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337話 見かける度に一本


〜マサルside〜




 メグミ殿のおかげで手間取ることなく正門から街へ侵入でき、また豪雨で情報伝達が遅れて、入って数分経つのに誰も捕らえに来ないため……


 俺は教会本部へ出向く前に、近くにあった新聞社へ立ち寄り、最初のターゲットである其処の社長兼編集長を誅殺した。



 今回は、明らかに相手が"カルマの塊"だったうえ、「理不尽なやり方で俺を貶めた」と分かっていたので、<業>ギフトで縛ったが……


 このギフトは発動条件が厳しく、もし思い込みで発動してしまうと俺自身の魂を焼かれてしまうため、使いどころが難しい。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


カルマ


ターゲットが自分より悪人であり、自分がその人から理不尽かつ甚大な被害を受けた場合、ターゲットを<業>で縛り、来世での序列を下げることができる。


ただしターゲットが自分より善い人だったり、第三者視点で見た被害度が足りないと、術者自身に<業>が降り注ぎ魂を焼かれる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 <恵のダンジョン>へ一人で乗りこみ、散々な目に遭ったときも、何度か「使いたい」と思ったが……


 自らダンジョンへ入っておいて理不尽もクソもないため、どんな目に遭っても発動条件を満たせず、使用を断念したほどだ。



 今考えると、男女関係のもつれや巻き込み事故で、多少なりともカルマを積み重ねていそうな俺に比べて……


 ある日突然、何一つ悪いことなどしていないのに魔王転生させられ、"人類の敵"扱いで攻め続けられたメグミ殿の方が、カルマも薄そうだから……


 もし感情のままに<業>ギフトを使っていたら、「直接、理不尽な目に遭わされた」云々以前に、カルマ勝負にも負けて俺が魂を焼かれていたと思う。






「魔法師<リーナ>・槍使い<サラ>・斥候<キラリ>は、メグミ殿が教えてくれたとおり獄舎にいるな。牢獄の中から、醜く争う気配が漂ってくる」


 もし俺の侵入がバレて街全体が騒ぎになっても、彼女達を助ける人はいなそうなので、ココの訪問順は最後に回していいだろう。



「なら次は教会本部へ乗りこんで、幹部連中の取り巻きを薙ぎ払いつつ、最奥にいる"本命"を狩るか。どうせこういう時、権力者は一番奥に引っ込むものだし」


 取り巻き連中も、俺のゴシップやメグミ殿・サーシャ殿への迷惑行為に加担したクズだから、そのケジメはつけさせなきゃいけないんだけど……


 <業>ギフトを乱用して一発でもミスると、その場で俺が魂を焼かれてしまい、苦痛で動けなくなって詰む可能性が高いので、ザコには使わない。



「まぁ、ザコ狩りにはコレが妥当だろう。所詮コバンザメだし、殺すほどの悪さは……しまくっているけど、今回は許してやるから一生かけて反省しろ」


 手か足を一本飛ばしてやれば、どうせ泣きながら逃げ惑い俺から離れていくから、「見かける度に一本」ルールでいく!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜裁きの聖剣〜


この剣で斬られてできた傷は、ポーションや回復魔法では治せず、自然治癒力による回復しかできなくなる。


裁きを逃れようと、患部をえぐる形で傷を広げ治療を試みても、「剣で斬られた時の状態」までしか戻せず、自然治癒力で治せないなら完治は見込めない。


そして傷が塞がっても痛みが癒えることはなく、己の罪を悔い改め真人間になることで、初めて治療が可能となる。


なおこの剣を使うには、卓越した聖魔法スキルと膨大なマナが必要であり、勇者レベルの逸材でないと振ることすらできない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 方針を固めて<裁きの聖剣>を握りしめ、教会本部まで走っていくと……さすがに報告がいっていたらしく、聖騎士団がズラリと並び入り口を守っていた。


『元勇者<マサル>へ告ぐ! 貴様がやっている事は、逆恨みで罪なき民を恐怖に陥れ、神の御心を蔑ろにする愚行だ! いますぐ罪を認めて縄につけ!!』



 末端兵に守られながら、魔道具の拡声器を使って声高々に叫んでいるのは、ちょうど「一本切り落とそう」と思っていた騎士団長。


 脳筋ゆえに、そこまで手の込んだ悪事は働いていないものの、「パワハラの鬼」として知られ、「賄賂or奴隷扱い」を気に入らない部下にせまるクズである。



『そもそも貴様のふしだらな言動は、常日頃から理事会の皆様を悩ませており、我等としても問題視してい!!!? ギャアァァァ〜〜〜〜〜ッ!!!!』


 あぁ〜、やっちまった。


 あまりにピーチクパーチク喚くもんだから、利き手に加えて唇と鼻まで削いじまったぜ。



「ドンマイ! お前の場合、得意の魔法剣を使えなくなったらリストラされて、今まで虐げてきた連中から闇討ちされそうだけど……」


 罪を認めて悔い改めれば、1%くらいなら「生きたまま五体満足に戻れる」可能性もあるので、デス・ルートだらけの人生ゲームを頑張ってくれ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[一言] 裁きの聖剣はおっそろしいけど相手をナメプできる時しか使えないですね。 勇者だったら強力な剣でサクサク殺した方が消耗は遥かに少ないでしょうし。 生まれつき再生能力の高い種族や自然治癒力を高めて…
[良い点] モチベーションアップの為の燃料と言う言葉が 教会炎上の為の燃料に見えた私はもうダメかもしれない… これが勇者2人に狙われた教会、逃れえぬ業火と言った所でしょうか? (効果:読者の認識すら…
[一言] いやぁ、使うスキルがえげつないw 五体満足に戻る道が無いわけじゃ無いけど、 彼らの性格などを考慮するとその可能性はほとんどゼロw 事実上、再起不能に陥りますね。 そして業が使いにくい相手に…
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