表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

326/937

326話 メールでのやり取り


〜メグミside〜




 いつもの仕事を終えてスマホを開くと、一昨日<恵のダンジョン>を出ていったマサルから、メールが届いていた。


 今のところ彼の居場所はバレていないけど、ギフト持ちにマサルをマークさせていた教会が、「<恵のダンジョン>を離れた」事だけは突き止めており……


 多種多様なギフト持ちを投入して、現在位置を突き止めようと躍起になっているので、一応朝イチで忠告メールだけ送ってある。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メグミ殿、ご忠告ありがとうございます!


俺も、「偽装・隠蔽・隠密系のギフト」を蓄えたギフト玉で盛りまくって備えているので、たぶん大丈夫だと思いますが、もし特定されたらまた教えてください。



それと、自販機で買ったポテチとカップラーメン、マジで美味いっスね!!


「自制しなきゃダメ」と分かってはいるんですけど、一人テントの中でパクつくと、秘密基地で遊んでいる気分になって、空になるまで止められないっス!!


ちゃんと動かねぇと、太鼓腹勇者になりそうwww


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「あ〜うん、その気持ちは分かるよ。身体には良くないと思うけど、そういうご飯って美味しいんだよね〜。だけどお前、この時期にソレを言うって……」


 どんな胆の据わり方しているんだよ!!



 普通、個人で組織に挑む数日前とかガチガチに緊張するし、不安で飯が喉を通らない展開まであるだろう。


 それを散々食いまくって、命より太鼓腹になる心配をしているとか……さすがのメンタリティだし、勇者として複数のダンジョンを攻略しただけある。






 メールの返信を見て思わず突っ込んでしまったが、緊張でカチンコチンになられるよりはずっと良いし、ベストなコンディションを保てている証拠だろう。


 そう考え直してさらに読み進めると、抑えきれない食欲とムラムラ感について1000文字ほど駄文が連なった後、本題である襲撃の話が出てきた。



「超長文乙。なんやかんや緊張しているっぽいな。というか……今までハーレム状態での遠征ばかりだったから、ボッチだと寂しくて文字数も増えるのか?」


 無礼な文章ではなかったし、心の調子を整える相手くらい、頼まれれば幾らでも務めるけど、性欲で全部台無しにするようなマネだけは無しだぞ?



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


襲撃の件ですが、予定通り3日後の深夜2時より行います。


ただし、敵勢力が俺の居場所を探っていることを鑑みて、当初の予定より潜伏先を離れた場所にし、事前偵察も取りやめようかと。


教会本部がある都市<ガロパ>は、元々俺が暮らしていた街でもあるので、偵察ナシでもある程度はいけるでしょうし……


近付きすぎて見つかるリスクの方が大きい、と判断しました。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「了解。当日移動してそのまま特攻だと、僅かとはいえ攻める前に消耗しちゃうから、条件としては80点くらいか? でもまぁ、居場所を特定されるよりはね」


 もし教会本部を攻める前にマサルの動きを特定され、狙いを察知されでもしたら……


 彼は、準備万端で待ち構えている悪党の巣窟に、自ら飛び込むような形になり、高確率で悲惨な最期を遂げるだろう。



 マサルは強いし能力玉の恩恵もあるけど、一般人を盾にされたり卑怯な手を使われれば、容易く捕縛されてしまうもの。


 腕っぷしはともかく、卑怯さで教会幹部の右に出る者はそうそう居ないし、事前バレした奇襲の結末などそんなもんだ。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あとメグミ殿も裏で動かれるとの事で、一つお願いしたいんですけど……当日は火魔法厳禁でお願いします!


ターゲット以外の家屋に燃え移ると危ないですし、火を使うと明かりで姿が見えてしまって、メチャクチャ動き辛くなるのでm(_ _)m



今日の夜から雨乞いの儀式を始めるので、たぶん決行日は豪雨となり、松明すら灯せない状況になると思うんで、アレですけど……


味方同士で打ち消しあってもいけないんで、そこだけよろしくお願いします!


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「OK。もちろんウチも、ターゲットを消し炭にする時を除いて、火魔法は使わないよ。燃え広がると危ないし、制御できなくなっちゃうもんね」


 だけど"雨乞い"って……それも<スキル図鑑>で得た能力の恩恵ですか?


 こうやって宣言できるくらいだから、かなりの成功率を誇るんだろうけど、そんな能力聞いたこともないし、終わったら"種明かし"を頼もうかな。



「コチラも、マサル殿に合わせて動きを調整する。身体を労わり、ベストコンディションを維持してくれ……っと。返信終わり〜!」


 マサルが教会幹部をボコボコにして、「ナメた真似をしたらどうなるか」奴等の記憶に刻みこんだら、疫病患者のポイ捨ても止むのだろうか?



「頑張らないとなぁ〜」


 今までウチは防衛戦ばかりで、僕も"相手の拠点を攻める"経験は少ないので、少し緊張してきたよ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ