど……


 執務室に運び出されたベッドの上に、全裸で寝かされてスライムマッサージを受けながら、働いている彼女に情報伝達してもらう滑稽さよ。



 あぁ神様……信仰心は一切ありませんが、今日だけはお賽銭を払うので、僕に(マサルの10分の1でもいいから)筋肉を与えてください!


 邪神に頼んだら、対価として何を要求されるか分かったもんじゃないので、教会のゴミ掃除をしたご褒美ってことで、ぜひ……






「サーシャ様。現場班から、"マークしていた悪人を見つけたのでミッションの糧にした"と、報告が入りました。4人殺して、コチラの被害は軽微だそうです」


「了解! モンスター達は、治るケガしか負っていないんだよね?」



「はい。ハンマーで殴られてゴーレムの腕が凹みましたが、核に影響はないとのこと。帰還次第、錬金魔法スキル持ちに修理させます。あとは武器の破損ですね」


「分かった。もし戦闘に支障が出るなら、帰ってくるまで皆でフォローし合うよう、伝えてくれる?」


「かしこまりました」



 アロマオイルをたっぷり染み込ませた体で僕を包み、プルプルとマッサージしてくれる、スライム君に埋もれながら……


 サーシャが執事君から受けている報告を、盗み聞き。



 現在、魔王界では「不定期ミッション:人間を殺し掠奪の限りを尽くそう」が開催されており、良心の呵責に苦しまずミッションを達成するため……


 ウチのチームは、コソ泥稼業の傍ら「マークしていた悪人」を訪ねて回り、スパッと殺して実績を稼ぎ順位を上げている。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜不定期ミッション・人間を殺し掠奪の限りを尽くそう〜


正義の名のもとに魔王を滅ぼそうとする人間を殺し、奴等の全てを奪い取ろう!

3人以上殺害で「参加扱い」とし、参加者全員に参加賞をプレゼント。

不参加者は、ペナルティーとして一定期間ダンジョンの詳細情報を晒される。

また人間から奪った財産を、ミッション用の換金ボックスに入れると、いつもの3倍のレートでポイント化できる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 教会本部がある街の住民は、たいてい「正義の名のもとに魔王を滅ぼそうとする人間」だから、キルカウント対象者だし……


 "見つかったら終身奴隷落ち"レベルの犯罪に手を染めている、「スキャンダル砲を放つ意味すらない無名の教会関係者」もいるので、獲物には事欠かないよ。






 もちろんこの計画は事前にマサルにも伝えてあり、彼も「証拠があればいいと思う」と言ってくれたので、現場班に頑張ってもらった訳だが……


 マサルが<裁きの聖剣>で手や脚を斬り飛ばし、そのまま放置した教会関係者の中にも、証拠があがっているクズがいたため、掃除するだけで数を稼げた。



 また人間から奪った財産を、ミッション用の換金ボックスに入れると、いつもの3倍のレートでポイント化できる、お得期間中なので……


 コソ泥稼業で回収した物資も、ゴーレム君が不審物チェックしてすぐ、ミッション用の換金ボックスへ放り込んでおり……


 僕とサーシャの魔王ランキングは、上がる一方だ。



「彼等の家にあった絵画、高価な物ばかりだったんだね〜。私には絵の価値なんて分からないから、ポイント査定してもらう方が確実でいいよ」


「そうですね。鑑定すればおおよその価値は把握できますが、絵画は目利き&コネクションの世界ですし、即ポイント化に限ります」


「うんうん。裏ルートで売るとき失敗して、足がついても面倒だしね」



 皆が働いているなか一人ダウンしている僕は、彼氏・主人としての評価が暴落しないか、気が気でないが……


 情けない自分を無視して成果だけに目を向ければ、「教会勢力への落とし前作戦」は大成功だよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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